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Monday, February 17

朝食、半熟卵、ベビーリーフと紫玉葱とブロッコリーとミニトマトのサラダ、キャロットラペ、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、蜂蜜入りホットミルク。出社時の駅までの道のりは、穏やかな冬晴れ。

昼食、持参した弁当。白米、梅干し、鶏肉の酒蒸し、卵焼き、人参の千切り煮、蕪の蒸籠蒸し、蓮根の煮物、人参しりしり、南瓜の煮物、ブロッコリーの煮浸し、胡瓜の漬物。一日の食事の中心は昼の弁当。

天気予報では東京地方は暖かくなると聞いていたが、予報に反して曇天模様で肌寒い。昼休みの散歩。三牧聖子と小川哲がアメリカ大統領選挙の結果について語る、NHKラジオの番組を聴く。帰宅時の自宅までの道のりは、冷たい風が吹き荒れる。夕食、海苔と白米の塩おにぎり、絹ごし豆腐と小松菜の味噌汁。

読書。三島由紀夫の『豊饒の海』を再読したのを契機に、日本の近代史を復習する気分が高まり、自宅の書架にある蔵書に加えて、あらたに「ブックオフオンライン」で文献を調達する。そのうちの一冊、西川誠『天皇の歴史 7 明治天皇の大日本帝国』(講談社学術文庫)を読む。

Tuesday, February 18

ふたたび冷え込む朝。朝食、半熟卵、ベビーリーフと紫玉葱とブロッコリーとミニトマトのサラダ、キャロットラペ、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、蜂蜜入りホットミルク。昼食、弁当。夕食、海苔と白米の塩おにぎり、白菜の味噌汁。

昨年の後半あたりから「日本経済新聞」を毎日熟読しているのだが、もはや新聞でしか見かけないと思う「秋波を送る」という表現が気になる。記事で使うのに便利な語彙なのだと想像するが、使いすぎではないかと揶揄したくなるほどに、よく登場する。

読書。西川誠『天皇の歴史 7 明治天皇の大日本帝国』(講談社学術文庫)を最後まで。

Wednesday, February 19

風が冷たい。朝食、半熟卵、ベビーリーフと紫玉葱とブロッコリーとミニトマトのサラダ、キャロットラペ、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、蜂蜜入りホットミルク。昼食、弁当。夕食、海苔と白米の塩おにぎり、南瓜と絹ごし豆腐と蕪の葉の味噌汁。

読書。安達宏昭『大東亜共栄圏 帝国日本のアジア支配構想』(中公新書)を再読する。

Thursday, February 20

逆流性食道炎の症状が緩和し、体調が回復してきたところで、きのうの夕方から空咳が何度もでて、咳をするたびに左胸が痛む。痛みに波はあるものの、体調不良には変わらないので、欠勤の連絡をして会社を休む。

午前中、肺に異常がないかを念のため確認してもらおうと、胸部レントゲンを撮ってくれそうな内科を選択し、病院に赴く。結果、咳止めくらいの処方で決着するだろうとの素人予測は甘く、「気胸」との診断。すぐに紹介状を書くので、総合病院で治療してもらうよう宣告される。気胸という病気のことをよく知らなかったのだが、肺から空気が漏れて、肺が潰れている状態を指すとのこと。重症化すると危険らしく、病院から帰宅する予定が、病院から病院へ向かうことになる。

総合病院の受付が結構な塩対応で意気阻喪させるものがあったが、以降は親切な医療従事者に対応してもらう。CT検査、血液検査をおこない、主治医となる医者からの説明に従って、すぐに治療を開始するため、即日入院となる。生まれて初めて入院、手術、車椅子を経験する。気胸の治療には、経過観察、胸腔ドレナージ、手術の3パターンが存在し、このたび選択されたのはまずは胸腔ドレナージなので、正確には「手術」ではなく「処置」のようだが、部分麻酔をして肺と胸壁の間にチューブを挿入するので、患者からすれば手術のようなものである。説明を受けて「痛そう」と思ったが、予想どおりかなり痛い。痛み止めを服用しても、痛い。痛いまま入院生活に突入する。

Friday, February 21

きのうの緊急入院時、4人床室が満床だったので、結構な差額費用を支払う覚悟で個室を選択する流れとなる。ベッドで横になっていると、大きな病院なので、さまざまな医療従事者が入れ代わり立ち代わり説明にやってくる。

午前中にレントゲンを撮る以外の時間はひたすらじっとするしかなく、テレビ視聴やラジオ聴取にも気が向かず、入院のための必要品と一緒に運んでもらった本を読む。京極夏彦『姑獲鳥の夏』(講談社文庫)。はじめての京極夏彦。痛みに耐える以外にやることがないので、600ページを超える小説を一気に読んでしまう。

気胸治療の経過は良好らしく、夜9時前に状態を見にきた主治医を含む医師3人から、問題がなければ明日の朝チューブを抜き、順調にいけば日曜日には退院とのスケジュールを告げられる。当初の退院予定は、早くとも来週火曜日以降だったので、比較的軽度だったのかもしれない。

Saturday, February 22

症状発生が突然で、外傷によるものではなく、喫煙習慣もないので、このたびの気胸は「自然気胸」との診断。自然気胸の原因ははっきりしないらしい。原因不明の病気は慣れたものなのだが、主に10代から30代の男性が罹患するという話が解せない。気胸自体は珍しい病気ではないようだが、発症年齢が珍しいと思われる。午前中に予定どおり、刺さったチューブを抜く処理がおこなわれる。チューブを抜いて以降、痛みが徐々に和らぐ。

読書。戸部良一、寺本義也、鎌田伸一、杉之尾孝生、村井友秀、野中郁次郎『失敗の本質 日本軍の組織論的研究』(中公文庫)と清沢洌『暗黒日記 1942-1945』(山本義彦/編、岩波文庫)を読む。

Sunday, February 23

昨晩微熱がでて少し心配になるものの、目が覚めたら体調に問題はなかった。

病院食が美味しくないというのは過去の話なのか、それともこのたび入院した病院が良好だっただけなのか、朝昼晩の病院食をそれなりに美味しく食べる。逆流性食道炎からの恢復のため、自宅での食事を簡素化したこともあり、夕食に関しては家での食事より栄養的にはちゃんとしたものを食べた。とはいえ、運用上やむを得ない話なのだろうが、病院の食事は、食欲減退を誘うかのような食器がよろしくないと思う。それにしても、気胸で入院して、食道炎はどこかに行ってしまった。控えていた珈琲を、病院で飲む。

レントゲン撮影の結果、左肺は問題なく膨らんでいるとのことで、退院の手続きに進む。本日は休日なので医療費の支払はできず、抜糸と経過観察のための次回の外来のときにまとめて実施してくださいと告げられる。結局、最後まで個室で過ごしたので、支払金額が恐ろしい。無事退院し、自宅に戻る。

夕食、鶏肉と長葱を添えた温かいうどん。