26

Monday, December 5

埼玉県立近代美術館での「瑛九展」でこの美術家がエスペラント語に熱心だったことを伝える展示を見て、エスペラント語についてすこしでも知りたいと思い至り田中克彦『エスペラント 異端の言語』(岩波新書)を手に取るのだが、本書の趣旨であるエスペラント語学習へのいざないに逆らってエスペラント語まわりの事情を知ることで満足してしまう。夕食、白米、辛子明太子、葱の味噌汁、焼き魚(鰤)、蒸し人参、南瓜煮、もやしのナムル、キャベツと大根の漬物、カリフラワーとパプリカときゅうりのピクルス。『華氏451』(フランソワ・トリュフォー/監督、1966年、イギリス)を鑑賞。

Tuesday, December 6

プルースト『失われた時を求めて1 スワン家のほうへ』(吉川一義/訳、岩波文庫)を読む。井上究一郎、鈴木道彦、そしていま読んでいる吉川一義とどの訳者のものでも、「スワン家のほうへ」ばかり熱心に読んでいる読者である(途中で根気がつづかなくなるともいう)。夕食、とんこつ醤油ラーメン(もやし、ピーマン、ベーコン、コーン)。

Wednesday, December 7

若森みどり『カール・ポランニー 市場社会・民主主義・人間の自由』(NTT出版)を読む。あとがきをひらくと恩師や両親への謝辞がならぶという学術関係の書籍によくあるパターンなのだけれど、つぎの箇所に瞠目する。「本書第2〜3章の理論的骨格となっている、ポランニーにおけるマルクスとキリスト教をつなぐ太い輪を提示してくれた父・若森章孝、アーカイブのドイツ語訳とフランス語訳を対照し異同を確認してくれた母・若森文子」。このインテリ家族はなんでしょう。夕食、中村屋のハヤシライス(レトルト)。

Thursday, December 8

高田里惠子『文学部をめぐる病』(ちくま文庫)を再読。夕食、白米、葱の味噌汁、ひじきの煮物、秋刀魚の塩焼き、大根おろし、漬けもの。

Friday, December 9

円城塔『これはペンです』(新潮社)を読む。

朝日新聞社のウェブサイトで「国立社会保障・人口問題研究所」の分析をもとにしたニュースで「単身女性、3人に1人が貧困 母子世帯は57%」という記事を見かけて、白波瀬佐和子『日本の不平等を考える 少子高齢社会の国際比較』(東京大学出版会)をぼんやりと思い出したりするのだが、確認してみたところ記憶のとおり「わが国では特に、母子世帯といえども母親が仕事をもつ場合が9割近い。つまり、働かないので貧困であるというわけではなく、働いても貧困であるワーキングプアのひとつの代表例が母子家庭である。母子家庭の貧困回避は、就労によるよりも親との同居によるところが大きく、それは日本の特徴である」とある。というか、この一文を書くためだけにいちいち図書館に出向いて文献を確認しないと気がすまない習癖をなんとかしたい次第である。

夕食、白米、葱の味噌汁、茄子のバジル炒め、鯵のひらき。

Saturday, December 10

朝食に鮭のおにぎりと小松菜の味噌汁と卵焼き→部屋でラジオ→昼前に原宿駅下車→「LOTUS」でパスタと珈琲の昼食→「OMOTESANDO KOFFEE」でカプチーノと菓子→「ANGLOBAL SHOP」→「表参道ヒルズ」を逍遥→「hugo’s workshop & alchemy」で「ルイジ・ギッリ写真展 モランディのアトリエ」→「古書日月堂」→「RAT HOLE GALLERY」で「テア・ジョルジャッツェ Let me disclose the gifts reserved for age」→「Dries Van Noten」で「Exhibit of selected garments with photographs by James 」→「MIU MIU」→「DEE’S HALL」で「高橋恭司写真展 」→「LOUIS VUITTON 表参道店」で「アリソン・ショッツ Geometry Of Light」→ふたたび「表参道ヒルズ」を逍遥→渋谷経由で代官山駅下車→「martinique」→「GALLERY SPEAK FOR」で「角田明子 サンタさん」→「スターバックス」でカプチーノ→代官山の「蔦屋書店」→「Anjin」で野菜と温卵の雑炊と卯の花コロッケと琥珀エビスの夕食→月蝕。

Sunday, December 11

八百屋と魚屋と薬屋と花屋で買いもの。雑事。夕食、マグロ丼(しらす、万能葱、卵)、蛤のお吸いもの、海苔とキムチの冷奴、漬けもの。