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Monday, February 7

冬晴れ。残業。美術の歴史を初心者にもわかりやすく解説する山田五郎のYouTubeチャンネル「オトナの教養講座」を愉しく視聴しているのだが、ひとつ気になるところがあるとすれば、参照している文献があまり呈示されないところだろうか。プロの制作会社がつくっているテレビ的な番組なので気にとめるほどの話ではないのだが、単純に話の元ネタを知りたいという興味がある。多くの文献から取捨選択のうえ複合的に話を組み立てていると思われるが、もしかしたら参照文献のひとつかもしれない高階秀爾『バロックの光と闇』(講談社学術文庫)が本日の読書。途中まで。夕食、豚挽き肉と人参のミートソースパスタ、ビール。

Tuesday, February 8

曇天。読書。いつもながらの明晰な解説に唸りながら高階秀爾『バロックの光と闇』(講談社学術文庫)を読み終える。夕食に「ちよだ鮨」を買って帰る。ビールを飲みながら映画鑑賞。むかしのイギリス映画を見る。『兇弾』(ベイジル・ディアデン/監督、1949年)。みんなやたらと紅茶を飲んでいる。

Wednesday, February 9

晴れ。きのう届いた『UP』(東京大学出版会)と読みさしの『みすず』(みすず書房)を読む。会社の昼休みなどに出版社のPR誌を読んでいると、宗教がらみの冊子を読んでいるのではと誤解されそうという話をしたことがあったが、『UP』も『みすず』も一種の宗教みたいなものではある。夕食、油揚げとわかめをのせた温かいうどん、ビール。

Thursday, February 10

大雪の予報が出ているが的中するのかどうか。雪が舞いはじめたので早めに帰宅するも自宅にて残業。夕食、「千房」の冷凍お好み焼き、ビール。届いた『週間読書人』(読書人)を読む。大々的に警告していたわりには降雪はそれほどでもなく、雪の予報の難しさを証明するかのような本日の天気。

Friday, February 11

祝日。晴れ。目玉焼き、サニーレタスとトマトとベーコンのサラダ、豆乳パンとクリームチーズ、珈琲の朝食ののち、「メリーチョコレート」のコフレローズと珈琲をお供に読書。丹下和彦『ギリシア悲劇入門』(未知谷)と池上俊一『ヨーロッパ史入門 原形から近代への胎動』(岩波ジュニア新書)。昼食、白米、絹ごし豆腐とほうれん草の味噌汁、しめ鯖、白菜の漬物、柴漬け、焙じ茶。自転車に乗って田園調布まで。「ナショナル田園」で調味料を買って「LE TOKYO FRENCH BAKERY ESPRIT」でパンを買って「レピドール」でケーキを買って「Precce」で食料品を買う。読書のつづき。黒川創『旅する少年』(春陽堂書店)を読む。夕食、焼豚と茹で卵と小葱をのせた醤油ラーメン、キムチ、ビール。

Saturday, February 12

朝食、目玉焼き、サニーレタスとトマトとベーコンのサラダ、豆乳パンとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。晴れ。洗濯と掃除。早めの昼食(石濱匡雄&ユザーン監修「ベンガリーマトンカレー」)を済ませてから外出。電車を乗り継いで千代田線の乃木坂駅下車。国立新美術館で「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」を見学する。遅ればせながら今年最初の美術館訪問。絵画に対する関心は長らく19世紀後半から20世紀にかけてが中心だったが、ここ最近はルネサンスからバロックあたりに興味があるので、展示会場前半から中盤にかけてをとてもおもしろく見物する。美術館をあとにして、東京ミッドタウンのスターバックスでカプチーノを飲んでから、日比谷線で恵比寿駅まで。アトレ恵比寿での買い物に付き合う。図書館で借りた池上俊一『ヨーロッパ史入門 原形から近代への胎動』(岩波ジュニア新書)がわかりやすくてよかったので購入しようと有隣堂に立ち寄るも、売っておらず。いったん自宅に戻ってから近所のスーパーマーケットまで買いものに出かける。帰宅後、靴磨き、アイロンがけ、常備菜づくり。夕食、海鮮丼(鰹の刺身、ねぎとろ、生卵、小葱)、絹ごし豆腐とわかめの味噌汁、柴漬け、ビール、焙じ茶。夜、山田五郎のYouTubeチャンネル「オトナの教養講座」を視聴。世事に疎いので、三菱一号館美術館で催された「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜 ― モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン」を契機として、レッサー・ユリィというユダヤ系の画家が一躍人気になっているという事実をはじめて知る。印象派はもういいだろうという気分なので、この展覧会には食指が動かず赴かなかった。日本ではほとんど無名で山田五郎も知らなかったそうなので、超マニアックな画家であるようなのだが、わたしは偶然にも既に知っていた。正確には過去この日誌で言及したことがあると指摘されて思い出したのだった。ベルリンを旅したときに訪れた旧国立美術館(Alte Nationalgalerie)の感想として、「この美術館でユダヤ系のドイツ画家レッサー・ユリィ(Lesser Ury)の存在を知る。好みの絵だったので日本で展覧会をやってほしい」と書いている。このたび広範に人気がでたということはベルリン旅行時の直感はそれほど的外れではなかったのかもしれない。三菱一号館美術館での展覧会開催の経緯によると主催者側は別段レッサー・ユリィを推す意図はなく、イスラエル博物館側の半ばゴリ押しで展示されるようになったとのこと。しかし日本で無名でも外国の美術館を訪れれば展示されているのだから学芸員などの専門家が誰もまったく知らなかったとは考えにくく、知られていない画家の作品を日本で紹介することのハードルの高さを思う。レッサー・ユリィはシオニズム思想に熱心な画家だったという山田五郎の解説は勉強になった。

Saturday, February 13

朝食、目玉焼き、サニーレタスとトマトとベーコンのサラダ、豆乳パンとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。午前中から冷たい雨が降りはじめる。玉子サンドを食べながら映画鑑賞。エリック・ロメールの短編『モンソーのパン屋の女の子』(1962年)を見る。「六つの教訓話」シリーズの第1作目。午後は読書。橋本倫史『東京の古本屋』(本の雑誌社)を読む。本書に登場する駒込にある「BOOKS青いカバ」は、ちょうど駒込から引っ越してしまうタイミングで開店した。残念に思う一方、いい古本屋が近所にあると散財する危険性が高まるのでよしとしたい気もする。おやつ、「六花亭」のバターサンド、「たけした」のどら焼き、珈琲。関東地方に大雪の警報が出る。夕食、ローストチキンとマスタード、ホワイトセロリとしらすのサラダ、玉葱とミニトマトのコンソメスープ、ピルスナーウルケル。