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Monday, August 13

朝、くるみパン、スクランブルエッグ、ベイビーリーフとパプリカのサラダ、ヨーグルト、ブランデーケーキひと切れ、オレンジジュース、珈琲。

夜、素麺、枝豆、ミョウガをのせた豆腐、キムチ、ビール。J-waveのラジオ「DOCOMO TOKYO REMIX ZOKU」ではMCの山田五郎と中川翔子が週替わりで一冊ずつおすすめの本を紹介するコーナーがあって毎週楽しみにしているのだけれど、食事をしながら録音したものを聴いていたら山田五郎がノヴァーリスの『青い花』を紹介していて、ちょうど先週末の土曜にいいかげんこの本も読まなきゃならん、と図書館から借り出したのが『青い花』だったので思わぬ符合に嬉しくも驚いたのだけれど、思い返せば今年の5月、このコーナーで山田五郎がジュリアン・グラックの『アルゴールの城にて』を取りあげたときはちょうどグラックのほかの著書を読んでいたところだったし、それ以外にも7月には鹿島茂に山田五郎がラジオで紹介するのに何かいい本ある? と聞いたら返ってきた答えが作者不詳の『ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯』だったりと(山田五郎いわく「そこきたか! って本を出して来た」)、いつもながら何かと得るところの多いコーナーなのである。

食後、ア・ラ・カンパーニュのプリンを食べながらジブリ劇場の2本目。『天空の城ラピュタ』(宮崎駿監督、1986年、日本)を鑑賞。天下一品の物語運び、小気味よすぎるアクションシーン、さりげないユーモア……いい映画だなあ。白いハトたちも、永遠に置き去りにされなくて本当によかった。

Tuesday, August 14

このところ毎朝5時に起きてシャッと勢いよくカーテンを開けると、日の出が刻々と遅くなっているような気がして(曇りがちな天候のせいばかりではないはず)、もうそろそろ夏にも倦んで秋の訪れを待つ体勢を取り始めつつも、これはこれでやはり寂しいものだ。

朝、ベイビーリーフとトマトのサラダ、シュークリーム、オレンジジュース、珈琲。昼、鮭のおにぎり、青梗菜と長ねぎの味噌汁、卵焼き、ビール。

毎年出るのを楽しみにしている漫画といえば安野モヨコの『オチビサン』(これまで毎年8月刊行)とよしながふみの『きのう何食べた?』(刊行月はばらばら)で、『オチビサン』は版元が朝日新聞出版なので定期購読している『一冊の本』の8月号で「今月の新刊」ページにオチビサン最新刊情報が載っているのが常なのだけれど今年はそれがなかったから不安に思っていて、午後、図書館に出かけて連載されている朝日新聞の誌面をチェックしたらば『オチビサン』5巻については何もふれられていなかった。いつ出るのかがわからないととても不安で落ち着かない。

若い人のためにわかりやすく書かれた『ラテンアメリカ十大小説』(木村榮一/著、岩波新書)を読んで、若くないわたしがラテンアメリカの作家たちのプロフィールと代表作を木村榮一先生のもとでお勉強。

夜、ご飯、牛肉のミルクビネガー煮、ベイビーリーフとトマトとパプリカとコーンと玉ねぎのサラダ、赤ワイン。ソースをつくるのに薄力粉が必要なのだけどなかったので水とき片栗粉を使った。次回は薄力粉で。あと赤ワインに合う肉料理ということで漠然と牛肉を使ってしまったが、レシピをよく確認したら豚肉を使っていた。次回は豚肉で。

Wednesday, August 15

寝室があまりに暑くて3時頃目を覚まし、青息吐息でクーラーのある部屋へ移動。寝室には昨年買ったサーキュレーターがあるのだけれど、昨年、夜のあいだずっとまわしっぱなしにしていたかどうか忘れてしまった。朝食はバゲットをほんのひとくちとヨーグルト、オレンジジュース、珈琲。怠い身体でしばし逡巡するも、いや、やはり行くべき! と丸の内の三菱一号館美術館に「バーン=ジョーンズ展 —装飾と象徴」を観に出かける。たくさんの神話や伝説に題材をとったバーン=ジョーンズ作品の作品解説を読むことはすなわちあらゆる神話の筋書きをなぞることとほぼイコールで、それらと、行きの電車で読んでいた『ラテンアメリカ五人集』(ホセ・エミリオ・パチェーコほか/著、安藤哲行ほか/訳、集英社文庫)に収められているミゲル・アンヘル・アストゥリアスの「グアテマラ伝説集」のストーリーとが、いつの間にやら脳内でシャッフル再生されることに。

お昼は丸の内ブリックスクエア内のレストランでチーズときのこのリゾット、サラダ、フォカッチャ+ホイップバタークリーム、スパークリングワインを美味しくいただいた。

Friday, August 17

夜、虫の声をBGMに、ベルギービールを注いだグラスを携えて、『ユリイカ』2012年4月号(青土社)「セザンヌにはどう視えているか」を読む。いまになって。

Saturday, August 18

朝起きたらなんとなく体調不良。なんとなく胃と腸がどんより。なんとなく怠く、なんとなく頭痛。なんとなく腹痛も。とはいえ臥せっているほどでもないため粛々と支度をして、身体を労りつつ畠山美由紀の「クレマチスよ」を聴きながら静岡県三島市にある文化複合施設、クレマチスの丘に向かう。

丘に着くころには体調も回復したので、ランチはサラダとピザを自家製サングリアとともに。IZU PHOTO MUSEUM で「松江泰治展:世界・表層・時間」、ヴァンジ彫刻庭園美術館で「開館10周年記念展 庭をめぐれば」を観る。松江泰治展では、杉本博司の作庭した中庭に面した一室で水滴が滴り落ちる映像作品を観ていたら大粒の雨が降り出し雷鳴が轟き始めて作品との思わぬシンクロに驚く。雷雨は断続的に続いたけれどそのあいだずっと美術館のなかにいて、ただでさえ美術館という場所は何ものかに守られている気がするのだから大好きな松江泰治の作品に囲まれていればその感覚が増すのは当然で、雷雨もちっとも怖くないのだった。外に出る頃には青空が広がっていた。その青空のしたで庭園を散策しながら鑑賞した「庭をめぐれば」では、よく見知った19組の日本の現代作家の作品が、ヴァンジの展示室で展示空間を共有していたり、彫刻の庭園のあちらこちらに点在していたりと、ほんとうにこの庭園の10歳の誕生日を祝っているような雰囲気でなんとも朗らかな気分になった。

昨年の8月にここに来たときは熱中症の一歩手前という感じでかき氷を食べたのだった。今年は甘いものが食べたい気分だったのでクリームあんみつを、バスの時刻を気にしながら食べた。

せっかく行き帰りで本を読もうと思っていたのに行きは酔ってしまうのを懸念して読めなかったため(乗り物酔いをしないのでこんなことは滅多にない)、帰りは読書タイムだーとはりきっていたものの缶ビール1本とじゃがりこを摂取したらぼんやりしてしまい、呆気なく東京に着いてしまった。

Sunday, August 19

きょうは体調は良好。このところ、毎週ではないけれど時間のある日曜日には近所のお気に入りのカフェでアイスコーヒーを飲みながら読書するのが至福の時間となっている。きょうはその甘美なひとときを享受してから、いつもより丁寧に常備菜をつくった。