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Monday, October 24

外国為替市場で1ドル=150円を割ってやや円高に振れたので、政府・日銀が為替介入を実施したのではとの憶測が広がる。為替介入には短期的かつ限定的な効果しかないとの評価はよく耳にする話であるものの、過度な円安(ドル高という表現のほうが適切だが)に対してなにもしないとそれはそれで無策と言われるので手を打つしかない苦肉の策といったところか。読書。田中純『「かげ」の芸術家 ゲルハルト・リヒターの生政治的アート』(WAKO WORKS OF ART)を読む。夕食、温泉卵をのせた肉うどん、麦酒。夜、映画鑑賞。『サンセット大通り』(ビリー・ワイルダー/監督、1950年)を再見する。

Tuesday, October 25

冬のような寒さ。近年のこの時期は「秋」の再定義を求められそうな天候が多い。『ちくま』11月号(筑摩書房)が届く。冒頭の蓮實重彦による連載「些事にこだわり」では、磯崎憲一郎の綴った蓮實重彦が珈琲に何杯もの砂糖を投入した目撃談について言及している。本人曰く、いつもスプーン二杯と決めているので何かの間違いではないかとのこと。そして珈琲にぶち込む砂糖の投入量がより凄いらしい大江健三郎の話をしている。夕食、日清のカップヌードル、「無印良品」の豚汁、麦酒。夜、映画鑑賞。『熱砂の秘密』(ビリー・ワイルダー/監督、1943年)を見る。

Wednesday, October 26

読書。『なnD 9』(nu)、藤岡みなみ『パンダのうんこはいい匂い』(左右社)、『メトロミニッツ ローカリズム』11月号(スターツ出版)を読む。夕食、白米、絹ごし豆腐とわかめの味噌汁、鯵のひらき、人参しりしり、大根のおかか炒め、胡瓜の糠漬け、麦酒。

Thursday, October 27

読書。ライオネル・ホワイト『気狂いピエロ』(矢口誠/訳、新潮文庫)を読む。ゴダール映画の原作がどのような小説だったのかをようやく知る。夕食、鶏肉と玉葱と人参のクリームシチュー、生ハムのグリーンサラダ(生ハム、ルッコラ、ベビースピナッチ、紫玉葱、胡瓜)、麦酒。

Friday, October 28

読書。マイクル・Z・リューイン『父親たちにまつわる疑問』(武藤陽生/訳、ハヤカワ文庫)を読む。夕食、トマトとツナとほうれん草のパスタ、生ハムとラ・フランス、麦酒。明日は秋晴れの予報なので「神田古本まつり」か「TOKYO ART BOOK FAIR」かのどちらに行くかを迷うも、「TOKYO ART BOOK FAIR」は事前予約制でチケットは既に完売とのことなので自動的に明日の選択肢は神保町となる。

Saturday, October 29

山手線に乗って目黒駅下車。東京都庭園美術館で「旅と想像/創造 いつかあなたの旅になる」を見学する。昼食は美術館併設のレストラン「comodo TEIEN restaurant」にて。イタリアンとフレンチ融合のコース料理とスパークリングワイン。女性客ばかりの店内を見渡すと、わりとみんなワインを飲んでいる。それにしても儀礼的マスク着用の馬鹿馬鹿しさは飲食店において顕著で、入店時と会計時にマスクをしている。なんの意味があるのだろう。昼食後、庭園美術館の庭を再度巡ってから、目黒駅より三田線で神保町駅まで移動する。長蛇の列を成している「さぼうる」を横目に細い路地を抜けて神田すずらん通りに出ると「神保町ブックフェスティバル」を開催中で、ちょうど晶文社のブースのまえでナスカジャンを着た吉川浩満の姿を見かける。社員として売り子の仕事をしていた。あわせて「神田古本まつり」を見て廻るも凄い人出で本の棚にあまり近づくことができない。さほど広くはない歩道で実施するのは無理があるイベントなのではと以前から思っていたが、その認識をさらに強化する光景であった。混雑必至のイベントはもう、「TOKYO ART BOOK FAIR」のように事前予約制にしてしまったほうが賢いやり方なのかもしれない。結局、古本屋で二冊、「神保町ブックフェスティバル」の未知谷のブースで一冊、「東京堂書店」で本を九冊と雑誌を二冊買う。どこの書店でも買える新刊本にいちばんお金を使ってしまった。バーゲン期間で混雑する洋服屋で、バーゲン対象外の新入荷商品を買うようなふるまいだと指摘される。重い荷物を担いで神田スクエアの「ANGERS ravissant」まで赴き文房具を買う。帰宅。夕食、「sakana bacca」のばらちらし、ほうれん草と絹ごし豆腐の味噌汁、麦酒。

Sunday, October 30

韓国ソウルの繁華街で大人数が将棋倒しになって150人程が死亡するという大惨事が発生。2001年に兵庫県明石市の花火大会で発生した事故の際に「将棋倒し」という語彙を使わないよう日本将棋連盟が抗議して以降、報道では「人が折り重なるようにして倒れた事故」などの表現に変更しているとのことだが、これは殆ど言葉狩りに近く、将棋倒しと表現することで将棋のイメージが損なわれると考えるほうがどうかしている。朝食、茹で卵、ソーセージ、ベビーリーフと紫玉葱のサラダ、焼きトマト、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。きのう購入した本の整理。読書。岡本敬子『私の定番』(光文社)、京都特集の『HERS』秋号(光文社)、川口葉子『金沢 古民家カフェ日和 城下町の面影をたどる39軒』(世界文化社)。近所のスーパーマーケットで食料品の調達する。常備菜づくり。昼食、白米、玉葱と小葱の味噌汁、鰹のたたき、大根のつま、貝の磯和え、茄子とレタスの白味噌炒め、加賀棒茶。自転車に乗って「AOI COFFEE」でカフェオレをテイクアウトしてから洗足池公園に向かう。秋日和。夕食、豚挽肉のロールキャベツ、ルッコラのペスト、パンドミ、岡山の赤ワイン。「東京R不動産」の物件紹介を眺めていたら、根津美術館の傍にある「古書日月堂」が居抜き物件として掲載されているのを見つけて移転することを知る [1]

  1. https://www.realtokyoestate.co.jp/estate.php?n=16190 []