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Monday, February 21

睡眠時間が4時間余りなのでひどく眠くて身体が怠い。夕食、煮込みハンバーグ(ハンバーグ、玉葱、人参、しめじ、ソーセージ)、麦酒。読書。読み止しだった奈倉有里『夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く』(イースト・プレス)を最後まで。

大学時代の私やマーシャに「ロシアとウクライナが戦争をする」などと言っても、私たちは笑い飛ばしていただろう。ウクライナ東部に祖父母のいる友人マルーシャもいたし、ウクライナ人の学生もいた。そもそもロシアにとってウクライナやベラルーシは「外国」というより「家族」といった感じで、あえていうなら、たとえばベラルーシならオーリャの故郷をはじめて多くの地域で日常的にロシア語を話していたのに対し、ウクライナではどんどんウクライナ語教育が進められていたから、それなりに独自の発展をしていくのだろうという感覚はあったが、戦争が起こるなどとは到底思えなかった。
しかし最終学年のころには、ウクライナとロシアの不穏な溝を感じる出来事が起こるようになっていた。そこで問題になるのはやはり言語だった。(p.222)

Tuesday, February 22

疲労蓄積。会社帰りに髪を切る。夕食、レモンクリームパスタ、ビアヴルストとベビーリーフのサラダ、麦酒。

Wednesday, February 23

祝日。朝食の献立は、目玉焼き、ソーセージ、グリーンリーフとトマトのサラダ、スライスチーズを挟んだホットサンド、ヨーグルト、珈琲。外出の支度。自転車に乗って東京都庭園美術館を目指す。開催中の企画展「奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム」を見学。第二次世界大戦中の西欧では物資の不足から衣服が簡素化していったが、帽子だけはお洒落が許されたという事実をはじめて知る。戦時下における一点豪華主義。展示を見終えてからシュルレアリスムの復習をしたくなって、ミュージアムショップで塚原史『ダダ・シュルレアリスムの時代』(ちくま学芸文庫)を買う。美術館併設のレストラン「Du Parc」でハムカツサンドと珈琲をテイクアウトして、テラス席で庭を眺めながら軽めの昼食。感染症の感染拡大防止のため庭園は閉鎖されていたが無意味な施策だと思う。道路を挟んで庭園美術館の向かい側にある「Jubilee Coffee and Roaster」で珈琲豆を購入してから、目黒区美術館に向かう。「木村伊兵衛と画家たちの見たパリ 色とりどり」展を見学する。2018年に日本橋三越で木村伊兵衛の撮ったパリの写真はあらかた見ており、併せてそのとき写真集『パリ残像』(クレヴィス)も買ったから新鮮な驚きはない展示風景ではあるものの、木村伊兵衛のパリの写真は好きなので厭きることはない。目黒通り沿いを自転車で走り、途中閉館した「CLASKA」の前を通ると建物がごっそり消失しているのを確認する。学芸大学駅周辺に到着。建物の老朽化のため現在の場所での営業は終えてしまうと知った「古本遊戯 流浪堂」に立ち寄る。古本を買って、『kinrin』vol.17(エクリ)を貰う。すぐ傍にある「マッターホーン」で焼き菓子の調達を目論むもレジに辿り着くまで時間を要しそうな行列なのでパスして、帰りがけに西小山の「cuisson-lucca」に寄り道して焼き菓子を買う。近所のスーパーマーケットで食材を少し調達してから帰宅。夕食、海鮮丼(鰤の刺身、鮪のたたき、しらす、生卵、かいわれ)、かぶとほうれん草の味噌汁、大根と柚子の漬物、麦酒。

Thursday, February 24

海の向こうで戦争がはじまる。もうあまりピーター・バラカンには似ていないロシア大統領のウラジーミル・プーチンが、ウクライナへの軍事行動を指揮したとの報せ。このまま大規模な戦争に突入するのか限定的な地域紛争で終息するのかわからないが、連日のウクライナ情勢の報道を瞥見しながら思うのは、なぜあのとき外交的な尽力によって軍事介入を阻止できなかったのかと後世の人びとから指摘されても、同時代的にはあれよあれよという間にロシアによる軍事侵攻がはじまってしまったと回想するしかないということ。外交の失敗についての検証と分析が待たれる。夕食、鶏肉と大根と人参の小葱の和風スープ、麦酒。読書。塚原史『ダダ・シュルレアリスムの時代』(ちくま学芸文庫)を途中まで。シュルレアリスムに関する復習のために手にとったが、力点が置かれているのはシュルレアリスムよりもダダのほう。

Friday, February 25

戦争をはじめたら終わらせなければならない。国際法に抵触する侵略を開始したプーチンは一体どのような着地点を見据えているのやら。夕食、鯖缶の洋風チャーハン、麦酒。読書。塚原史『ダダ・シュルレアリスムの時代』(ちくま学芸文庫)を最後まで。『ちくま』3月号(筑摩書房)を読む。

Saturday, February 26

午前中、近所のスーパーマーケットまで徒歩で買い出しに出かけると、外は初春の暖かさ。午餐、白米、ほうれん草と絹ごし豆腐の味噌汁、牛蒡の漬物、鰹の刺身、大根のつま、焙じ茶。自転車に乗って自由が丘へ。午後は買物行脚。「KERSEN」でポーランド食器、「NISHIKIYA KITCHEN」でレトルトカレー、「TODAY’S SPECIAL」でドライフラワーと花瓶と珈琲豆、「すすむ屋茶店」で焙じ茶を買う。九品仏に移動して「INFINI」でシュークリームを買ってから、田園調布方面に向かい「LE TOKYO FRENCH BAKERY ESPRIT」でパンドミを買って、「Precce」で野菜を買って帰途に就く。消費活動で生活に潤いを与える休日。「戦争に反対する唯一の手段は、各自の生活を美しくして、それに執着することである」の実践とでも云えようが、しかし小西康陽がアルバムタイトルに引用して広く知られるようになったこの吉田健一の文章の原典にあたったならば、ここだけ切り取ると誤解を生むことがわかる。夕食、牛豚挽肉と小葱の蒸し餃子、茄子とほうれん草と卵の中華風スープ、麦酒、焙じ茶。

Sunday, February 27

朝食、目玉焼き、ソーセージ、サニーレタスとミニトマトのサラダ、バゲットとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。掃除と洗濯。読書。『岩波講座世界歴史 03 ローマ帝国と西アジア 前3~7世紀』(大黒俊二・林佳世子/責任編集、南川高志/編集協力、岩波書店)を読む。昼食、焼豚と小葱とほうれん草とゆで卵と海苔をのせた醤油ラーメン。東急線のフリーペーパー『SALUS』3月号に載っていた「秋庭商店」でジョージアワインを買うために、自転車に乗って久が原駅近辺まで。帰り際、近所の花屋で花と枝物を買う。焼き菓子と珈琲をお供に読書。大澤真幸『クリティーク社会学 経済の起源』(岩波書店)を読む。夕食、キンパ(牛肉、人参しりしり、ほうれん草のナムル、卵焼き)、大根とわかめの味噌汁、麦酒、焙じ茶。