676

Monday, October 9

祝日。冷たい雨が降る。肌寒い。今夏の狂った酷暑を思うと暦どおりに秋が訪れるというあたりまえの事態に感心してしまう。異常気象にも一応の節度はある。朝食、目玉焼きとベーコン、サニーレタスと紫玉葱とトマトのサラダ、フォンデュラク・レザン、ヨーグルト、珈琲。『UP』9月号(東京大学出版会)を読む。長傘を携えて外出。目黒線に乗って武蔵小杉駅で下車。駅近くの「FRO CAFE」に登場した東急線キャラクターのるるん(着ぐるみ)の様子を見学してから、複合商業施設「グランツリー武蔵小杉」に移動して「Loft」にて文房具を買う。「Loft」の隣に「紀伊國屋書店」があるので少し覗いてみるも、店舗面積はそれなりに有するとはいえ新宿本店並みの品揃えを望むのは過剰な期待であることがすぐに判明したので、長居はせずに店を後にする。書物に対する関心の領域がひどく偏っていることもあり、じっくり見てまわる書店であるかの価値判断を瞬時にしてしまうきらいがある。自宅に戻って珈琲を飲みながら読書。先日「東京堂書店」でまとめて購入した本がブックカバーに包まれたまま部屋の一角に積まれてあるが、それより先に「青山ブックセンター」でまとめて購入した本を消化するのが先だろうと思って阿久津隆『読書の日記 本を出す / 指を切る / お葬式』(NUMABOOKS)を読む。ぶ厚い本なので途中まで。日暮れどき「黒ラベル」を飲む。夕食、白米、絹ごし豆腐と若布と小葱の味噌汁、鶏の唐揚げ、卵焼き、トマト、ほうれん草のおひたし、レモン、シャインマスカット。「黒松剣菱」の熱燗を飲む。

Tuesday, October 10

iPhoneに設定した目覚まし時計が鳴り響くより前に、雷鳴の音で目が醒める。夕方、東京地方に豪雨が襲来して洗濯物が悲惨な目に遭う。秋の雨とは思えないゲリラ豪雨の様子を見ると、異常気象に節度はないのかもしれない。夕食、焼き餃子、野沢菜、蓮根と南瓜の煮物。「プレミアムモルツ」を飲む。ヴィキングル・オラフソンの弾くバッハの「ゴルトベルク変奏曲」を朝の出勤時刻までに部屋のスピーカーで聴いて、通勤中にイヤホンで聴いて、退勤後自宅に戻って再度部屋のスピーカーで聴く。ただ今後もずっと聴きつづける盤かといえばそれは微妙。読書。虫明亜呂無『女の足指と電話機』(高崎俊夫/編、中公文庫)を読む。

Wednesday, October 11

読書。阿久津隆『読書の日記 本を出す / 指を切る / お葬式』(NUMABOOKS)を最後まで。Web媒体を中心に著者がこれまで綴ってきた文章はそれなりの長期間にわたり断続的に目をとおしていると思うが、感傷的な局面でやたらに泣きすぎではないかと毎度訝しく思う。夕食、小葱と生卵とメンマを添えた醤油ラーメン。「ヱビスビール」を飲む。将棋の王座戦をABEMAの生中継で視聴する。唖然とする逆転劇で、結果は藤井聡太の勝利により八大タイトル独占を達成。敗け将棋を大逆転でひっくり返してしまう勝負師としての豪腕に、神懸かったものを感じる。

Thursday, October 12

文責はあるものの過去書いた文章はほとんど他人事なので読み返すことは稀なのだが、「コロナ禍」と呼称される期間の記憶がどうにも茫漠としているので、一体なにをやっていたのかを振り返るために2020年からの日誌をざっくり読み返す。夕食は会社帰りに「ちよだ鮨」で購入した持ち帰り寿司。明日の人間ドックに備えてアルコールの摂取は控える夜。

Friday, October 13

午前中は在宅勤務で労働。午後は人間ドックのために病院へ。胃の検査は別でやっているのでパスして、一通りの検査を終えたのが午後3時。病院近くの「新宿高島屋」に赴いて「総本家 小松庵」にて鴨南蛮蕎麦を遅めの昼食として食べる。帰りがけにスーパーマーケットで食材を調達してから自宅に戻る。夜、映画鑑賞。『カルメンという名の女』(ジャン=リュック・ゴダール/監督、1983年)を見る。

Saturday, October 14

午前4時15分起床。常備菜づくり。南瓜とピーマンを蒸籠で蒸し、茄子としめじを日本酒といしるで煮込み、小松菜をターメリックとハーブソルトで炒め、人参と白ワインビネガーとセロリソルトとガーリックとオリーブオイルでキャロットラペをつくる。朝食、半熟卵、ソーセージと種入りマスタード、サニーレタスと紫玉葱とトマトのサラダ、フォンデュラク・レザン、ヨーグルト、珈琲。珈琲豆は「Jubilee Coffee and Roaster」のものを挽く。洗濯と掃除と植物への水やり。近所のスーパーマーケットで買いもの。白水社のPR誌『白水社の本棚』秋号を読む。昼食、白米、蛤のお吸い物、鰹の刺身、大根のつま、番茶。かつての盛り上がりはすっかり沈静化している模様の新型コロナワクチン接種だが、このたび5回目の接種をやる気になったのは、いまだ執拗に鼻炎がつづくCOVID-19の「後遺症」に対してワクチン接種が有効である可能性があるとの記事 ((新型コロナワクチン接種で後遺症が4割減少 国内外の研究結果が出そろう))を読んだからで、後遺症治療としてのワクチン接種の研究は被験者数が少ないのでエビデンスとしては弱いとのことだが、であればみずから人体実験として被験者のひとりになろうと思いつき、自転車に乗って予約した病院に向かった。道中の駅前で「参政党」によるワクチンに関する演説が耳に入る。病院にてワクチン接種。インフルエンザワクチン、人間ドックの血液検査、新型コロナワクチンとここ最近左腕に注射針を刺されまくりである。自宅に戻る途中で図書館に寄り、水島治郎『隠れ家と広場 移民都市アムステルダムのユダヤ人』(みすず書房)、伊藤憲二『励起 仁科芳雄と日本の現代物理学』(みすず書房)、北岡伸一『日本陸軍と大陸政策 1906-1918年』(東京大学出版会)を借りる。夜は最寄りの「ピザーラ」で買ったピザを夕食として摂り、花火をやる。手持ち花火をやるのは何年振りとなるのか記憶を辿れないほど久方ぶりの手持ち花火。花火をやる場所に向かうと早速虫に刺されたので近所のドラッグストアにて「ムヒ」を買って患部に塗る。早期発見早期治療。

Sunday, October 15

午前4時15分に起床するもワクチンの副反応で身体がやや怠いので「ロキソニン」を服用して二度寝する。午前6時起床。悪天候で雨が降っている。朝食、目玉焼き、ソーセージと種入りマスタード、サニーレタスと紫玉葱とトマトのサラダ、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。アイロンがけを済ませてから映画鑑賞。『ジャンヌ・ディエルマン、ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』(シャンタル・アケルマン/監督、1975年)を見る。202分。昼食、白米、小松菜と絹ごし豆腐の味噌汁、小葱を添えた豚肉ときくらげと卵の炒め物、番茶。酷かった前回並みのワクチンの副反応を恐れていたが、「ロキソニン」服用が功を奏したのか今回接種したワクチンの性質なのか、腕も腫れずに副反応もそれほどではなくやや拍子抜け。雨があがって晴れ間が見えたので近所のクリーニング店にワイシャツを取りにいく。日暮れまで珈琲と読書。岡本仁『ぼくのコーヒー地図』(平凡社)を読む。夕食、鶏肉のトマトソース煮、蛸としらすとホワイトセロリとベビーリーフのサラダ、キャロットラペ、シャインマスカット。「サドヤ」の白ワインを飲む。