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Monday, June 12

夏に向けてiPhoneに設定している目覚まし時計の針を少し早める。午前4時20分起床。朝の読書。アーティゾン美術館で見た「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ」展の余波で、本棚からクレメント・グリーンバーグ『グリーンバーグ批評選集』(藤枝晃雄/編訳、勁草書房)を抜き取る。梅雨空で通勤の行きも帰りも雨模様。夕食、海鮮丼(鮪のたたき、しめ鯖、生卵)、油揚げと長葱の味噌汁。「キリンラガービール」を飲む。

Tuesday, June 13

朝の読書。『グリーンバーグ批評選集』を最後まで。晴れ。夕食、白米、油揚げとほうれん草の味噌汁、豚肉と野菜炒め(玉葱、人参、キャベツ、ピーマン、レモン)。「ヱビス プレミアムエール」を飲む。読書。大岡昇平『成城だより』(講談社文芸文庫)の下巻を読み進める。大江健三郎がホスト役を務めて、井上ひさし、坂本義和、山崎正和、中沢新一それぞれを相手に、対談形式で戦後を振り返るNHK教育の番組がかつて存在したことを知る。いまNHKが制作するテレビ番組には何の興味もないが、むかしの番組のアーカイブであればちょっと視聴してみたい気もする。NHKの過去の遺産を無制限に提供するチャンネルがあったら課金してもよいかなと一瞬考えてしまうが、しかし興味をそそる番組を逐一見ていたら時間がまったくなくなるので存在しないほうが正解かもしれない。

Wednesday, June 14

ザ・湿度。読書。高階秀爾『20世紀美術』(ちくま学芸文庫)を再訪。序章の「現代美術の課題」における明晰な論旨と筆致には何度読んでも感銘を受ける。夕食は「sakana bacca」のばらちらし、キャベツと長葱の味噌汁。「キリンラガービール」を飲む。広末涼子が不倫相手の料理人との情事がもつれて夫のキャンドル・ジュンを拳銃で射殺したのであれば「報道」として取り上げてしかるべきだと思うが、「拳銃で射殺した」はおなじ日に岐阜の陸上自衛隊で起きた別の事件なので、特段騒ぎ立てる話ではないと思われる。

Thursday, June 15

会社からの帰り道で雨に降られる。「QBハウス」で髪を切る。夕食、トマトとモッツァレラチーズとベビーリーフのパスタ。「キリンラガービール」を飲む。高階秀爾『20世紀美術』(ちくま学芸文庫)を読み終えたあとは、松浦寿夫+岡崎乾二郎『絵画の準備を!』(朝日出版社)を本棚から抜き取る。明晰な美術評論のあとは、一筋縄ではいかない美術対談。

Friday, June 16

読書。田中純『「かげ」の芸術家 ゲルハルト・リヒターの生政治的アート』(WAKO WORKS OF ART)を読み返す。夕食、ビーフストロガノフ。「ヱビス サマーエール」を飲む。

Saturday, June 17

千葉県へ。京成本線に乗って京成佐倉駅まで。駅前から送迎バスでDIC川村記念美術館に向かう。よい美術館だと思うがコロナ禍以前より外国人観光客の姿を見かけることが稀なのは、立地が都心から遠すぎるからか。もう少し交通の便がよい場所でもよかったのではと佐倉を訪れるたびに思う。常設展と企画展「芸術家たちの南仏」を鑑賞してから、「レストラン ベルヴェデーレ」でコースメニューの午餐。白ワインを飲む。帰りはJRの佐倉駅から都内に向かう。一時間程かけて飯田橋駅まで。2020年に改装された駅舎をはじめて見る。初夏のような陽気のなか「CANAL CAFE」のデッキにてヒューガルデンを飲む。「東京日仏学院」でサンドリーヌ・エルベルグ「Les mondes cosmiques 宇宙の世界」を見て、「ミヅマアートギャラリー」で荻野夕奈「Silent Tales」を見る。総武線で飯田橋駅から水道橋駅まで移動し、「SUPER LABO STORE TOKYO」にて石内都「Naked Rose」を見る。神保町まで歩いて「東京堂書店」に立ち寄る。二冊購入。帰宅途中に目黒駅で下車し、アトレ目黒の「RF1」にて夕食のための惣菜を買う。読書。加藤典洋『敗戦後論』(ちくま文庫)、佐藤真『パリっ子の食卓 フランスのふつうの家庭料理のレシピノート』(河出文庫)を読む。

Sunday, June 18

神奈川県へ。本日も夏の陽気。横須賀線に乗って逗子駅まで。駅前からバスに乗って神奈川県立近代美術館の葉山館に向かう。対向車の側面に車体が当たってしまうのではと不安になる海岸沿いの狭い道路で、華麗に接触を回避するバスの運転手のテクニックに車内で拍手がおこる。しかし一方通行にしたほうが妥当であるような狭い道をバスのルートに組み込むのはどうなのかと逗子を訪れるたびに思う。ゲルハルト・リヒターなどの眼科医による現代美術の収集品を展示する「野崎道雄コレクション受贈記念 見えないもの、見たいこころ」を鑑賞してから、バスで「葉山マリーナ」に移動。「LA MARÉE」にて午餐。2階のレストランを予約しようとするも満席とのことだったので1階のブラッスリーにて。パテドカンパーニュ、サガナキ、フレンチフライ、グリーンサラダ、ムール貝の白ワイン蒸し、山形だしのペペロンチーノ、白ワイン。「LA MARÉE DE CHAYA」に移動してケーキと珈琲。「MARLOWE」でプリンを買って逗子駅方面にバスで戻る。帰りのバスが大混雑でこの路線は何らかの改善策を考えるべきではとふたたび思う。「古本イサド ととら堂」で五冊購入してから横須賀線に乗って帰途に就く。読書。平松洋子『焼き餃子と名画座 わたしの東京 味歩き』(新潮文庫)を読む。夕食、茄子とピーマンとベーコンのパスタ、「MARLOWE」のプリン。「ヱビス サマーエール」を飲む。