23


Monday, November 14

夜ごはん
 
 
 
 
牛肉とピーマンと人参たっぷりの醤油ラーメン
 
 
 
 
『トリュフォーの思春期』(フランソワ・トリュフォー監督、1976年、フランス)を鑑賞
 
 
 
 
映画のなかで登場人物たちのバゲットの扱いかたが
 
 
 
 
日本の今日的な衛生観念からすると驚愕もので
 
 
 
 
購入したバゲットをそのへんの椅子のうえに置いたり
 
 
 
 
はたまたバゲットのうえに鞄をのせたり
 
 
 
 
あげくには小さな子どもにもたせてずるずると地面を引きずっていたり
 
 
 
 
食べるのか、あれを。
 
 
 
 
アメーバブログみたいに書いてみようと改行をやたらと入れたら、実験的な散文みたいになってしまうのはどうしてだろう。

Tuesday, November 15

鈴木道彦『異郷の季節』(みすず書房)を読む。西川長夫『パリ五月革命私論 転換点としての68年』(平凡社新書)にモーリス・ブランショと五月革命のかかわりを書いたものとして『異郷の季節』が紹介されていたのに興味をもって。以下、「顔のない作家の無名の素顔」と題された追想より。

かつてブランショは、トロツキーの『わが生涯』を読んだ或る批評家が、恐るべき革命家と思ったトロツキーが立派な文章を書く本物の文学者であることを知ってほっとしたと語ったことにふれ、これほど文学を愚弄した話はないと書いたことがある。文学は批評家の場合、革命とちがって、この上もなく無邪気で安全なものと見なされるからである。それと同様に、ブランショが明らかに作り出しているこうした空想的な「革命闘士」の存在――すなわち絶対自由の実現のために生ま身を削る無名の人物の存在――と無縁のところに、ひたすら安全なブランショという作家像を結ぶのは、やはり彼の言う文学をいくぶん愚弄するものではないかと私は思う。要するに、自分は安泰な場所に身を置いて、悠々とブランショの作品のみをかつぐのは、甚だ無責任な行為のように私には思われる。ブランショの文学は、もう少し恐ろしいものに見えるからである。

夜ごはん、グリーンカレー、林檎。食後、『恋愛日記』(フランソワ・トリュフォー監督、1977年、フランス)を鑑賞。

Wednesday, November 16

きのう観た『恋愛日記』の内容の記憶がぼんやりしているのは寝ていたからかもしれない。しばらく買い逃していた『花椿』(資生堂)をまとめて読んでいたら、来年からリニューアルするとのこと。山下裕二の連載「其ノ、ココロハ」が終わってしまうのは寂しい。十二月号に現代詩花椿賞の発表。以下、平田俊子の選評より。

解釈の難しい作品も多いが、わかりやすく書くわけにはいかないこともこの世にはある。

夜ごはん、蛤と水菜のバター醤油パスタ。食後、横山美恵子『森のリース、森の恵み 植物の四季を暮らしに』(河出書房新社)を読む。

Thursday, November 17

シュトルム『聖ユルゲンにて・後見人カルステン』(岩波文庫)を読む。夜ごはん、白米、葱の味噌汁、秋刀魚、大根おろし、蒸し人参、南瓜煮。

Friday, November 18

有給休暇。夕方までぼんやりしていた。読書、高木陽子+成実弘至+西谷真理子+堀元彰・編『感じる服 考える服 東京ファッションの現在形』(以文社)。東京オペラシティアートギャラリーで開催中の展覧会を観るまえに文献のほうを読んでしまった。版元が以文社というのが意想外。夕刻、五反田駅で下車し、フランクリン・アベニューでハンバーガーを食する。夜、キリスト品川教会グローリア・チャペルで畠山美由紀のライブ。

Saturday, November 19

終日雨のため終日家から出ない引き篭もり生活。朝ごはん、辛子明太子のおにぎり、味噌汁。昼ごはん、茹でた鰆と小松菜をのせたあたたかい蕎麦。夜ごはん、白米、葱の味噌汁、秋刀魚、大根おろし、生姜豆腐。読書、みすず書房刊行の高橋悠治カフカ本を二冊。『カフカノート』と『カフカ 夜の時間 メモランダム』。

ことばをかきはじめた時、それによって世界がもっとよくみえるとおもったが、ことばはただ光であるだけではなかった。それは曇り空のように、ひとつひとつをあざやかにみせながら、その全体に影をなげかけるものでもあった。
自分のかいたことばにまようこともある。それが別な発見のはじまりとなることもある。ことばのとどかないあちら側に真実があるとはかぎらない。かかれてしまえば、ことばは真実ではつくせない意味をもつこともありうるだろう。(『カフカ 夜の時間 メモランダム』あとがき)

『クウネル』の最新号も読む。たとえば坂崎千春『クウネルがゆく』(マガジンハウス)を確認すれば書かれてあることかもしれず、あるいはこれまでも目にしていたけれど私の不甲斐ない記憶力によりあたまに残っていないだけかもしれないが、クウネルくんはグウタラ星から来たという設定をいままで知らなかった。

映画、『終電車』(フランソワ・トリュフォー監督、1980年、フランス)を鑑賞。DVDおまけ映像のセザール賞の模様がおもしろい。

Sunday, November 20

晴れ。洗濯物をどどっと干しまくる。午前中、紅葉黄葉の公園を散歩後、図書館と買いもの。買いものから家に戻った途端、沛然たる豪雨により洗濯物が悲劇的な事態に陥り、意気消沈する。もういちど洗濯のやり直しに、ふてくされて食べて飲んで。夜ごはん、白米、葱の味噌汁、冷奴、蛸の刺身、秋鮭のオリーブオイル焼き。