Monday, October 14
祝日。三連休の最終日。朝食、目玉焼き、ベビーリーフと紫玉葱と胡瓜のサラダ、キャロットラペ、バゲットとクリームチーズ、珈琲。洗濯と掃除。
「TOKYO TULIP ROSE」の洋菓子と「丸山珈琲」の豆で淹れた珈琲で休息。平日の夜もそれなりに料理をしたほうが生活が活性化するとの機運が高まり、参考文献として、坂田阿希子『ピラフとドリア』(エムディエヌコーポレーション)を繙く。
自転車に乗って近所の花屋に向かうも月曜日は定休日らしくシャッターが閉まっている。方向をスーパーマーケットに変えて、食料品の調達。昼食、白米、小松菜と茄子の味噌汁、秋刀魚の塩焼き、刻み海苔と生姜を添えた冷奴、蛍烏賊の沖漬け、白菜の漬物。「松山茗茶」の烏龍茶を飲む。
午後は読書。『中野本町の家』(後藤暢子、後藤幸子、後藤文子、伊東豊雄/著、平凡社)を読む。植田実が編集を担った「住まいの図書館出版局」から、「住まい学体系」シリーズの一冊として本書が刊行されたのは、前世紀末のこと。住居としての建築というものの意味をラディカルに照射するような記録。十年以上前、みすず書房のPR誌『みすず』における植田実の連載で本書の存在を知ったときにはもう絶版状態で、図書館の書庫から借り出して読んだ。感嘆しながら読んだ本が、このたび平凡社から再刊。名著復刻。今後、平凡社は「住まい学大系」の衣鉢を継いで、新たなシリーズとして「住まい学エッセンス」を開始するとのことで楽しみ。
『Hanako』11月号(マガジンハウス)の京都特集に掲載されていた、京都のレコードを置く店の店主が選曲した、Spotifyのプレイリストを部屋に流す。ルーマニアのオレンジワインを飲む。
夕食、帆立と蕪の柚子胡椒クリームソース、蕪の葉ライス、ベーコンとミニトマトと玉葱のコンソメスープ。「エチゴビール のんびりふんわり白ビール」を飲む。
Tuesday, October 15
朝食、目玉焼き、ベーコンとマスタード、サニーレタスと紫玉葱とミニトマトとパセリのサラダ、キャロットラペ、バゲットとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、弁当。夕食、蛸とクレソンのピラフ。ルーマニアのオレンジワインを飲む。
読書。松沢裕作『歴史学はこう考える』(ちくま新書)を読む。全方位的に周到な目配せをしながらの叙述に「今っぽさ」を感じる。
Wednesday, October 16
朝食、目玉焼き、鶏肉のコンソメ炒め、サニーレタスと紫玉葱とミニトマトのサラダ、キャロットラペ、バゲットとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、弁当。夕食、海老とベーコンとクレソンのピラフ、玉子と若布の鶏がらスープ。「エチゴビール のんびりふんわり白ビール」を飲む。
読書。橋川文三『三島由紀夫』(中公文庫)を読む。サイデンステッカーの論考を引きながら、三島由紀夫は書くべきものがないのに「小説」を書いていたのではとの指摘が印象に残る。
Thursday, October 17
朝食、目玉焼きとハム、サニーレタスと紫玉葱とミニトマトとパセリのサラダ、キャロットラペ、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、弁当。夕食、鶏肉とアボカドのガーリック炒め、紫玉葱のピクルス。「ヱビスビール」を飲む。
読書。松浦寿輝『黄昏の光 吉田健一論』(草思社)を読む。吉田健一に言及した過去の文章に加え、講演録や対談録などを併せて、一冊にしたもの。吉田健一と並べて論じるべき相手として、森有正や内田百閒の名前がでてくるが、読後の記憶に残るのは、松浦寿輝の意図に逆らって、否定的に言及される三島由紀夫という存在である。内輪での吉田健一の発言が気に障った三島由紀夫が、吉田に決別を宣言した事情の真相は、いまもって詳らかではないようなのだが、そのような人間関係をめぐる文壇ゴシップなどとはべつに、文筆家としての二人の比較には興味ぶかいものがあると思う。
松浦寿輝による吉田健一論は、「宰相の御曹司」「大酒飲み」「快楽主義者」という吉田健一をめぐる通俗的なレッテルを剥がしていこうする試みでもあるが、「大酒飲み」だけはややぶれがあり、吉田健一の娘の証言を引きながら毎晩大酒をあおるような人物ではなかったと論ずる一方で、60代半ばで体調を崩して他界してしまったのはやはり酒の飲みすぎだったのではとも述べており、「吉田健一と酒」の関係についてはなんとも微妙な語り口となっている。
「生誕110年 吉田健一展 文學の樂み」(神奈川近代文学館)で展示された、写真に添えられた以下の説明を前にして、「大酒飲み」のレッテルを剥がすのはなかなか難しいものがある。
ビールジョッキを前に 右から3人目、ジャケットに「76」をつけているのが吉田。ビールの酒量を競うコンテストに参加したときの写真と推定される。このあと吉田は口直しにウィスキー、ブランデーを大量に飲み、それまでの過労もたたって翌日に胃潰瘍で倒れたという。
Friday, October 18
朝食、目玉焼きとハム、サニーレタスと紫玉葱とミニトマトとパセリのサラダ、キャロットラペ、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、弁当。夕食、「sakana bacca」の握り鮨、長葱と若布のお吸い物。 純米吟醸「天吹 花笑 Hanae」を飲む。
吉田健一は若年の頃、短い期間であったが英国に留学している。松浦寿輝『黄昏の光 吉田健一論』(草思社)を読むと、冒頭に掲載されている講演録では留学の期間を「5ヶ月ほど」と述べているのだが、本書の後半に収録されている清水徹との対談では、清水徹がその期間は「9ヶ月くらい」と説明している。どちらが正しいのだろうと思って、「生誕110年 吉田健一展 文學の樂み」(神奈川近代文学館)の図録を引っぱりだして略年譜を確認してみたならば、1930年3月に暁星中学校を卒業して英国へ旅立ち、現地で受験勉強ののち、10月にケンブリッジ大学に入学、翌年の3月に中退している。受験勉強の月日を勘定するかのちがいなので、どちらも間違ってはいない。
Saturday, October 19
洗濯と掃除。朝食、目玉焼き、ハム、サニーレタスと紫玉葱とミニトマトのサラダ、キャロットラペ、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。
10月中旬を過ぎたのに、本日の最高気温は30度超えの予想。夏の装いで外出。昨年から夏の休日の服装は「いつも一緒」で定番化してしまって、「UNIQLO U」の白Tシャツ、「UNITED ARROWS」のスラックス、「靴下屋」のソックス、「adidas」のスタンスミス。
山手線に乗って新宿駅下車。「SOMPO美術館」を訪れて、「カナレットとヴェネツィアの輝き」展を見学する。18世紀のヴェネツィア共和国で活躍した都市景観画家、カナレットを中心に紹介する展覧会。所謂「グランドツアー」と呼ばれる、英国の裕福な貴族の子弟たちによる遊学時に、「お土産」として人気を博したのがカナレットの景観画だったことを教えてくれる。カナレットの作品は、周密ではあるもののヴェネツィアの当時の風景を忠実に再現したものではなく、よりよく見せるために謂わば「盛っている」風景画で、今風に喩えるなら「映え」を狙っている。現実の太陽光線では成立しない陰影をつけたりもしていて、Instagramで画像加工処理をする現代の感覚と似たようなものかもしれない。
丸の内線で新宿駅から四谷三丁目駅まで。「四谷 八竹」で茶巾ずしと大阪鮓の折り詰めを買って、「新宿御苑」に向かう。公園内のペンチで昼食。初秋のはずが気温は30度を超える夏の気候のなか、園内をぐるっと散歩してから、「紀伊國屋書店 新宿本店」に向かう。近藤絢子『就職氷河期世代 データで読み解く所得・家族形成・格差』(中公新書)、渡邉雅子『論理的思考とは何か』(岩波新書)、平芳裕子『東大ファッション論集中講義』(ちくまプリマー新書)、水村美苗『本格小説』(新潮文庫)の上下巻、川添愛・ふかわりょう『日本語界隈』(ポプラ社)を買う。
「伊勢丹 新宿店」の地下食料品売場に移動して、「MAISON KAYSER」にてバゲットを買う。新宿三丁目駅から副都心線と東急東横線で田園調布駅まで。改札口をでると丁度「田園調布フェア2024」が開催中で、東急線キャラクター「のるるん」の着ぐるみを久しぶりに見る。「SAVEUR」でケーキを買って、「Precce」で食料品を買ってから、帰途に就く。天気は下り坂で、小雨がぱらつく。
帰宅後、台所掃除と常備菜づくり。夕食、パセリとしらすを添えた舞茸と鶏ハムのパスタ。「ヱビスビール」を飲む。読書。吉田健一『ヨオロッパの世紀末』(岩波文庫)を再訪する。
Sunday, October 20
朝食、目玉焼き、鶏ハムとほうれん草のソテー、サニーレタスと紫玉ねぎとレモンのサラダ、キャロットラペ、バゲットとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。
自転車に乗って近所のドラッグストアと花屋とスーパーマーケットを巡る。気温は急降下し、肌寒いほどの風が吹く。帰宅後、花瓶を洗って買った花を活ける。ローズネオン、アストランティア、ヒペリカム、ユリ、アセビ。
昼食、白米、絹ごし豆腐と若布と長葱の味噌汁、秋刀魚の塩焼きと大根おろし、真鯵の刺身、「一保堂茶舗」の番茶。「SAVEUR」のケーキと「丸山珈琲」の豆で淹れた珈琲。
読書。川添愛・ふかわりょう『日本語界隈』(ポプラ社)を読む。手に取った瞬間の感想は、字が大きい。とはいえ浅薄な内容の本というわけではなく、言語をめぐる不可思議さや違和感についての結論のでない話が延々とつづくのを、愉しく読む。夕方、「銀河高原ビール」を飲む。
夕食、アッシェ・パルマンティエ、サニーレタスと茹で卵と胡瓜と紫玉葱のサラダ、フランスの赤ワイン。