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Monday, April 3

坂本龍一の訃報を知る。昨晩放送の細野晴臣のラジオ番組「Daisy Holiday!」(InterFM)をタイムフリーで聴いたら、過去の高橋幸宏との対談を再編集で流していて冒頭にYMOの曲がかかる。ところで坂本龍一に関して真っ先に思い浮かぶのは彼の音楽演奏ではなく「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」で浜田雅功に粗略にシャープペンを投げ渡す姿である。読書。大江健三郎『取り替え子(チェンジリング)』(講談社文庫)を途中まで。残業。夕食、白米、玉葱と油揚げの味噌汁、焼き魚(ほっけ)、わかめと胡瓜としらすの酢のもの。「ヱビスビール」を飲む。

Tuesday, April 4

読書。『図書』4月号(岩波書店)と『みすず』4月号(みすず書房)を読む。夕食は「sakana bacca」のばらちらし、わかめと小葱の味噌汁。「ヱビスビール」を飲む。坂本龍一と明石家さんまとビートたけしが喋っているバラエティ番組の動画をインターネットで再見する。『戦場のメリークリスマス』の撮影現場で台詞をまったく憶えてこなかった坂本龍一を前にして、ほかの役者やスタッフに対して八つ当たりで怒る大島渚の話は何度聴いても面白い。

Wednesday, April 5

残業。五反田の「おにやんま」でうどんを食べてから帰途に就く。読書。大江健三郎『取り替え子(チェンジリング)』(講談社文庫)を最後まで。

アカリさんのCDは、それが美しいと口にする必要もないことだが、と一種の欠語法(レティサンス)を用いて主題を示してから−−いま考えてみると、CDの評価について言質をとられぬように、という慎重さだったのかも知れない−−、最近ニューヨークに本拠を置く日本人の作曲家兼俳優が、ポリティカル・コレクトネスで知的障害者の音楽を押し通されちゃたまらない、と最先端の文化英雄相手に話していたが、とさらにも含みのありそうな言い方をするのだ。(p.112)

Thursday, April 6

残業。読書。大森荘蔵+坂本龍一『音を視る、時を聴く 哲学講義』(ちくま学芸文庫)を再読する。今週は何かしら坂本龍一に関係するものに触れる日々だが、一向に彼の楽曲に耳を傾けようとしないのは、坂本龍一の音楽活動にさほど関心がないからかもしれない。浅田彰の坂本龍一評は贔屓のしすぎでやや鼻白むところがある。夕食、鯖炒飯(鯖缶、玉葱、小葱、レモン)、クレソンとしめじのスープ。「プレミアムモルツ 香るエール」を飲む。

Friday, April 7

雨。残業。読書。星野太『崇高のリミナリティ』(フィルムアート社)を読む。夕食、親子丼(鶏肉、卵、玉葱、みつ葉)、豆腐としめじとわかめの味噌汁。「ヱビスビール」を飲む。夜、ようやく坂本龍一の音楽を聴いて追悼。個人的にいちばんよく聴いたと思われるアルバム「1996」を部屋に流す。

Saturday, April 8

「エキュート品川」の店舗の大半が開店時刻前である午前6時すぎの品川駅。早朝にもかかわらずそれなりの人の往来で、大型連休が開幕したらどうなるのか見もの。東海道新幹線改札前の「caffe LAT 25°」でサンドウィッチを買って駅構内の「スターバックス」でカプチーノを買って「こだま」に乗り込み、小田原駅に到着するまでの時間を利用して軽い朝食。小田原駅から箱根登山鉄道に乗って箱根湯本駅経由で強羅駅まで向かう。強羅駅周辺は日本人より外国人のほうが多いのではと思うほど観光客の姿をたくさん見かけて驚く。パンデミック以前は、国内外を問わず観光地的な場所ではスマホを渡されて写真撮影を頼まれる経験が幾度もあったのだが、このたび強羅駅前にて久方ぶりに写真撮影をお願いされた。パンデミック終結は近いのかもしれない。箱根は晴天。強羅からバスに乗ってポーラ美術館に向かう。開館時刻の9時前に到着したので一番乗りで美術館の入口をくぐる。企画展の「部屋のみる夢 ― ボナールからティルマンス、現代の作家まで」、コレクション展の「ポーラ美術館の名作絵画」と「ゲルハルト・リヒター」と「シュルレアリスムとエコール・ド・パリ 近代化に抗って」、現代美術ギャラリーの「HIRAKU Project Vol.14 丸山直文 水を蹴る―仙石原―」を見学する。大規模な展示数で圧倒する展覧会も魅力的ではあるが、ポーラ美術館は作品ひとつひとつを丁寧に鑑賞できる適度な出品数で心地よく過ごせる。美術館併設のレストラン「アレイ」でコースメニューと白ワインの午餐。美術館周辺の「森の遊歩道」を散策してからバスに乗って移動し、「ニコライ バーグマン 箱根 ガーデンズ」を訪問。併設のカフェでカフェラテを飲む。ふたたびバスに乗って観光客で賑わう強羅駅まで戻り、箱根登山鉄道で小田原駅まで向かって、東海道新幹線「こだま」に乗って新横浜駅で下車。相鉄・東急新横浜線開業の新横浜駅の様子を見学してから、大岡山駅まで向かい大井町線に乗り換えて緑が丘駅で下車。夕食は「中華蕎麦 三藤」で中華蕎麦とハートランド。雨風が強くて気温がぐっと低下する夜。

Sunday, April 9

部屋の掃除と植物の水やりと洗濯。朝食、目玉焼き、ソーセージとマスタード、サニーレタスとトマトと紫玉葱のサラダ、パンドミとクリームチーズとブルーベリージャム、ヨーグルト、珈琲。近所の図書館とドラッグストアとスーパーマーケットと花屋をめぐる。昼食、白米、豆腐とみつ葉の味噌汁、鮪の刺身、大根のつま、焙じ茶。午後はラジオを聴きながらアイロンがけやら靴磨きやら常備菜づくりやら。家事と音楽。澤部渡「NICE POP RADIO」(α-STATION)、畠山美由紀「Travelin’ Light」(Fm yokohama)、山下達郎「サンデーソングブック」(TOKYO FM)、沖野修也「Tokyo Crossover Radio」(InterFM)、松浦俊夫「Tokyo Moon」(InterFM)を聴く。先月までInterFMの日曜夜は松浦俊夫「TOKYO MOON」からピーター・バラカン「Barakan Beat」の流れだったのが、「TOKYO MOON」が金曜夜に引っ越してしまって困っていたものの、radikoのタイムフリー機能をつかって勝手に先月までの流れを今月も維持する。三陸ビール「週末のうみねこ」を飲みながら音楽を聴く。夕食、ロールキャベツ(春キャベツ、豚挽肉)、バゲット、グルジアのオレンジワイン。