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Monday, August 1

本棚の整理をひとまず終えて八月を迎える。朝の読書は読みさしのハンナ・アーレント『全体主義の起源 1 反ユダヤ主義』(大久保和郎/訳、みすず書房)を最後まで。マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』に関する言及があるので、長大な小説を曲がりなりにも去年読み終えてから本書に取り掛かれたのはよかった。酷暑がつづく。夕餉、白米、油揚げと玉葱の味噌汁、鯵のひらき、胡瓜の糠漬け、ビール。食事を摂りながら昨晩放送分の「村上RADIO」(TOKYO FM)をradikoのタイムフリー機能で聴く。村上春樹のラジオ番組も段々と新鮮味が薄れてきて、リアルタイムで聴く必要もないかと思って昨夜はいつもの習慣どおり「Barakan Beat」(InterFM)にチャンネルをあわせた。夜の読書。新宿の「紀伊國屋書店」で講談社学術文庫の棚を眺めながらYouTubeの番組「山田五郎 オトナの教養講座」で魔女について解説されていたのを思い出して、上山安敏『魔女とキリスト教 ヨーロッパ学再考』(講談社学術文庫)を購入したのは先々週のこと。とても面白い本。

Tuesday, August 2

本日も暑い。読書。上山安敏『魔女とキリスト教 ヨーロッパ学再考』(講談社学術文庫)を最後まで。魔女について論じた本ではあるが筆致の射程は遥かに広大で、ヨーロッパ精神史の深淵を覗くことのできる好著。夕食、親子丼、油揚げとわかめの味噌汁、黒豆、柴漬け、ビール。

Wednesday, August 3

読書。堀越孝一『中世ヨーロッパの歴史』(講談社学術文庫)を読む。途中まで。夕食、半田素麺、薬味は茗荷と小葱と生姜、ミニトマト、枝豆、ビール。

Thursday, August 4

読書。堀越孝一『中世ヨーロッパの歴史』(講談社学術文庫)を読む。最後まで。夕食、鰻丼、卵とあおさと茗荷のお吸い物、大根の糠漬け、ビール。

Friday, August 5

天候は暑さが和らぎ涼しいものの、労働の疲労が蓄積している。夕食、焼き餃子、わかめスープ、キムチ、ビール。久野知美・南田裕介『東急電鉄とファン大研究読本』(カンゼン)を読む。

Saturday, August 6

頭痛薬を飲む。朝食、ハムと目玉焼き、サニーレタスとトマトのサラダ、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。午前中は近所の図書館とドラッグストアとスーパーマーケットを巡る。暑さは幾分和らぐ。昼食、おくらとわかめをのせた半田素麺、薬味は茗荷と小葱と生姜、煎茶。昼過ぎから午後いっぱい読書三昧。焼き菓子と珈琲のおやつをお供に、ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン『哲学探究』(鬼界彰夫/訳、講談社)を読み進める。他我問題と格闘するウィトゲンシュタインによる断章を前にして読み返したくなるのは、大森荘蔵『時は流れず』(青土社)。

ともあれ、他者の心の意味が思考的であることをいったん確認することができれば、「他我問題」とはお別れができる。おそらくはほんのしばしの別れであろうが。哲学では最後に笑うのはいつでも問題のほうであるらしい。

日暮れ時まで読書。ジュリアン・グラック『異国の女に捧ぐ散文』(松本完治/訳、山下陽子/挿画、エディション・イレーヌ)を読む。夕食、焼肉、ピーマン、玉葱、サンチュ、卵とわかめの中華風スープ、キムチ、ビール。

Sunday, August 7

胃薬と頭痛薬を飲む。朝食、ハムと目玉焼き、ベビースピナッチと紫玉葱のサラダ、焼きトマト、パンドミとクリームチーズとブルーベリージャム、ヨーグルト、珈琲。読書。沢木耕太郎『飛び立つ季節 旅のつばくろ』(新潮社)を読む。昼食、ポークビンダルー。映画。『オリーブの林をぬけて』(アッバス・キアロスタミ/監督、1994年)を見る。スティーヴ・ライヒとゲルハルト・リヒターのコラボ作品「Steve Reich: Reich/Richter」(アンサンブル・アンテルコンタンポラン、ジョージ・ジャクソン/指揮)を聴こうとSpotifyでライヒの音楽を検索したら、以前は出てこなかったと思う加藤訓子の演奏による「Drumming」を見つけたので先にそちらから視聴。読書。ハンナ・アーレント『全体主義の起源 2 帝国主義』(大島通義、大島かおり/訳、みすず書房)を途中まで。夕食、フライドポテト、サニーレタスとベビースピナッチと紫玉葱とツナとコーンのサラダ、ビール。