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Monday, October 24

ナボコフ『カメラ・オブスクーラ』(貝澤哉訳、光文社古典新訳文庫)のつづきを読む。夜ごはん、白米、葱の味噌汁、鯵の干物、蒸し南瓜、モルツビール。

Tuesday, October 25

暑い。ナボコフ『カメラ・オブスクーラ』(貝澤哉訳、光文社古典新訳文庫)を読了。夜ごはん、焼き鮭、大根おろし、万能葱、生卵をのせた温かい蕎麦。『突然炎のごとく』(フランソワ・トリュフォー監督、1962年、フランス)を鑑賞。風邪気味。

Wednesday, October 26

寒い。喉にくる風邪。ベンザブロックせき止め錠。西川長夫『パリ五月革命 私論 ― 転換点としての68年』(平凡社新書)を読む。68年を語るにあたって「私」論という特有の体験から紡がれた視点であることを著者は強調するのだけれど、描く対象との距離のとり方が巧みなのか、それとも外国での出来事という要素が大きいのか、たとえば四方田犬彦『ハイスクール1968』(新潮社)なんかとちがって「私語りが鼻につく」という読後感は生じなかった。夜ごはん、グリーンカレー。

Thursday, October 27

部屋の片付けというか模様替えというか、そのての話題が繰り広げられていたインターネット上のやりとりにおいて、所謂「おしゃれな部屋」なり「すてきな部屋」なりに変貌させるにはどうすればよいかのアドバイスとして、「物を減らせ」「壁にポスターを貼るな」「本を床に置くな」と書き込まれてあるのを目にしたのだが、この三つのテーゼをすべて真逆のかたちで満たしているのが私のいま住んでいる部屋であり、なにしろここは物が多く、壁にポスターが貼ってあり、本が床に置いてある。しかしながら、上記のテーゼを忠実に実践したところで出来上がるのはまるでカタログ雑誌に出てくるのような片付いているかもしれないけれど生活の臭いのしない殺風景な部屋かもしれなくて、物が多かろうが本が散乱していようが凡百の「おしゃれな部屋」や「すてきな部屋」に充分に対抗できるというか、「いい部屋」は立派に成立する。ここでよそ様の室内を事例として挙げさせてもらえば、IDEEのウェブサイトで紹介されている遠山由美の自宅 [1]がすばらしくて、この部屋、物が多くて本が床に置いてあるという片付けの定石からすればどうしようもないはずなのだが、先のテーゼを掲げた者に対してどうだこれはと自慢したくなる。私の部屋じゃないけど。

夜ごはん、白米、明太子、豆腐と万能葱の味噌汁、ひじきの煮物、焼き魚(鰯)、大根おろし、エビスビール。部屋の話を書いていたら模様替え欲が高まる。

Friday, October 28

朝晩寒くなり、真夏の暑い盛りに装着すると罰ゲームと化すBoseのヘッドホンを使える季節になってきた。朝の通勤電車でバッハのカンタータを聴きながら『神谷美恵子日記』(角川文庫)を読む。一九三九年四月二日、神谷美恵子もラジオでバッハのカンタータを聴いていた。本棚の整理。鴨長明の隣にリチャード・ブローティガンがあるという迷走的な書架が問題視されたため、ざっくりとジャンルごとにしまいなおしたはずが、鴨長明とブローティガンはいまだ傍にあるという事態。夜ごはんはピザーラお届け。

Saturday, October 29

ラジオを聴きながら『装苑』(文化出版局)。ポールスミスを着たモデルたちがいるのは青山のポールスミス。夕暮れ前の公園を散歩。夜ごはん、寿司、エビスビール。

Sunday, October 30

京浜東北線で北上。埼玉県立近代美術館およびうらわ美術館で瑛九展。本人はそういう方向に向かう興味はなかったかもしれなけれど、この人はグラフィックデザインの才覚があったように思う。京浜東北線で南下。銀座のBLD GALLERYで「柴田敏雄/concrete abstraction」。帰りに観葉植物を購入。部屋に物がふえた。夜ごはん、イエローカレー、エビスビール。

  1. 遠山 由美さん 『探求的暮らしの愉しみ』 / INTERVIEWS / LIFECYCLING -IDEE- []