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Monday, October 31

秋日和なので会社の昼休みに建物周辺を散歩する。読書。先週末に神保町の「東京堂書店」で買った沢木耕太郎『天路の旅人』(新潮社)を読む。昨年5月の「本屋B&B」における松浦寿輝との対談で、いま吉田松陰を読んでいると沢木耕太郎が述べているのを聞いて、なにゆえ吉田松陰なのかという疑問の答えが『天路の旅人』に書いてあった。本書の主人公である西川一三が繰り返し読んでいたのが『吉田松陰全集』。夕食、鶏肉と生卵と小葱をのせた温かい蕎麦、麦酒。近所の商店街で仮装した子供たちの姿をきのう目撃し、ハロウィンはもう終了したものだと勘違いしていたが、渋谷駅前のスクランブル交差点の賑わいを伝える報道を瞥見してきょうが本番であることに気づく。

Tuesday, November 1

11月がはじまる。曇天。きのうきょうの通勤の読書は、川端康成『水晶幻想・禽獣』(講談社文芸文庫)。会社から帰宅すると、郵便受けに『図書』11月号(岩波書店)が届いている。夕食、鶏肉と生卵と小葱をのせた温かいうどん、麦酒。

Wednesday, November 2

読書。川端康成『たんぽぽ』(講談社文芸文庫)を読む。川端最晩年の未完の小説。これほど「気ちがい」を連呼している小説も稀なのではと思って、小説のなかで何回「気ちがい」が出てくるのかを数えたくなる。

Thursday, November 3

文化の日は晴れる。朝食、茹で卵、ベビーリーフとトマトと紫玉葱とベーコンのサラダ、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。午前7時前に自宅を出て、東海道線に乗って藤沢駅まで。ここ最近の休日における移動時間では、本を読むより景色を眺めるほうが好きなので、グリーン車を選択してゆったりと車窓から外の風景に目を凝らす。ゆったりと云っても、東海道線に乗ったのは横浜駅からなので藤沢駅までは20分程で着いてしまうが。藤沢駅から江ノ島電鉄で鎌倉方面に向かう。朝の江ノ電はさして混んでいないので、先頭車両の特等席に座って移動。快晴の鎌倉。由比ヶ浜駅で下車。由比ヶ浜海岸を散歩がてら材木座方面まで歩いて、材木座テラスの「Good Morning Zaimokuza」でアイスカフェオレを飲んで休憩。午餐は由比ヶ浜方面に戻って「松原庵」にて。鴨南蛮蕎麦、だし巻き玉子、天婦羅の盛り合わせ、白ワイン。すぐ傍の鎌倉文学館に向かって「没後35年 澁澤龍彦 高丘親王航海記」の展示を見てから庭を散策する。つづいての目的地が神奈川県立近代美術館鎌倉別館なのでタクシーを捕まえたいのだが、鎌倉という街はタクシーがあまり走っていない。タクシーアプリ「GO」を使うも近くを走っている車がないので配車できないとの返答。竹野内豊は鎌倉でどうするのか。やむなくバスで鎌倉駅まで行って、賑わう小町通りを抜けて鶴岡八幡宮を経由し、神奈川県立近代美術館鎌倉別館へ。「沖潤子 さらけでるもの」を見学。ふたたび鶴岡八幡宮を通過して若宮大路を歩く。外国人観光客もちらほら。「KIBIYAベーカリー」「Romi-Unie Confiture」「豊島屋洋菓子舗 置石」「DAILY by LONG TRACK FOODS」「krone-hus」「たらば書店」を巡ってから帰途に就く。夕食、ソーセージとにんじんと玉葱とキャベツのクリームシチュー、バゲット、麦酒。

Friday, November 4

一昨日からイブを飲んでも頭痛が治らない。薬局でロキソニンを買う。会社帰りに新型コロナウイルスのワクチンを接種するため会場に向かう。今回はモデルナ製ではなくファイザー製を選択した。モデルナの副反応の酷さには辟易しているのでファイザーに期待。夕食、焼豚と九条葱と生卵をのせた醤油ラーメン。『みすず』11月号(みすず書房)を読む。

Saturday, November 5

近所のスーパーマーケットで食料品を調達したあとは終日自宅で読書。沢木耕太郎『天路の旅人』(新潮社)を最後まで読んでから、つづけて牟田郁子『文にあたる』(亜紀書房)。誤植のない本をつくるのがいかに難しいかが語られる本書のなかに、これは誤植ではと思うくだりを見つける。『UP』11月号(東京大学出版会)を読む。午後からワクチンの副反応で身体が怠くなり、熱が出る。ワクチン接種前から治らない頭痛も酷くなる。念のため薬局で買った抗原検査キットを使って検査をするも陰性。コロナではない模様だが頭が痛い。夕食、鱈と白菜の鍋、卵雑炊。頭が痛いので早めの就寝。

Sunday, November 6

ファイザー製ワクチンに対する期待は裏切られ、モデルナ製と同様に副反応は酷く、発熱が収まらない。仕事に支障がでるのを避けるため金曜日の夜にワクチンを接種すると土日が台無しになるので、余程の事情がないかぎりワクチン接種はもう最後にすると思う。治療薬の開発を期待したい。昼すぎ、ようやく体調が戻りつつあるところに電話が鳴って、「RIMOWA」から予約しておいたスーツケースが入荷したとの連絡が届く。夕方、副反応から回復したところで、銀座まで赴いてスーツケースを購入。夕食、豚肉とキャベツとしめじの鍋、卵雑炊。