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Monday, March 14

外套いらずの陽気。春接近中。スギ花粉の大量に飛散する季節が訪れているものの、長期にわたる舌下免疫療法薬(シダキュア)による花粉症治療を過去おこなったので、症状が完全に霧消することはないとはいえ、だいぶ軽減されている。読書。昨年買って読んだ山本健『ヨーロッパ冷戦史』(ちくま新書)を再読する。北大西洋条約機構(NATO)成立の経緯など、ウクライナ情勢を含めた現在進行形の時事問題との接続に、とてもよい復習となる好著。夕食は「ちよだ鮨」の持ち帰り寿司、絹ごし豆腐とほうれん草の味噌汁、麦酒。夜、映画。『アルファヴィル』(ジャン=リュック・ゴダール/監督、1965年)を見る。ちらっとジャン=ピエール・レオの登場するショットがあるのをすっかり忘れていた。

Tuesday, March 15

読書。読みさしの二冊を最後まで。山本健『ヨーロッパ冷戦史』(ちくま新書)とバーバラ・W.タックマン『八月の砲声』(山室まりや/訳、ちくま学芸文庫)の下巻。夕食、牛肉と牛蒡と舞茸のおこわ、大根とわかめの味噌汁、麦酒、焙じ茶。夜、グレン・ミラー楽団の演奏をレコードで聴きながらイタリアの赤ワインを飲む。

Wednesday, March 16

読書。先日読んだ池上俊一『ヨーロッパ史入門 原形から近代への胎動』(岩波ジュニア新書)をもう一度読み返す。ためになる岩波ジュニア新書。夕食、ラタトゥユ(トマト、玉葱、人参、茄子、ピーマン)、バジルソーセージ、バゲット、麦酒。すでに就寝中の23時半ごろ大きな地震が発生して一応目を覚ますも、そのまますぐに眠る。

Thursday, March 17

昨晩の地震は宮城県と福島県で震度6強の揺れとのこと。読書。池上俊一『ヨーロッパ史入門 市民革命から現代へ』(岩波ジュニア新書)を読む。夕食、白米、絹ごし豆腐とわかめの味噌汁、鯵のひらき、茄子とピーマンの味噌炒め、プロッコリーのおかか和え、麦酒。

Friday, March 18

会社からの帰り道、本降りの雨に遭う。夕食、アボカドとトマトとしらすのレモンパスタ、麦酒。小島麻由美の天稟を再確認するためにSpotifyでシングル盤を順繰りに聴きなおす。歌詞も凄いが楽曲のアレンジにあらためて唸る。

Saturday, March 19

晴れ。図書館とスーパーマーケットに向かうため外出した以外は、「三日月堂花仙」の最中と珈琲をお供に、終日自宅で読書。購入本の積読も消化しなければならないが、返却期限の迫る図書館で借りた本にも手をつけなければならない。借りた本を机上に積み上げる。仲條正義『僕とデザイン』(アステルパブリッシング)、渡邉雅子『「論理的思考」の社会的構築 フランスの思考表現スタイルと言葉の教育』(岩波書店)、吉村忠典『古代ローマ世界を旅する』(刀水書房)、南川高志『新・ローマ帝国衰亡史』(岩波新書)、青木健『ペルシア帝国』(講談社現代新書)、五十嵐敬喜『土地は誰のものか 人口減少時代の所有と利用』(岩波新書)、川上高志『検証 政治改革 なぜ劣化を招いたのか』(岩波新書)、古川安『津田梅子 科学への道、大学の夢』(東京大学出版会)、二間瀬敏史『ブラックホール 宇宙最大の謎はどこまで解明されたか』(中公新書)、翁邦雄『人の心に働きかける経済政策』(岩波新書)、森貴史『リヒトホーフェン 撃墜王とその一族』(中公新書)。本に埋もれる。夕食、牛豚合挽き肉とパセリのロールキャベツ、バゲット、麦酒。

Sunday, March 20

寒の戻りの気配。朝食、目玉焼き、牛豚合挽き肉とパセリのロールキャベツ、茹でたブロッコリー、チーズを挟んだホットサンド、ヨーグルト、珈琲。洗濯と掃除。早めの昼食は「にしきや」のガーリックシュリンプカレー。昼すぎに外出。山手線に乗って上野駅着。上野動物園は閉園中で国立西洋美術館は休館中で桜はまだ開花前なのに、上野公園は結構な人で賑わっている。上野の森美術館で「VOCA展2022 現代美術の展望 新しい平面の作家たち」を見学。会場に入るとすぐに堀江栞の作品があって佳作賞を受賞していた。堀江敏幸の娘。VOCA賞受賞の川内理香子「Raining Forest」も悪くないけれど、小森紀綱の「絵画鑑賞」をいちばんおもしろく見る。展覧会の中身よりも驚くのは、選考委員が全員あまりよく知らない人たちだったことで、単にこちらの知見が追いついていないだけのことなのか。各作家の推薦委員である学芸員のほうは知っている名前が結構あるのだが。高階秀爾や酒井忠康や建畠晢や本江邦夫が選考委員をやっていた時代が遠いむかしのことのよう。美術館をあとにしてスターバックスの長い行列に並んでカプチーノを買う。スマートフォンのアプリ機能「MOBILE ORDER & PAY」を利用すれば時間節約になるのだが、いつも忘れる。上野公園を抜けて谷中方面に向かい、「古書木菟」を訪れる。平出隆『鳥を探しに』(双葉社)、カルミネ・アバーテ『偉大なる時のモザイク』(栗原俊秀/訳、未知谷)、J.M.シング『アラン島』(栩木伸明/訳、みすず書房)、高階秀爾『ルネッサンス夜話 近代の黎明に生きた人びと』(平凡社)、中野重治『五勺の酒・萩のもんかき』(講談社文芸文庫)、中野重治『村の家・おじさんの話・歌のわかれ』(講談社文芸文庫)を買う。店主夫妻が蔵書の断捨離を兼ねて開店した古本屋であることはインターネットから得た情報だが、少し前に刊行された最近の本も「古本」として並んでいるのは止むことなく本を買っていることを示唆し、果たしてそれは断捨離として機能しているのだろうか。お気に入りの古書店。谷中銀座商店街まで歩き、フロランタン専門店の「atelier de florentina」に立ち寄る。帰途に就く。夕食、白米、茄子と小松菜の味噌汁、鯵のひらき、絹ごし豆腐、すぐき漬け、麦酒、焙じ茶。