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Monday, January 8

祝日。冬の冷え込み。洗濯と掃除。常備菜づくり。蓮根の煮物、小松菜の酒蒸し、しめじの柚子ぽん酢炒め、人参のマリネをつくる。朝食、半熟卵、ソーセージとマスタード、グリーンリーフとトマトのサラダ、人参のマリネ、農民パンとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。先週末の金土日に放送されたラジオの音楽番組を流しつつ「COFFEE HOUSE maki」の豆で淹れた珈琲をお供に読書。奥野武範『常設展へ行こう!』(左右社)を読む。美術館の収蔵品について学芸員が語るインタビュー集。

昼食、焼豚と小葱と生卵を添えた醤油ラーメン。「新春ジャズ放談」と題してゲストに菊地成孔を迎えた大友良英「ジャズ・トゥナイト」(NHKFM)を聴く。菊地成孔のジャズ遍歴を辿りながらとても愉しそうに喋る二人。2時間番組だが話が終わらないので来週につづくとのこと。

おやつに「ANTENOR」の洋菓子。きのう不動前駅近くの「フラヌール書店」で購入した『クワイエット・コーナー 心を静める音楽集』(山本勇樹/監修、シンコーミュージック・エンタテイメント)に目をとおす。初版は10年前の2014年。四半世紀前に本書のようなディスクガイドを手に取ったならば、紹介されているアルバムからどれを選ぶか(=買うか)という取捨選択的な読み方をしたであろうが、定額制音楽ストリーミングサービスが浸透した現況においては、すべての楽曲を順繰りに聴いてみようとの欲張りな意志が生まれ、ディスクガイドなるものの取り扱い方が根本的に変わってしまった。そのことはまた、紹介されている音楽がSpotifyなどで見つからない場合、わざわざ物理的なCDなりレコードなりを取り寄せるほどの好事家ではないものだから、もはやこの世に存在しないものとして扱ってしまう悲劇を生む可能性もあり。

夕方、「オープンエア湊山醸造所」の麦酒「gondola」を飲む。読書。江國香織『シェニール織とか黄肉のメロンとか』(角川春樹事務所)を読む。夕食、肉じゃが(豚しゃぶしゃぶ肉、玉葱、白滝、人参、馬鈴薯)、絹ごし豆腐と油揚げの味噌汁、塩揉み胡瓜としらす。「黒松剣菱」の熱燗を飲む。

Tuesday, January 9

朝食、半熟卵、グリーンリーフと紫玉葱とトマトのサラダ、人参のマリネ、ベーコン、バゲットとクリームチーズとマルメロのジュレ、ヨーグルト、珈琲。狂った暖冬は鳴りを潜めて冬らしい寒さがつづく。イーヴォ・ポゴレリチのピアノ演奏を聴きながら通勤。昼食、お弁当。夕食、鶏の唐揚げ、肉じゃがの残り、小松菜の味噌汁。「黒松剣菱」の熱燗を飲む。

去年のジャニーズ問題をめぐる「がっかりスピーチ」で一定数の人びとを失望させつつも、以後該当の問題については黙殺することで逃げ切ったかのように振る舞う山下達郎の「サンデーソングブック」(TOKYO FM)を聴く。完全に裏目に出てしまった山下達郎のオタク気質を生暖かい目で見守りながら、宮治淳一をゲストに迎えた新春最初の放送をradikoで聴く。選曲は素晴らしい。

読書。江國香織『シェニール織とか黄肉のメロンとか』(角川春樹事務所)を最後まで。ワインを飲みたくなる小説。つづけて小沼丹『小さな手袋』(講談社文芸文庫)を再訪。こちらは麦酒か日本酒が似合う。夜、八代亜紀の訃報を知る。

Wednesday, January 10

朝食、半熟卵、グリーンリーフと紫玉葱とトマトのサラダ、人参のマリネ、ベーコン、バゲットとクリームチーズとマルメロのジュレ、ヨーグルト、珈琲。昼食、お弁当。夕食、ハムとパイナップルのステーキ、グラタン、玉子とハムのサンドウィッチ。「ヱビスプレミアムエール」を飲む。

読書。瀬川昌久『ジャズで踊って 舶来音楽芸能史』(草思社文庫)を途中まで。夜、小西康陽がプロデュースした八代亜紀のアルバム「夜のアルバム」と「夜のつづき」を聴く。

Thursday, January 11

朝食、半熟卵、グリーンリーフと紫玉葱とトマトのサラダ、人参のマリネ、ハムのグリルとマスタード、バゲットとクリームチーズとマルメロのジュレ、ヨーグルト、珈琲。昼食、お弁当。夕食、焼売、小松菜の蒸籠蒸し。「キリンクラシックラガー」を飲む。

朝晩冬らしい寒さ。読書。瀬川昌久『ジャズで踊って 舶来音楽芸能史』(草思社文庫)を最後まで。

元日に能登半島で巨大地震が発生したものの、金沢市内の観光地では大きな被害は生じていないらしい。しかしながら旅行客のキャンセルが相次いで街は閑古鳥が鳴いているとの記事が「Yahoo!ニュース」に掲載されていたのを読む。記事の文中に「金沢に注目が集まったのは、東京在住のライター・田幸和歌子さんが1月5~7日、家族で金沢旅行に訪れたことをSNSに投稿したのがきっかけ」とあって、田幸和歌子って「Excite Bit」でコネタ記事を量産していたあの田幸和歌子か。

Friday, January 12

朝食、半熟卵、サニーレタスとトマトのサラダ、人参のマリネ、ハムのグリルとマスタード、バゲットとクリームチーズとマルメロのジュレ、ヨーグルト、珈琲。昼食、お弁当。夕食、蛸焼き、蛸と若布の酢の物。「琥珀ヱビス」を飲む。

読書。くぼたのぞみと斎藤真理子の往復書簡集『曇る眼鏡を拭きながら』(集英社)を読む。

Saturday, January 13

部屋の掃除と朝食の準備。目玉焼き、サニーレタスとトマトのサラダ、ハムのグリルとマスタード、バゲットとクリームチーズとマルメロのジュレ、ヨーグルト、珈琲。

日々複数の天気予報を比較しつつ確認しているのだが、日本気象協会による天気予報ウェブサイト「tenki.jp」が早い段階で本日の雪の舞う可能性を示していて、本家本元の気象庁の天気予報や「Yahoo!天気」を見ても少し前まで雪はおろか雨のマークすらなかったので、「tenki.jp」の攻めた予報に他が追随する結果となっている。

近所のスーパーマーケットで買い物。昼食、茹で卵と貝割れ菜と人参のマリネを添えた、小宮山雄飛監修の「渋谷ブラックカレー」を食べる。パッケージには監修者に対して「音楽界のグルメ番長」との形容が付されているが、最近の小宮山雄飛の活動で目を引くのは、音楽よりも専ら食の話題。

日暮れ前、時折雷鳴が轟く暗雲立ち込める空模様のなか、外出。日比谷線で六本木駅下車。今年初のギャラリー巡り。ホンマタカシ「東京郊外→オリンピア」(TARO NASU)、米田知子「氷晶」(シュウゴアーツ)、蜷川実花「Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」(小山登美夫ギャラリー六本木)。風が強いので地下通路を通って「東京ミッドタウン」に向かい、本日の晩餐の目的地である「Napule」へ。メカジキのカルパッチョ、水牛モッツァレラチーズのマルゲリータ、レモンを使ったクリームソースタリアテッレ、サルシッチャのピザ、イタリアの麦酒、赤ワイン、スパークリングワイン。店内から窓の外を眺めると雨が雪に変わっている。東京で初雪を観測。暖冬でも雪は降る。

Sunday, January 14

早朝、常備菜づくり。茄子とピーマンの醤油炒め、かぶの白出汁煮、小松菜とかぶの葉の蒸籠蒸し、人参のマリネ。洗濯と掃除と植物の水やり。朝食、生卵としらすとすぐき漬と貝割れ菜を添えた白粥、蓮根と若布の味噌汁、「丸八製茶場」の加賀棒茶。

奈良の「くるみの木」で買った豆で淹れた珈琲を飲みながら読書。「コーカサスが呼んでいる!」と題してジョージア、アルメニア、アゼルバイジャンを特集した『TRANSIT』62号(講談社)に目をとおす。ゴンチチ「世界の快適音楽セレクション」(NHKFM)で渡辺亨が写真家のウィリアム・エグルストンのアルバムを紹介しているのを聴いて、エグルストンが本格的に音楽活動をしていることを知る。つづけて大友良英「ジャズ・トゥナイト」(NHKFM)。菊地成孔との対談のつづき。

昼食、貝割れ菜を添えた豚肉とキムチの炒め物、絹ごし豆腐と小松菜の味噌汁、貝の磯和え、「丸八製茶場」の加賀棒茶。YouTubeの「山田五郎オトナの教養講座」を視聴。山田五郎とみうらじゅんの対談のつづき。お汁粉を食べながら映画鑑賞。『ニックス・ムービー/水上の稲妻』(ヴィム・ヴェンダース/監督、1980年、西ドイツ)を見る。

夕方、アイロンがけと部屋の掃除。「ギネス」を飲みがら畠山直哉の写真集をひらく。『LIME WORKS』(青幻舎)と『TERRILS』(Light Motiv/Taka Ishii Gallery)。夕食、スモークサーモンと蓮根と舞茸のグラタン、グリーンサラダ(グリーンリーフ、トマト、胡瓜、茹で卵、ツナ、ブロッコリー)。「オープンエア湊山醸造所」の麦酒「modern ipa」を飲む。