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Monday, December 26

冬晴れ。澄んだ青空の後景に富士山が見える。残業。肉体的にも精神的にも酷な労働の日々がつづく。読書。先週から手をつけていた川端康成『文芸時評』(講談社文芸文庫)を最後まで。夕食、ソーセージ入りミネストローネ(人参、キャベツ、トマト、玉葱、ソーセージ)、麦酒。自宅室内のレイアウトの都合上でパソコンとアンプの位置がだいぶ離れているので、これまでBluetoothトランスミッターを経由してスピーカーを響かせていたのだが、音響的に限界があるのとなにより時折音が切れてストレスになるので、有線ケーブルにするための再生装置としてAmazonのタブレット端末「Fire HD 8」を買った。物欲的にはiPadのほうが望ましいが音楽再生装置として使用するだけには高価すぎるので、より安価なものを選択。Amazon製の端末を操作してみると、慣れの問題かもしれないもののiPadの使いやすさを思う。

Tuesday, December 27

読書。阿部昭『単純な生活』(講談社文芸文庫)を読みはじめる。残業。夕食、白米、柚子を添えた牛肉と大根と小葱のスープ、胡瓜の糠漬け、麦酒。東急百貨店の渋谷本店が来年1月に閉店するにあたって、フランス・ブルゴーニュのワイン5本セットの抽選販売を実施する宣伝広告を見つけたのだが、その価格が1,430,000円であった。単純計算で1本286,000円のワイン。高級住宅地として名高い松濤界隈がご近所の百貨店ともなると応募者はそれなりにいるのだろうか。世の中には次元の違う地平線が存在する。冗談で抽選に応募してうっかり当選してしまった際に断る言い訳を思案すると胸中がざわつく。

Wednesday, December 28

一切の価値も意義もない無意味な労働に徒労感と悲壮感が漂う。「これからの人生」について本気で考えたほうがよいかもしれない。夕食、レモンクリームパスタ、麦酒。先日途中まで視聴したYouTubeの番組「山田五郎オトナの教養講座」の生配信放送分を最後まで。

Thursday, December 29

本日から形式上は年末年始の休暇だが、夜明け前から労働に従事している。正月休みははじまる早々に終わったようなものである。朝食後、近所のスーパーマーケットで食料品を調達する。「​ROASTERY DAUGHTER」の珈琲と「​お菓子と結び」の焼き菓子でお茶の時間。外出。渋谷駅着。今年最後の展覧会見学はBunkamura ザ・ミュージアムで「マリー・クワント展」。年末の賑わいをみせる渋谷の街を抜けて、渋谷スクランブルスクエアの「中川政七商店」と渋谷ヒカリエの「モロゾフ」でお年賀を調達してから、山手線で目黒駅へ。「成城石井」で買いものを済ませてから開店前の「とんき」に向かう。今年最後の外食は「とんき」にてヒレかつ定食と瓶麦酒。自宅に戻って再び仕事を少し。音楽の再生装置を「Fire HD 8」に変更したのに併せて、音楽ストリーミングサービスをSpotifyからAmazon Music Unlimitedに乗り換えてみる。Amazon Music UnlimitedはHDやらUltra HDやらの良好な音質で提供されているらしいので、理屈としては音楽聴取環境は向上しているはず。渋谷毅のアルバム「solo famous melodies」「solo famous composers」を聴く。夜、ギネスを飲みながらYouTubeで「山田五郎オトナの教養講座」の青木繁の回を見る。『UP』1月号(東京大学出版会)を読む。

Friday, October 30

磯崎新の訃報を知る。朝食後、部屋の掃除と窓拭きを済ませてから、自転車に乗って九品仏まで。「Comme’N TOKYO」で昼食分のパンとバゲットとパンドミを買う。九品仏から田園調布方面に移動し、「ナショナル田園」「Precce」「富澤商店」で年末年始の食料品を追加調達する。「Precce」の店内で流れていたのが除夜の鐘という斬新なBGMだった。自宅に戻ってパンと珈琲をお供に映画鑑賞。Amazonプライムにあったフレデリック・ワイズマン監督の『ボクシング・ジム』(2010年)を見る。2011年に渋谷のユーロスペースで鑑賞して以来の再見なのですっかり忘れているかと思いきや、どのショットもよく記憶に残っていた。珈琲を飲みながら、山下達郎の「サンデー・ソングブック」(TOKYO FM)の特番を聴きつつ、普段はまず手に取ることはない雑誌『日経トレンディ』(日経BP)に目をとおす。「日経おとなのOFF 2023年絶対見逃せない美術展」と題された臨時増刊号。来年開催される美術展を包括的に把握できる便利な内容。畠山直哉の写真集二冊(『LIME WORKS』(青幻舎)と『TERRILS』(Taka Ishii Gallery))、『図書』1月号(岩波書店)を読む。夕食、すき焼き(和牛、春菊、しらたき、長葱、生卵)、白菜と胡瓜の漬物、麦酒。夜、スカート(澤部渡)の「NICE POP RADIO」(fm kyoto α-STATION)を聴く。

Saturday, October 31

大晦日。朝食後、洗濯。年末の「大掃除」としてWEBサービスやらアプリやらのIDの棚卸と整理をおこなう。もう使わないものは解約手続き。近所のスーパーマーケットで今年最後の買いもの。昼食、マスカルポーネとトマトとソーセージのパスタ。昼すぎから映画鑑賞。『奇跡』(カール・テオドア・ドライヤー/監督、1954年)を見る。「365日と日本橋」で買った豆で淹れた珈琲と「六花亭」のお菓子でお茶の時間。夕食、鶏肉と蒲鉾と葱をのせた温かい蕎麦、卵焼き、白菜の漬物。「銀河高原ビール」を飲む。2022年回顧。今年後半は頭痛の影響もあって外でイヤホンを装着して音楽を聴く行為をやめてしまった。必然的に自宅でスピーカーを響かせての音楽体験が大半となったわけだが、そうすると過去の録音のクラシック音楽とラジオ番組を聴くことで時間は潰れてしまって、新譜情報は蚊帳の外。音楽については新譜を軸とした回顧がむずかしいのでアートと本を少し。今年見た展覧会で印象に残ったのは、「ゲルハルト・リヒター展」(東京国立近代美術館)、「カラーフィールド 色の海を泳ぐ」(DIC川村記念美術館)、「キース・ヴァン・ドンゲン展」(パナソニック汐留美術館)、「自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで」(国立西洋美術館)、「アレック・ソス Gathered Leaves」(神奈川県立近代美術館葉山館)、「李禹煥」(国立新美術館) 、「野口里佳 不思議な力」(東京都写真美術館)、「旅と想像/創造 いつかあなたの旅になる」(東京都庭園美術館)、「時を超えるイヴ・クラインの想像力 不確かさと非物質的なるもの」(金沢21世紀美術館)、「アンディ・ウォーホル・キョウト」(京都市京セラ美術館)。今年刊行された新刊で印象に残った本は、中北浩爾『日本共産党 「革命」を夢見た100年』(中公新書)、蓮實重彦『ジョン・フォード論』(文藝春秋)、いしいひさいち『ROCA 吉川ロカ ストーリーライブ』((笑)いしい商店)、吉川浩満『哲学の門前』(紀伊國屋書店)、柄谷行人『力と交換様式』(岩波書店)、沢木耕太郎『天路の旅人』(新潮社)、四方田犬彦『さらば、ベイルート ジョスリーンは何と闘ったのか』(河出書房新社)、多和田葉子『太陽諸島』(講談社)。