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Monday, May 22

初夏の陽気。読書。蓮實重彦『監督 小津安二郎』(ちくま学芸文庫)を再訪。夕食、白米、豆腐とわかめの味噌汁、豚肉とキムチの炒め物、胡瓜の塩揉みと海蘊とミニトマトの和え物。「キリンクラシックラガー」を飲む。

Tuesday, May 23

気温がぐっと下がって終日雨模様。先週末に「Traditional Weatherwear」で買った長傘が早速出番となる。夕食、トマトとほうれん草とツナのパスタ。「ヱビス サマーエール」を飲む。読書。前田英樹『小津安二郎の家 持続と浸透』(書肆山田)を読む。過去の読書記録を紐解いてみると同著者による『小津安二郎の喜び』の感想として、前田英樹は蓮實重彦の小津論を意図的に避けているのではとあって、本書においても『監督 小津安二郎』とおなじように佐藤忠男『小津安二郎の芸術』とドナルド・リチー『小津安二郎の美学』を参考文献として触れているのに、『監督 小津安二郎』への言及がなく迂回しているのは作為的なものを感じる。

Wednesday, May 24

夕食、五反田の「おにやんま」で鶏天と竹輪天を添えた温かいうどんを食べる。あらゆる所説に目配せしていたら展覧会の企画などできないことは承知しつつも、神奈川近代文学館で開催中の「小津安二郎展」の冒頭、英国映画協会の『サイト・アンド・サウンド』誌による投票で『東京物語』が一位に選ばれたことをもって小津安二郎の世界的評価の証左として説明されていたのは、小津を特集した『ユリイカ』(青土社)2013年11月臨時増刊号における蓮實重彦と青山真治の対談に目をとおしている身からすると、度胸があると評価すればよいのか能天気すぎると呆れ果てればよいのかわからない。対談では、映画史全体を考えればムルナウやグリフィスより小津安二郎のほうが偉いなんてことはあり得ないという常識的なことをふたりは言っている。

蓮實 小津が一位になるようなベスト・テンを企画した連中を、金輪際許さない。それを無邪気に喜んでいる日本人も許さない。
青山 許してたら大変なことになる。

Thursday, May 25

読書。書架から加東大介『南の島に雪が降る』(ちくま文庫)を抜いて再読。夕食、海鮮丼(しめ鯖、鮪のたたき、しらす、生卵)、油揚げと大根の味噌汁、ひじきと人参と厚揚げの煮物、ミルクゼリーと梅シロップ。「キリンクラシックラガー」を飲む。夜、郵便受けに届いた筑摩書房のPR誌『ちくま』6月号を読む。巻頭の金井美恵子の連載「重箱のすみから」では、鷲田清一や藤原辰史や村上陽一郎の言説をその固有名詞を直接出さずにやおら腐す底意地の悪い筆致に感心する。

Friday, May 26

読書。『小津三昧』(岡博大/編、遊映坐文庫)を読む。夕食、トマトのリゾット、ベビーリーフとコーンのサラダ。「ヱビス サマーエール」を飲む。最新号の『メトロミニッツ ローカリズム』(スターツ出版)が東京特集で、久方ぶりに「私の読みたい『メトロミニッツ』」が帰ってきた感がある。編集のスタンスが地方寄りにシフトしているけれど、東京メトロの駅構内で配布している冊子なので東京の話を書いてほしい。

Saturday, May 27

山手線で目黒駅下車。駅前から目黒川方面へ歩いて目黒区美術館にて「ベルギーと日本 光をえがき、命をかたどる」を見学。美術館の前からタクシーで恵比寿に向かって、およそ四年ぶりに訪れた「Rue Favart」で昼食を摂る。夜は肉を食べる予定なので魚料理を選択。東京都写真美術館にて「TOPコレクション セレンディピティ 日常のなかの予期せぬ素敵な発見」を見学し、恵比寿ガーデンプレイス内の「TODAY’S SPECIAL」で買いもの。「NADiff a/p/a/r/t」に立ち寄って巡回してから、アトレ恵比寿の「君嶋屋」と「成城石井」と「靴下屋」で買いもの。山手線で恵比寿駅から目黒駅に戻り、夕食は「とんき」にて。ロースかつ定食と瓶ビールを二本。飲食店における感染症対策のなかで「邪魔」と形容したくなる対策ナンバーワンのアクリル板が「とんき」のカウンター席から無事撤去されていた。カウンター席の端だけには残骸のように置いてある謎仕様ではあったが。「les joues de BéBé」でパンを買って、アトレ目黒の「さわみつ」で野菜を買って、帰途に就く。自宅に戻って常備菜づくり。夜、音楽を聴きながらお酒を飲む。「君嶋屋」で買った「尾鈴山蒸留所」のクラフトジンを炭酸水で割ってレモンを添える。

Sunday, May 28

洗濯と掃除。朝食後、自転車に乗って九品仏まで。「Comme’N TOKYO」でパンを買う。自由が丘の「成城石井」と田園調布の「Precce」で食料品の調達を済ませる。一旦自宅に戻ってから近所の花屋と図書館とスーパーマーケットを巡る。クローゼットの片付け。毎週末掃除ばかりしている。夕方、広島の「アンデルセン」で買ったデンマークケーキと「伊都岐珈琲」の豆で挽いた珈琲で休憩。読書。沢木耕太郎『旅する力 深夜特急ノート』(新潮社)を再訪。夕食、鶏肉と人参とほうれん草とピーマンのトマトソース煮込み、ホワイトセロリと紫玉葱をレモンドレッシングで和えたサラダ、バゲット。「ヱビス サマーエール」を飲む。イリヤ・カバコフの死去を知り、2004年に森美術館で開催されたイリヤ&エミリア・カバコフ展「私たちの場所はどこ?」の記憶を辿る。