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Monday, July 10

東京地方は今年一番の暑い日になると天気予報が脅していたので、朝の通勤は定期券から外れたルートでバスと電車を駆使して会社まで向かう。定期券外なのでバスの運賃は自費だが、金を払って賃労働の場に移動するとはどういうことなのか。猛暑到来。読書。逗子の古書店「古本イサドととら堂」で見つけた阿部良雄『群衆の中の芸術家 ボードレールと十九世紀フランス絵画』(中公文庫)を読む。夕食は週末につくり置きしておいたものをストウブで温める。鶏肉と大根とキャベツとしめじと玉葱のスープ、キャロットラペ、バゲット。「アサヒ生ビール黒生」を飲む。山下達郎のがっかりスピーチから一夜明けて、邪悪な傍観者としては今後の動向が俄然気になってくる。なにより「サンデーソングブック」のスポンサーを楽天カードは継続するのだろうか。山下達郎は正直に思うところを述べただけかもしれないが、性加害者として疑いのある人物を無批判的に全力で礼賛する人物がパーソナリティをつとめている番組に広告を出しているというのは、企業にとっては結構リスキーな話である。このたびの山下達郎のコメントは、この番組に限らず諸々の契約を再考するに値する内容で、心酔する熱心なファンは離れないかもしれないが、企業体からすれば神経質にならざるを得ない展開になっているので、どのように決着するのか観察しておきたい。何事もなく有耶無耶なかたちで終結してしまう可能性も大きいが。

Tuesday, July 11

暑すぎる。読書。米原万里『旅行者の朝食』(文春文庫)を再訪。帰宅時に郵便受けを覗くと『白水社の本棚』(白水社)が届いている。夕食、鶏肉と大根とキャベツとしめじと玉葱のスープ。「作者」と「作品」を厳格に区分して享受できるかという古典的な問いに対しては、哲学や文学の界隈では「作者」は碌でもないことが少なくないので、独立して「作品」に親しむことはなんの違和感もなく可能との回答になるのだが、しかし本と音楽では感覚が少し違うかもしれない。

Wednesday, July 12

ここ数年の夏の初めは、急激に牙を剝く太陽光で体調を崩しがち。夕食、白米、蕪と若布の味噌汁、鶏肉とピーマンと新玉葱の黒酢炒め。

Thursday, July 13

暑さが多少和らぐ朝晩の出勤。読書。『林芙美子紀行集 下駄で歩いた巴里』(立松和平/編、岩波文庫)を読む。翌日の胃と大腸の内視鏡検査に備えて食事制限の一日。

Friday, July 14

胃と大腸の内視鏡検査の当日。大腸検査のため朝から「モビプレップ」を飲む。内視鏡検査自体は鎮静剤を投与されて意識を失った状態でおこなわれるので苦痛はないが、「モビプレップ」を飲むという事前の作業が大変すぎる。服用にあたっての説明書きには「モビプレップの服用前後または服用中にも、のどが渇いた場合にはがまんせずに「水またはお茶」を飲んでください」とあるのだが、喉が渇くのではなく味が不味すぎて気分が悪くなるのでお茶を大量に飲む羽目になる。ほぼ一日仕事の検査を終える。検査結果はびらん性胃炎が見られるものの特段の異常はなし。夕食、白米、納豆、ほうれん草と茗荷の味噌汁、焼き紅鮭、大根おろし、冷奴と貝割菜、水茄子の浅漬け、焙じ茶。

Saturday, July 15

朝食、目玉焼きとベーコン、グリーンリーフとトマトと紫玉葱のサラダ、ミルクブレッドとクリームチーズとオレンジジャム、ヨーグルト、珈琲。洗濯、掃除、近所のスーパーマーケットで買いもの。常備菜づくりと昼食の準備。豚の薄切り肉と九条葱と茗荷と生姜と胡瓜と水茄子とトウモロコシを添えた素麺。ラジオを聴きながら本棚の図録を棚卸し。おやつに「たねや」の最中と「札幌農学校」のミルククッキーと珈琲。夕食、牛豚合挽肉とほうれん草の蒸し餃子、九条葱と若布と卵の中華風スープ。「キリンラガービール」を飲む。

Sunday, July 16

早朝に東京駅から北陸新幹線に乗って軽井沢駅まで。東京は朝から酷く蒸し暑かったが、避暑地だけあって軽井沢の暑さは穏当。軽井沢駅からしなの鉄道に乗って御代田駅まで。「浅間国際フォトフェスティバル2023 PHOTO MIYOTA」に向かう。毎回訪れているイベント。展示を一通り見学してから会場の敷地内にある「STEAK HOUSE feu」で昼食を摂って「CERCLE Plus wine&deli」でワインを買うのもまた、去年とおなじ振る舞いとなる。インテリアショップの「lagom」でカップ&ソーサーを買って軽井沢に戻る。多くの人で賑わう「軽井沢・プリンスショッピングプラザ」に少し立ち寄ってから東京に帰る。夕食は自宅にて。胡瓜と水茄子とトマトと九条葱としらすと茗荷と生姜とトウモロコシを添えた素麺。「ヱビス プレミアムエール」を飲む。