660

Monday, June 19

先週末の梅雨の晴れ間を有意義に使おうと土日とも遠出したので、疲労の残滓が身体にまとわりつく月曜日。クラシック音楽を室内に流しながらの朝の読書は、読みさしとなっていた松浦寿夫+岡崎乾二郎『絵画の準備を!』(朝日出版社)のつづき。夕食、台湾風小籠包、若鶏もも唐揚げ、蛸とわかめの酢の物。「サッポロラガービール」を飲む。

Tuesday, June 20

東急線沿線で配布されているフリーマガジン『SALUS』の今月号にキャンドルを紹介する記事が載っていて、記事の監修は「一般社団法人 日本キャンドル協会」とある。そんな社団法人があるのかと思って、いま話題のキャンドル・ジュンがこの団体の専務理事を務めていることに意外性はないが、クリス智子も理事として名を連ねている事実を教えてもらう。夕食、茹で卵と紫玉葱を添えた「無印良品」のグリーンカレー、柿の種とピーナッツ。「キリンラガービール」を飲む。

Wednesday, June 21

夏至。読書。大江健三郎『水死』(講談社文庫)を読む。最近書店で購入したこの文庫本の奥付を確認すると、大江健三郎の死去の翌月に第2刷発行とあって、文庫化当時はさして売れなかったのだろうか。売れなそうな小説ではある。夕食、白米、新玉葱とわかめのかき玉汁、鶏肉と茄子とピーマンの味噌炒め、胡瓜とキムチの和え物。「キリンラガービール」を飲む。

Thursday, June 22

仕事で目黒に立ち寄る用事があったので帰りがけに「とんき」でヒレかつ定食と麦酒の夕餉。暖簾をくぐると一階のカウンター席は満席だったので空いている二階を勧められる。「とんき」の二階がどうなっているのか前から気になっていたので興味本位で階段を昇ってみたところ、テーブル席と座敷の空間が広がっていた。二階の事情を知れた収穫はあったものの、なんとなく味気ないのは、とんかつを食べること自体が主眼であれば他の美味しい店はいくらでも存在すると思うが、「とんき」に足を運ぶのはとんかつを食べることは目的の半分であって、一階のカウンター席における従業員のオペレーションの様式美を堪能することが目的のもう半分だからである。ちょうど再読していた池波正太郎の『散歩のときに何か食べたくなって』(新潮文庫)にも、「とんき」についてつぎのようなくだりがある。

「ああ、もう、ここへ来ると、キャバレーやバアへ行く気がしなくなります」
といった中年の客もいる。

今日的な感性からすれば些か品のない比喩表現ではあるが、云わんとしていることはよくわかる。帰宅後、筑摩書房のPR誌『ちくま』の7月号を読む。

Friday, June 23

本日は弁当を持参せず、昼食は会社近くの鮨屋にて。定時すぎに帰途に就き、途中本屋に立ち寄って文庫本と雑誌を買う。夕食、茹で卵とハムとトマトと胡瓜とキムチを添えた冷やし中華、アボカドの醤油和え。「キリンラガービール」を飲む。

Saturday, June 24

朝食後、アイロンがけをしながら澤部渡のラジオ番組「NICE POP RADIO」(α-STATION FM KYOTO)を聴く。澤部渡の選曲は素晴らしいのだが、どの楽曲に対しても絶賛しすぎのきらいがあり、福永法源のことを思い出してしまう程に「最高」発言を繰り返すのがいつも気になる。午前中は病院二件。来月胃と大腸の内視鏡検査を受けるので、事前の診察と説明のため消化器内科に向かう。つづけて歯医者にて定期検診。虫歯はないが例によって磨き方のダメ出しを受ける。いったん自宅に戻り、自由が丘駅前の「Bütz SANDWICH」で購入したカツサンド、海老サンド、フルーツサンドを昼食として食べてから、ふたたび外出。山手線に乗って目黒駅下車。東京都庭園美術館で「フィンランド・グラスアート 輝きと彩りのモダンデザイン」展を見学する。鑑賞後、美術館併設の「Café TEIEN」にてケーキとアイスコーヒーを注文して休息。目黒駅から渋谷駅経由で表参道駅で下車。Gallery Targetで花井祐介の個展「PebbLes AND RiPPLes」を見る。表参道の交差点から国道246号沿いを歩き、「山陽堂書店」を覗いて、「スターバックス アクセス表参道店」で瀬戸内レモンケーキフラペチーノを飲んで、開店したばかりの「RURU MARY’S 青山通り」で洋菓子を買う。渋谷ヒカリエの「明治屋」、渋谷スクランブルスクエアの「THE SHOP」「Atelier Anniversary」「メゾン・イチ」で買いものをしてから帰宅する。夕食、ローストチキン、ホワイトセロリとグリーンリーフとミニトマトと紫玉葱のサラダ、苺のショートケーキ。フランスの白ワイン「Domaine Bassac Tranquille Blanc」を飲む。

Sunday, June 25

掃除と洗濯。朝食後、洋菓子と珈琲と読書。『メトロミニッツ』7月号(特集/こんな町に住んでみたい、スターツ出版)、『& Premium』8月号(特集/旅をしたくなる、美しい暮らしのある町、マガジンハウス)、松浦寿夫+岡崎乾二郎『絵画の準備を!』(朝日出版社)。昼食は、焼豚と小葱を添えた塩ラーメン。夕食は、白米、しらす、絹ごし豆腐と油揚げと白胡麻の味噌汁、水茄子の浅漬け、鶏肉と塩麹と鰹節の酒蒸し、小葱と大根おろし。「サッポロラガービール」を飲む。かつて数回面識のあった人物が働き方やらリスキリングやらの専門筋としてメディアで「活躍」しているらしいのだが、かの人物のキャラクターに触れた身からすると「あなたが云ってもなんの説得力もない」以上の感想はない。とはいえ、机上の空論を飽きもせずに繰り返すその態度には強靭なプロフェッショナリズムを感じなくもない。