Monday, July 15

祝日。昨日の部屋の模様替えにともなう度重なる屈伸運動のせいで両脚が筋肉痛になる。午前3時半起床。午前4時から「ABEMA」にて生中継された「UEFA欧州選手権」の決勝戦、スペイン対イングランドの試合を視聴する。スペイン代表が優勝。朝食、目玉焼きとベーコン、サニーレタスと紫玉葱とトマトのサラダ、「タカキベーカリー」の瀬戸内レモンブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

部屋の片付けの残作業を終えてから、珈琲と読書。松浦寿輝『知の庭園 19世紀パリの空間装置』(筑摩書房)を読む。1998年の刊行以来、新刊書店や古書店や図書館で幾度もその背表紙を目にしてきたが、なんとなくページを捲るのを先延ばしにしたまま今日に至り、ようやく読了する。絶版本なので「ブックオフ」経由で入手した。筑摩書房から上梓された松浦寿輝の本をそのほか調べてみると、『エッフェル塔試論』にせよ『ゴダール』にせよ『謎・死・閾 フランス文学論集成』にせよ『表象と倒錯 エティエンヌ=ジュール・マレー』にせよ、どれも品切れ状態。

読書の合間に昼食。茗荷と人参と若布とキムチを添えた素麺、「一保堂茶舗」の焙じ茶。

『TOKYO名建築案内』(米山勇/監修、山内貴範/著、朝日新聞出版)を読む。今年5月末に催された「東京建築祭」を訪れたのを契機に、東京の建築に関する入門書的な本を何冊か図書館で借りて読み、その大半の版元はエクスナレッジだったのだが、一冊くらい参照物として手元に置いておこうと思って購入したのは、エクスナレッジではなく朝日新聞出版の本。

ビル・ヴィオラの訃報を知る。夕食、黒毛和牛のステーキ、マスタード、クレソンのソテー、玉葱とほうれん草のコンソメスープ。「水曜日のネコ」を飲む。

ニッポン放送開局70周年の特番で、タモリと山下洋輔が話している放送を聴く。スポーツ新聞のWEB配信では、テレビやラジオの番組における芸能人の発言内容を書き起こしただけの「炬燵記事」がしばしば掲載されるが、このたびのタモリの番組も取りあげられている。番組内でタモリはじぶんの年齢を79歳と云っていて、それはまだ誕生日を迎えてはいないが今年79歳になるという意味合いで発言しているようだったが、スポーツ新聞の記事ではタモリの年齢は正確に「タモリ(78)」と記載されていた。炬燵記事でも年は正しく書く。

Tuesday, July 16

曇天。朝食、目玉焼きとベーコン、サニーレタスと紫玉葱とトマトのサラダ、キャロットラペ、玉蜀黍、レモンブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。読書。2012年に「世田谷美術館」で催された駒井哲郎の展覧会図録に目をとおす。

昼食、白米、梅干し、トマトソースとガーリックソルトの豚肉ソテー、南瓜の蒸籠蒸し、小松菜の唐辛子炒め、ピーマンとしめじの酒蒸し、ミニトマトの弁当。会社からの帰宅途中、大雨に降られる。夕食、ハムと胡瓜と玉子焼きとトマトと白胡麻を添えた冷やし中華。「サントリープレミアムモルツ」を飲む。

読書。松浦寿輝の小説『半島』(文藝春秋)を読む。鈴木一誌の手による単行本の装幀ではヴィルヘルム・ハンマースホイの絵画が使われているのだが、このデンマーク生まれの画家が上野の「国立西洋美術館」における展覧会で本格的に紹介されたのは2008年のことで、本書の刊行された2004年の段階では一般に知られていないのは勿論、画家の名前の日本語表記も定まっていなかったようで、本書の冒頭に添えられた紹介文ではヴィルヘルム・ハメルショイとある。現在「ハンマースホイ」である程度は定着したと思われるが、しかし、2020年に「東京都美術館」で開催された展覧会では「ハマスホイとデンマーク絵画」だったりと、日本語表記は安定しない。

Wednesday, July 17

朝食、目玉焼きとベーコン、サニーレタスと紫玉葱とトマトのサラダ、玉蜀黍、レモンブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、白米、梅干し、豚肉の玉葱ぽん酢炒め、南瓜の蒸籠蒸し、小松菜の唐辛子炒め、ピーマンとしめじの酒蒸し、人参しりしり、ミニトマトの弁当。夕食、冷豚しゃぶと明太子と胡瓜の塩揉みとレモンと白胡麻を添えた素麺。「サッポロビール黒ラベル」を飲む。

読書。松浦寿輝『知の庭園 19世紀パリの空間装置』(筑摩書房)で参考文献として挙げられていた、渡辺守章『パリ感覚』(岩波現代文庫)を再訪する。文庫版のあとがきでは、執筆当時は松浦寿輝がまだ東京大学教養学部フランス語教室の助手だったとの回想がでてくる。

Thursday, July 18

朝食、目玉焼きとベーコン、サニーレタスと紫玉葱とトマトのサラダ、キャロットラペ、玉蜀黍、バタールとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。気象庁が「関東甲信は梅雨明けしたとみられる」と発表。

昼食、白米、梅干し、豚肉の酒蒸し、南瓜の蒸籠蒸し、小松菜の唐辛子炒め、ピーマンとしめじの酒蒸し、人参しりしり、ミニトマトの弁当。夕食、白米、明太子、絹ごし豆腐と白胡麻の味噌汁、海苔としらすを和えたほうれん草のおひたし、鯵のひらき。「サントリープレミアムモルツ」を飲む。

読書。松浦寿輝『半島』(文藝春秋)を最後まで。

Friday, July 19

朝食、目玉焼きとベーコン、サニーレタスと紫玉葱とトマトのサラダ、キャロットラペ、玉蜀黍、バタールとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、白米、梅干し、豚肉の玉葱ぽん酢炒め、南瓜の蒸籠蒸し、小松菜の唐辛子炒め、ピーマンとしめじの酒蒸し、人参しりしり、ミニトマトの弁当。夕食、パテ、サラダ(サニーレタス、紫玉葱、トマト、茹で卵、ツナ、オリーブ、レモン)、チリの赤ワイン。

本日はIT界隈で障害日和だったようで、Microsoft社のサービス「Microsoft 365」がAzureの構成変更にともない障害が発生したことに加え、Crowdstrike社のセキュリティ製品のバグにともないWindowsのパソコンやサーバがブルースクリーンになってしまう障害が発生したとのこと。後者の影響は世界的に甚大で、大きなニュースになっている。障害を招いた製品はセキュリティ対策として企業が導入しているEDRで、端末によって異なるEDRを入れて管理することなど少数派だろうから、Crowdstrike社のEDRを導入している会社はほぼ確実にパソコンやサーバーが全滅してしまう。インターネットのニュースを瞥見していたら「専門家」と称する執筆者が、一時凌ぎの解決方法として該当の製品を入れていない別の端末で作業をする案を書いていたのだが、EDRを入れていない端末が転がっているのはセキュリティの統制上問題なので、つまりはちゃんと管理している企業はもれなく全滅する。一応すぐに復旧手順がインターネット上に出まわっていたけれど、結構ハードルが高い。セーフモードで起動してから問題のファイルを削除するという、読む人が読めばなんてことはない手順ではあるが、遠隔地にいる一般ユーザーに対してどうやって伝えるのだろう。復旧したPCからスマートフォンに向けてTeams会議でもやるのだろうか。上記の回復手順を素直にやっても「BitLocker」が行く手を阻むという話があるようなので、単純な再起動でパッチ適用されるのを待ったほうがよさそうではある。

読書。麻布競馬場『令和元年の人生ゲーム』(文藝春秋)を読む。本書が「直木賞」の候補作としてノミネートされたとの報せを知って不思議に思ったのは、ある程度評価の蓄積のある小説家に与えるのが昨今の「直木賞」の通例だからで、しかし版元がどこかを確認してみたならば「直木賞」の事実上の主催者である文藝春秋なので、これは話題づくりのために捩じ込んだのだろうと邪推することで諒解する。X(旧twitter)から離脱して久しいので、最近まで麻布競馬場がどのような人でどのような評判を呼んでいるのか知らなかったのだが、平野紗季子のJ-WAVEの番組「味な副音声 voice of food」にゲスト出演して雑誌『東京カレンダー』について語るのを聴いて、社交的能力が高くて頭の回転が早い人物なのだなとの感想を抱き、早速『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』(集英社)を読んでみたところ、小説は、饒舌な語り口で現代社会の上澄みを弄る爽やかな露悪狂といった印象をうける。文章には「ここではないどこかへ」を志向するかなり古典的な感受性が充溢しているし、小説として特段優れている要素は見あたらないものの、個人的には面白い書き手だなと思っていたら、世の中には麻布競馬場のことを蛇蝎の如く嫌っている層が存在するようである。それは「はてなブックマーク」界隈で顕著に見られることをこのあいだ発見した。世事に対して気の利いたつもりの短文を寄せることで成り立っている「はてなブックマーク」という集合体は、積極的にコメントを書いている面々が貧乏くさいしみったれた雰囲気の漂うことを考慮すると、麻布競馬場と「はてなブックマーク」界隈は水と油かもと一瞬思うも、麻布競馬場は「はてなブックマーク」を参照してじぶんのことを嫌っている人びとの特性を分析しているらしいのだが、どちらも通俗的という意味では一枚のコインの表裏の関係かもしれない。ところで、麻布競馬場は大江健三郎の小説が好きらしく、『令和元年の人生ゲーム』という題名は『万延元年のフットボール』を意識したとインタビューで応じているのだが、小説の膂力が圧倒的にちがいすぎるので大江健三郎の名前を出したところで云うべきことは特に何もなくて、同時代の若者の流行や風俗を吸いあげようとするアプローチという点では、その嫌われ方を含めて田中康夫の『なんとなく、クリスタル』のほうが近いのではないかと思うのだがどうだろう。

Saturday, July 20

晴れ。朝食、目玉焼き、ソーセージとマスタード、サニーレタスと紫玉葱とトマトとレモンのサラダ、キャロットラペ、バタールとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。罰ゲームのような暑い夏が到来する。食料品の調達のために近所のスーパーマーケットまで往復歩くのが苦行になる季節。

昼食は「まい泉」のヒレかつサンドと「一保堂茶舗」の焙じ茶。映画鑑賞。『コントラクト・キラー』(アキ・カウリスマキ/監督、1990年、フランス・スウェーデン)を見る。「とらや」の羊羹と「Jubilee Coffee and Roaster」の豆で淹れた珈琲をお供に読書。「新しい風吹くフランスへ」特集の『TRANSIT』64号(講談社)を読む。夕方「ギネス」を飲む。夕食、白米、しらす、絹ごし豆腐と小松菜の味噌汁、鰹のたたき、大根のつま、貝の磯和え。「サントリープレミアムモルツ」を飲む。

Sunday, July 21

朝食、生卵と白胡麻を添えた白粥、山椒味噌、小松菜と絹ごし豆腐の味噌汁、焼き鮭。掃除と洗濯。「とらや」の羊羹と「こ豆珈琲 自由が丘」の豆で淹れた珈琲。

映画鑑賞。『気狂いピエロ』(ジャン=リュック・ゴダール/監督、1965年、フランス・イタリア)を見る。昼食、鶏肉の酒蒸しと生卵と小葱を添えた檸檬ラーメン。

読書。エクスナレッジが出している「美しい」や「夢」がタイトルに付与された近刊本をまとめ読み。田村美葉『東京の美しい本屋さん』、八木谷涼子『日本の美しい教会』(鈴木元彦/写真)、『日本の美しい洋館』(内田青蔵/監修、伊藤隆之/写真)、門井慶喜『日本の夢の洋館』(枦木功/写真)。しかし最近のエクスナレッジの本でいちばん面白かったのは、美とも夢とも関係のない高橋哲史『夜のお店 解剖図鑑』。

常備菜づくりと台所の掃除。夕食、浅蜊とトマトとほうれん草とレモンのパスタ、バタール、チリの赤ワイン。