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Monday, February 28

老け込んだプーチンの相貌はピーター・バラカンというよりビートたけしに似てきている。読書。先週から読みはじめた若桑みどり『マニエリスム芸術論』(ちくま学芸文庫)を途中まで。残業。きのう聴き逃した「村上RADIO」(TOKYO FM)をradikoのタイムフリー機能で流しながら、遅めの夕食。牛肉、人参しりしり、ほうれん草のナムルをのせたビビンバ丼、豆腐とあおさの味噌汁、牛蒡の漬物、ビール、焙じ茶。『MONOCLE』と『図書』3月号(岩波書店)が届く。『図書』でブレイディみかこと谷川俊太郎によるエッセイと詩の往復書簡という謎の連載がはじまる。

Tuesday, March 1

読書。若桑みどり『マニエリスム芸術論』(ちくま学芸文庫)を最後まで。残業。値引きされた「ちよだ鮨」を夕食として買って帰る。夜、映画鑑賞。『私は殺される』(アナトール・リトヴァク/監督、1948年)を見る。

Wednesday, March 2

読書。新プラトン主義の復習のため村上陽一郎『科学史の逆遠近法 ルネサンスの再評価』(講談社学術文庫)を読み返す。夕食、大葉と刻み海苔をのせたたらこパスタ、ビール。『みすず』3月号(みすず書房)が届く。オーストラリアでワニの研究(野生生物管理学)をしている福田雄介による連載「クロコダイルに魅せられて」がはじまる。著者のワニのことが大好きになる理路がさっぱりわからなすぎておもしろい。

ある夜、陰鬱な気持ちでテレビを見ていると、バラエティー調の動物ドキュメンタリーが流れていた。画面の中には、見たこともないオーストラリアの大自然の中をゆっくりと泳ぐ巨大なワニの姿に私の目は釘付けになった。さらに番組の中では、現地の専門家がワニについて語っていた。その瞬間、私は頭のてっぺんから足の先まで、大きな雷に打たれたような衝撃を覚えた。どういうわけか、自分でもまったくわからないのだが「この人に会いに行かなければならない」、そして「自分もこの人のようになるのだ」と強く思った。宿命とでもいうのだろうか、私は「自分はこのために生まれてきたのか」とすんなりと了解し、根拠のない確信に心が震えていた。

Thursday, March 3

読書。村上陽一郎『科学史の逆遠近法 ルネサンスの再評価』(講談社学術文庫)を最後まで。12世紀のシャルトル学派においてアリストテレスの著作は積極的に紹介されたが、プラトンに関しては『ティマイオス』以外の文献を体系的に翻訳する機運は高まらなかったという話がでてくるが、逆に云えば、近代以前においてプラトンの最重要文献は『ティマイオス』だったことになる。しかし不思議なのはプラトンの本が数多くならんでいる岩波文庫において『ティマイオス』がないことで、文庫として刊行しない岩波書店は何か事情があるのだろうか。会社帰りに本屋に立ち寄って『BRUTUS』(マガジンハウス)を買う。夕食、いくらと蓮根とスナップエンドウと卵焼きと刻み海苔のちらし寿司、あおさと絹ごし豆腐の味噌汁、ビール、焙じ茶。

Friday, March 4

きのう買った歌謡曲特集の『BRUTUS』(マガジンハウス)のページをめくり、シャ乱Qの「ズルい女」に対する小西康陽のコメントに唸る。

当時、家の近所のコンビニで耳にしたのが最初。あれ? なんでオリジナル・ラブをバックに長渕剛が歌ってるの? と思った。

有給休暇を取得。貴重な休暇なので、可能なかぎり都内を動きまわる。楳図かずお『恐怖への招待』(河出文庫)を読みながら地下鉄日比谷線に揺られ、六本木駅着。六本木ヒルズの東京シティビューで「楳図かずお大美術展」を見学する。楳図ワールドを周遊。天気がよいので帰りがけに屋外展望回廊「スカイデッキ」を訪れて東京を一望する。平日午前中の六本木ヒルズはやや閑散としている。乃木坂の国立新美術館に移動して「ダミアン・ハースト 桜」展を鑑賞する。意図せず、ダミアン・ハーストの私設ギャラリー「Newport Street Gallery」で購入したトートバックに荷物を入れて家をでてしまったので、はたから見るとどれだけダミアン・ハーストのことが好きなのかとの佇まいになっているが、それほどではない。「Shake Shack」でハンバーガーとポテトとコーラの昼食を摂ってから、日比谷線で銀座に移動。銀座にて「MOONSTAR Factory Ginza」「無印良品 銀座」「教文館」「ポーラ ミュージアム アネックス」「UNIQLO TOKYO」をめぐる。ルミネ10%オフがはじまったのでルミネ有楽町の「UNITED ARROWS」と「靴下屋」で買いもの。ここ数年洋服を買うのはルミネ有楽町の「UNITED ARROWS」か「TOMORROWLAND」が大半なので、わたしのクローゼットはほぼルミネ有楽町でてきていると云っても過言ではない。帰途に就く。夕食、白米、しらす、大根とあおさの味噌汁、鶏肉と小松菜のにんにく塩炒め、ビール、焙じ茶。

Saturday, March 5

朝食、目玉焼き、サニーレタスとトマトとベーコンのサラダ、豆乳パンとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。掃除と洗濯。午前中は『週間読書人』(読書人)と『Life Wear magazine』(UNIQLO)と『ちくま文庫 ちくま学芸文庫 解説目録 2022』(筑摩書房)に目をとおして、『JLG/自画像』(ジャン=リュック・ゴダール/監督、1995年)を見返す。昼食、「にしきや」のレモンクリームチキンカレー。午後、図書館で本の返却と貸出を済ませ、近所のスーパーマーケットで食料品を調達。おやつ、「銀座コージーコーナー」のシュークリームと珈琲。夕食、白米、しらす、小松菜と大根の味噌汁、鰹のたたき、大根のつま、大根と柚子の漬物、焙じ茶。夜、新型コロナワクチンのブースター接種のため電車に乗って接種会場に赴く。過去二回と同様、今回も武田/モデルナ社のワクチンを体内に注入する。ファイザー製のワクチンを接種できない人生だった。

Sunday, March 6

朝食、目玉焼き、ソーセージ、サニーレタスとトマトのサラダ、バゲットとレバーペースト、ヨーグルト、珈琲。「白松がモナカ本舗」の最中と珈琲をお供に、時事問題に接続するための読書。黒川祐次『物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国』(中公新書)を読む。昼食、鶏肉とゆで卵と長葱と小葱と海苔をのせた醤油ラーメン。モデルナの副反応が突如きて、ソファで横になり安静にする。悪寒、倦怠感、発熱。三回目の副反応がいちばん重かったかもしれない。微熱がなかなか下がらないため時折仮眠をとりながら読みさしだった山我哲雄『キリスト教入門』(岩波ジュニア新書)を最後まで。入門書としての完成度の高さに感銘を受ける。夕食、中華風おこわ(焼豚、人参、筍、長葱)、絹ごし豆腐とあおさの味噌汁、菜の花の胡麻和え、焙じ茶。