Monday, February 2
夜、ほうれん草とトマトとベーコンのパスタ、人参とレバーペーストのブルスケッタ、白菜とウィンナーのコンソメスープ、赤ワイン。
Tuesday, February 3
夜、鶏肉と小松菜と生卵の塩ラーメン、ビール。
Wednesday, February 4
夜、白米、豆腐と油揚げとわかめの味噌汁、鯵のひらき、塩糀と和えたほうれん草のおひたし、万能ねぎをのせた冷奴、烏賊の塩辛、ビール。
Thursday, February 5
夜、焼きそば、ビール。
Friday, February 6
会社帰りに銀座に立ち寄って、ポーラミュージアムアネックスで山本基「原点回帰」を見る。塩をつかったインスタレーション。「古来より塩は私たちにとって無くてはならない身近なものでありながら、穢れをはらう、清めるなど、神性を帯びたものでもありつづけている。塩も人間もいのちの原点は海。私たちは海をのぞむ時、やすらぎや癒しと同時に人知の及ばない力に想いを馳せる」と書かれた作品のコンセプトはあまり好みではないが、出来あがった作品自体はとてもよかった。
シネスイッチ銀座で『さらば、愛の言葉よ』(ジャン=リュック・ゴダール監督、2014年)を鑑賞。ゴダールの3D映画。3Dをそう使うのかよ、と驚愕するやら感心するやら呆れるやらの感情が渦巻くなかで、松浦寿輝『ゴダール』(筑摩書房)の劈頭にある、
例によって、ゴダールはゴダールを反復する。1987年の『右側に気をつけろ』を見終った直後、いつもながらの茫然自失のただなかでわれわれが反芻するのは、またしもやられてしまったというあの呆気にとられた思いばかりだ。
を思い出して、この文の「1987年の『右側に気をつけろ』」はそのまま「2014年の『さらば、愛の言葉よ』」に置き換えても通用するところに、ゴダールはすごいなあ、もはや何がどうすごいのかわからなくなっている感もあるけれどすごいなあ、としみじみ思う。
映画がはじまるまでの時間、ゴダールがみずから60年代ゴダールを回顧するような体裁の講義録『ゴダール映画史(全)』(奥村昭夫/訳、ちくま学芸文庫)を紐解いていたところ、
そして私が観客のことを考えるようになったのは、たとえば『カラビニエ』の場合のように、自分がつくった映画が興行的に大失敗におわったとき……とてつもない失敗に終わったときです。『カラビニエ』は、2週間で18人の観客しか入らなかったのです! 私はそのとき……18人といえば数えることができるわけで、だから私はそのとき、《その18人というのはいったいどういう人たちなんだろう? ぼくはどうしてもその人たちのことが知りたい! ぼくの映画を見にきたその18人の人にどうしても会ってみたい。あるいはその人たちの写真を見てみたい》と考えました。私が本当に観客のことを考えたのはそれが最初です。
というくだりがあったのだけれど、『さらば、愛の言葉よ』の場内はほぼ満員にちかくて、間違いなく18人以上はいた。よかったねゴダール。
夜、銀座コリドー通りの千房でお好み焼き。家に帰ったら『みすず』の読書アンケート特集が届いていた。
Saturday, February 7
シアターイメージフォーラムで『鏡の中のマヤ・デレン』(マルティナ・クドゥラーチェク監督、2001年)を鑑賞。上演時間104分で、さくっとわかるマヤ・デレンの生涯。この映画、音楽担当がジョン・ゾーンだった。
夜、お寿司、長ねぎのお吸い物、ビール。
Sunday, February 8
食事と映画で一週間が終わったような日記になっているが、いちおう本も読んでいた。以下、読んだ活字媒体。
・蓮實重彦『「ボヴァリー夫人」拾遺』(羽鳥書店)
・ジャン=リュック・ゴダール『ゴダール映画史(全)』(奥村昭夫/訳、ちくま学芸文庫)
・『図書』2月号(岩波書店)
・『一冊の本』2月号(朝日新聞出版)
・鷲田清一『哲学の使い方』(岩波新書)
・木下古栗『金を払うから素手で殴らせてくれないか?』(講談社)
・高峰秀子+瀬木慎一『あの道・この道』(河出書房新社)
・木田元『マッハとニーチェ 世紀転換期思想史』(講談社学術文庫)
・『UP』2月号(東京大学出版会)
・川口有美子『末期を超えて ALSとすべての難病にかかわる人たちへ』(青土社)
・山崎まどか『オリーブ少女ライフ』(河出書房新社)
・ジョン・ウィリアムズ『ストーナー』(東江一紀/訳、作品社)
・萩原健太郎『写真で旅する北欧の事典 デザイン、インテリアからカルチャーまで』(誠文堂新光社)
・トマ・ピケティ『21世紀の資本』(山形浩生・守岡桜・森本正史/訳、みすず書房)
夜、じゃがいもと人参と玉ねぎのビーフシチュー、大根とトマトとホタテとクリームチーズのバジルマリネ、バゲット、赤ワイン。