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Monday, March 31

午前4時45分起床。白湯を一杯飲んでから、朝食の支度。半熟卵、ベビーリーフと紫玉葱とトマトとブロッコリーのサラダ、キャロットラペ、トーストとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

冬と春の気温がコインの表裏を返すように日々入れ替わる。極端。本日は肌寒い曇天模様で、冬物のコートを羽織って出勤。冷んやりとした風が吹く街並みに、見頃を迎えたソメイヨシノの花が咲き誇る。昼食、持参した弁当。会社帰りの夜空には、小雨がちらつく。夕食、白米、納豆、豚肉とキャベツの鮨酢炒め、「丸八製茶場」の加賀棒茶。村上春樹のラジオ番組「村上RADIO」(TOKYO FM)の昨晩放送分を聴く。

読書。谷中の「古書木菟」で購入した、中井亜佐子『エドワード・サイード ある批評家の残響』(書肆侃侃房)。蔵書から抜き出した、エドワード・サイード『パレスチナへ帰る』(四方田犬彦/訳、作品社)。就寝前、本日届いた岩波書店のPR誌『図書』4月号に目をとおす。

Tuesday, April 1

朝食、目玉焼き、ベビーリーフと紫玉葱とトマトとブロッコリーのサラダ、キャロットラペ、トーストとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

新年度のはじまりは、鬱屈とした雨模様で、冬の寒さが覆う。防寒のために、マフラーと手袋を持参。昼食、弁当。夕食、白米、納豆、豚肉とほうれん草とキャベツの塩胡椒炒め、「丸八製茶場」の加賀棒茶。

読書。書架より、エドワード・サイード『オリエンタリズム』(今沢紀子/訳、板垣雄三、杉田英明/監修、平凡社ライブラリー)を抜き出して再訪。上巻の途中まで。

Wednesday, April 2

本日も雨。朝食、目玉焼き、サニーレタスと紫玉葱とトマトとブロッコリーのサラダ、トーストとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、弁当。夕食、白米、納豆と生卵、鶏肉とキャベツの鮨酢炒め、大根の漬物、「丸八製茶場」の加賀棒茶。

残業で疲弊。読書。エドワード・サイード『オリエンタリズム』(今沢紀子/訳、板垣雄三、杉田英明/監修、平凡社ライブラリー)のつづき。上巻から下巻へ。

Thursday, April 3

冬の寒さが止まず、小雨が降る。朝食、半熟卵、サニーレタスと紫玉葱とトマトとブロッコリーのサラダ、キャロットラペ、トーストとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、弁当。夕食、海苔と白米の塩おにぎり、鶏肉とほうれん草とキャベツとトマトのコンソメ炒め、「丸八製茶場」の加賀棒茶。

読書。東京国立近代美術館ではじまった展覧会「ヒルマ・アフ・クリント展」の予習として、港千尋『ヒルマ・アフ・クリント 色彩のスピリチュアリティ』(インスクリプト)を読む。

従来からの発言どおりではあるが、ドナルド・トランプ大統領が全世界を対象とした相互関税の導入を発表。本当にやるらしい。経済学の通説に従えば、相互関税は相手国に多大な悪影響を及ぼしながら、アメリカ本国も壮大に自滅するはずである。株価は急落模様。

Friday, April 4

春らしい晴れ間がのぞく。朝食、目玉焼き、サニーレタスと紫玉葱とトマトとブロッコリーのサラダ、トーストとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、弁当。夕食、「sakana bacca」の手毬鮨、ほうれん草の味噌汁、ギリシャの白ワイン。韓国の憲法裁判所が尹錫悦大統領の罷免を決定。

『BRUTUS』(マガジンハウス)の最新号は「ブルータスの東京大全」と題された東京特集で、ページをめくると数多の店舗や施設がぎっしり紹介されているが、おそらくその大半は一生訪れることはないだろう。しかしそのような過剰な選択肢が用意されている東京という街のことを、けっして嫌いではない。いまに始まった話ではないが、東京を否定的に語る言説をしばしば見かける。先日読んだ、秩父に移住したフランス文学者によるエッセイ、笠間直穂子『山影の町から』(河出書房新社)にも、つぎのようなくだりが登場する。

秩父に越してからは、渋谷駅周辺の空気の淀みが、ますます体にこたえるようになってきた。排気ガスと埃のにおいに、下水や、料理油や、人工香料が混じり、吸いたくないので、息がしにくい。よほど急ぐ場合でなければ、少しだけ遠回りして、氷川神社を通るルートで職場へ行く癖がついた。境内には、明治通り側の鳥居から、石段をあがった先の社殿にかけて、幹が両腕に余るほど太いスダジイの大木が並ぶ。

ひどい言われようの渋谷駅周辺であるが、敵意を向けられている東京のことを可哀想だと思うかと問われれば、まったく思わない。おなじ温度感でべつの地方都市が揶揄されていれば、その言い草はないのでは、と思うかもしれないが、東京に対しては特段なんとも思わない。ここに東京という街の強靭さがある。どれほど東京を誹謗中傷しても、東京はびくともしない。逆に、東京に対して愛情をもったとしても、東京はどこまでもつれない。まるで相手にしない東京という街の冷徹な感じを、わたしはとても好ましく思っている。

Saturday, April 5

朝食、目玉焼き、ソーセージとマスタード、サニーレタスと紫玉葱のサラダ、キャロットラペ、トーストとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

東西線で竹橋駅下車。開館の時刻と合わせて「東京国立近代美術館」に向かう。「ヒルマ・アフ・クリント展」を鑑賞。高さ3mを超える10点組の絵画作品を並べた展示室の、会場構成に感心する。常設展示室内の小企画「美術館の春まつり 屏風いっぱい、咲いた、咲いた。」と「フェミニズムと映像表現」も併せて見学。

春の陽気。皇居の内部に向かっての人の流れが見えたので、するっと入場できるのかと思ったら長蛇の列ができていたので止める。「北の丸公園」を歩いて、千鳥ヶ淵の桜を見て廻る。「日本武道館」では専修大学の入学式。四半世紀前の大学生生活では、入学式にも卒業式にも出席しなかったことを思い出す。「北の丸公園」ではレジャーシートを敷いて飲食する花見客をたくさん見かけたが、たとえば「上野公園」のそれと較べて、宴会の様子が穏やかでおとなしい。皇居周辺を警備する警察権力が近くにいることが影響しているのか、それとも皇居周辺の磁場自体がそうさせるのか。

「新丸ビル」まで歩く。「一保堂茶舗」にて茶葉を買う。大手町駅から三田線と目黒線で田園調布駅まで。「ラ・メゾン白金グラン」で苺のショートケーキを買って、「Precce」で食料品を買う。

夕食、蛍烏賊とほうれん草とブロッコリーのパスタ、オランダのナチュラルチーズ、フランスの白ワイン。

Sunday, April 6

部屋の掃除と朝食の準備。目玉焼き、ソーセージとマスタード、サニーレタスと紫玉葱とブロッコリーとトマトのサラダ、紫キャベツのマリネ、キャロットラペ、トーストとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

明け方は青空も見えたが、昼前から天気は下り坂。読書。予習のあとは、復習。「ヒルマ・アフ・クリント展」を鑑賞後の翌日、もう一度、港千尋『ヒルマ・アフ・クリント 色彩のスピリチュアリティ』(インスクリプト)を読んでおさらいする。昨晩、山本貴光と吉川浩満のYouTube「哲学の劇場」を見たら、丁度「ヒルマ・アフ・クリント展」と絡めて、伊泉龍一『スピリチュアリズムの時代 1847-1903』(紀伊國屋書店)を紹介していた。興味をもって書誌情報を確認したら、800ページ超え、7千円超えの本だった。

昼食、小宮山雄飛監修の「究極 渋谷ブラックカレー」を食べる。午後も読書。断続的に読み返してきた、松浦寿輝『明治の表象空間』(新潮社)を最後まで。天気は下り坂から上り坂へ。雨雲が去り、晴れ間がのぞく。

夕食、牛豚挽肉と春菊と大蒜の蒸し餃子。「京都醸造」のクラフトビール「一期一会」を飲む。