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Saturday, January 22

今週、平日はほぼ仕事しかしていなかった。いそがしかった。長かった。わたしの仕事のこのいそがしさは来月中旬くらいには解消される見込みだが、果たして予定どおり進行するのだろうか。もうそろそろ仕事にあてている時間を家事にあてたい。とはいえ仕事は楽しい。はりきってまいりましょう。

しかし木曜、金曜と就寝時間が遅くなり、今朝はさすがに疲れて目が腫れぼったく、身体も重かった。いつもの朝食を済ませて、ソファでぐたっとしながらおととい届いた『週刊読書人』2022年1月21日号(読書人)を読む。巻頭インタビューは金原ひとみ。わたしたち世代にとって、文学に多少興味があったとしたら、金原ひとみ・綿矢りさの芥川賞ダブル受賞は賛否はおいておくとしても印象深い出来事だったといまでも思う。わたしは金原ひとみに興味を持ちすぐに『蛇とピアス』を買って読んだが(その後『蹴りたい背中』を読んだ)、その後はことさら熱心に読んだわけではなかった、が、この人の存在は変わらず興味深い。2人ともずっと書き続け、進行形で評価を得ていてすごいと最近あらためて思うようになった。

お昼にポークビンダルーカレー(半熟卵のせ)を食べてから、重い腰をあげて、図書館、ドラッグストア、スーパーをはしご。帰宅してお汁粉を食べながらしばらく読書。

今夜の夕食当番は夫。食卓にビーフステーキ、トマトのグリル、タコとパテのブルスケッタ、ホワイトセロリときゅうりと紫玉ねぎのサラダ、ビールが並ぶ。ブルスケッタは、バゲットの上にパテを塗り、その上にタルタルソースであえたタコがのっていて、とても美味しかった。夫は変な既成概念がないため、つくる料理は基本を抑えつつもそれなりにフリースタイルだ。それが思いがけない組み合わせとなって新しい美味しさにつながるし、生まれ持ったセンスがある。わたしも料理は下手ではないと思うが、夫のようなセンスは持ち合わせていない。

それにしても夫に既成概念がないのは料理や食べることにそれほど興味がないせいだし、料理がうまくても誰かにふるまおうなどという気持ちがまったくないのも面白い。食に対して淡白すぎるのだ。好き嫌いを訊いても、いつも「好きなものは?」「うまいもの」「嫌いなものは?」「まずいもの」と篠山紀信のパクリ回答でかわされる [1]

きょうはやっと早めに就寝。しばらくそうしていなかったが、このところまた、最小音量で一晩中ラジオをつけている。

Sunday, January 23


きょうは本当に寒い。底冷えする。曇りがちな晴天のもと、自転車に乗って田園調布まで。SAVEURにバターケーキを買いに行ったら珈琲豆が売られていたのでそちらも購入する。京都のオオヤコーヒ焙煎所で焙煎されたもののそうで、さすがSAVEURだわ。おまけに試作品のケーキもいただいてしまって嬉しい。その後、すぐそばの古書肆田園りぶらりあに立ち寄る。この古書店はわたしが生まれる前からあって、子どもの頃からずっと存在は知っていたのだけれど、完全に間違った先入観で、全集や図録や古文書だけを扱っているお店だと勘違いしていた。何十年も。入ってみたらば文庫や新書も所狭しと置いてあるではないか。ひととおり見てまわって、文庫と新書を6冊ほど買う。

帰宅して、タコとほうれん草のオニオンマヨネーズパスタを食べながら、ザ・シネマメンバーズでエリック・ロメールの短編を観る。『紹介、またはシャルロットとステーキ』(1951年)、『ベレニス』(1954年)、『パリのナジャ』(1964年)の3本。『紹介、またはシャルロットとステーキ』は以前に一度観たような…。帰宅してコートも脱がず手も洗わずにいきなり肉焼いてすごいなって思った記憶があるような…。おやつ、SAVEURのケーキと珈琲。久しぶりに港千尋の本を読む。ときおり眠気が襲ってきてあまり進まなかった。きょうも早く寝よう。

夜は、海鮮丼(鰤、スモークサーモン、しらす、卵、小ねぎ)、油揚げとほうれん草の味噌汁、大根の漬物、ビール。

  1. 2012年に東京オペラシティアートギャラリーで開催された「篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN」にて放映されていたインタビュー映像より。出典:本と余談 81 Sunday, December 16 []