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Monday, June 10

『KINFOLK』の日本特集を読んだ感想は、この雑誌はアメリカやヨーロッパを取りあげたほうがいいのに、ということ。

Wednesday, June 12

レイトショーで、下高井戸シネマでライナー・ベルナー・ファスビンダーの『ローラ』(1973年)を鑑賞。ファスビンダーの、男女の情愛の機微にまったく興味のなさそうなところがおもしろい。ではファスビンダーはなにに興味があるのだろうと考えてみても、映画を見るかぎりではさっぱりわからないところもまた、おもしろい。よくわからないまま最後まで飽きることなく見てしまう。それはそうと次の日に有給休暇を取るわけでもないのに、家に戻るのは零時すぎになるレイトショーに通うなんて。ファスビンダー巡礼。

Thursday, June 13

本を読む時間がとれない。PR誌ですら積ん読状態の体たらく。

朝、ベーコンポテトドック、玉ねぎとトマトのサラダ、珈琲。昼、お弁当。夜、白米、トマトときくらげと長ねぎの中華風スープ、焼売、一番搾り。本は読まずとも毎日の食事に抜かりはない。

Friday, June 14

金曜日の朝に更新されるデジタル版のエコノミスト誌を、金曜日のうちに読み終える速読力をつけるのが夢だ。たぶん夢のまま終わるだろう。

夜の九時すぎ、下高井戸シネマでライナー・ベルナー・ファスビンダー『マルタ』(1973年)を見る。ここ最近『リリー・マルレーン』『マリア・ブラウンの結婚』『ローラ』『マルタ』とつづけてファスビンダーを見たのだが、『マルタ』はちょっと退屈で途中で少し寝てしまう。ファスビンダーの映画はカットとカットのつなぎに変な曲が流れるのが気になってしょうがなく、その変な音楽のおかげで眠気もふっ飛ぶというものだが、『マルタ』にはそれがなかった。眠くなったのは変な音楽がなかったからだ。鑑賞前に、下高井戸駅ちかくのイタリアン「トニーノ」でビールと赤ワインを飲んだのが原因という説もある。

Saturday, June 15

クーラーをつけないとやってられない季節が訪れる。

美容院で髪を切り、スーパーで買いものをして、近所のカフェでくつろいでいたら、あっという間に夕方だ。休日の時間は一瞬ですぎてゆく。エコノミスト誌のドイツ特集を読む。ベルリンにはいちど行きたい。ダニエル・リベスキンド設計のベルリン・ユダヤ博物館を基点として、できればポーランドまで足をのばしてアウシュビッツを訪問するという、ドイツの暗部をめぐる旅がいい。

映画を二本。マルクス兄弟の『オペラは踊る』(1935年)とエルンスト・ルビッチの『結婚哲学』(1924年)を見る。古い映画ばかりを見ている。

朝、トマトをのせたピザトースト、珈琲。昼、ザワークラウト、ソーセージとマスタード、バゲット、トマトサラダ、一番搾り。カフェでアイスコーヒーとチーズケーキ。夜、あさりとほうれん草と玉ねぎのパスタ、赤ワイン。

Sunday, June 16

目を覚ますと、窓の外は強い雨。きょうも洗濯ができない。

昼前、雨が小降りになったころ、バスに乗って少し離れた図書館へ。図書館にいる数時間のあいだ、iPadでARTnewsをずっと読んでいた。図書館に来てiPadにずっと目を凝らしているなんて邪道といえば邪道だが、本のたくさんある場所にいると、なぜだか読みは捗る。紙の束に囲まれながら、電子データに没頭していた。夕方図書館を出ると、早朝の雨が嘘のような梅雨晴れ。いま洗濯物を干したら数時間で乾いてしまうのではと思う、憎たらしい強い陽射しが降り注いでいる。

家路の途中で花屋に立ち寄り、食卓に飾るために橙色のスプレーバラと淡いピンク色のバラを買う。夜は返却期限の迫る、ツタヤで借りた溝口健二の『近松物語』(1954年)を見てから就寝。

朝、アップルパイ、サラダ(グリーンリーフ、ベビーリーフ、キュウリ、玉ねぎ)、ヨーグルト、オレンジジュース、珈琲。昼、図書館併設のカフェでハンバーグとサラダ、パン、デザートにモンブラン、珈琲。夜、白米、人参と長ネギとわかめの味噌汁、蒸し砂肝とカリフラワーの紫玉ねぎ添え、烏賊の塩辛、一番搾り。