Monday, December 27
冷え込む朝。読書。埴谷雄高『死霊』(講談社文芸文庫)全3巻を読み終える。文庫購入時(2003年)以来の再読。『群像』創刊50周年の際の戦後文学ベストを選ぶアンケートだかで『死霊』が1位だった挿話を過去目にしたことがあるが、読み返してみてそんなに偉大な小説だろうかと思うところあり。戦後文学の金字塔としては『死霊』よりも同アンケートで2位だったらしい大西巨人『神聖喜劇』のほうを推したい。夕食、ポトフ(塩豚、ソーセージ、人参、玉葱、キャベツ)、ビール。
Tuesday, December 28
通勤の読書はきのう届いた『UP』(東京大学出版会)と『図書』(岩波書店)。夜、『007 スペクター』(サム・メンデス/監督、2015年)を見る。Amazonプライムでの007シーリズ過去作品鑑賞は、ようやく完走を果たす。
Wednesday, December 29
朝食、目玉焼き、ソーセージ、ベビーリーフとミニトマトのサラダ、チーズを挟んだホットサンド、ヨーグルト、珈琲。洗濯とアイロンがけと靴磨き。公式的にはきのうが今年の最終出勤日であったが本日も労働はつづく。朝から自宅で仕事。昼食として紫玉葱とミニトマトを添えたnegombo33監修のラムキーマカレーを食べてから徒歩で買いものに出かける。近所の花屋と酒屋にて。午後は自宅で映画鑑賞。昨今エリック・ロメール専門チャンネルと化している「ザ・シネマメンバーズ」で『夏物語』(エリック・ロメール/監督、1996年)を選択。夕食、鶏肉とほうれん草と長葱とうどんの鍋、ビール、加賀棒茶。瀬川昌久の訃報を知る。
Thursday, December 30
午前4時半起床。早起き。朝食、目玉焼き、グリーンリーフとトマトとベーコンのサラダ、チーズを挟んだホットサンド、ヨーグルト、珈琲。部屋の掃除とアイロンがけとレコードの整理。自転車に乗って田園調布まで。「Precce」と「ナショナル田園」で今年最後の買いもの。正月用の食材がならぶ賑やかなスーパーマーケットをめぐる。帰宅後、アクアパッツァ風サバ缶を使った洋風チャーハンの昼食とともに、映画を見る。『恋の秋』(エリック・ロメール/監督、1998年)。記録を確認すると前回この映画を見たのは2013年9月に神保町シアターにて。映画のあとはレコードでクラシック音楽を聴きながら日暮れまで読書。夕食、鮪としらすと卵と小葱と刻み海苔をのせた海鮮丼、三つ葉と絹ごし豆腐としめじの味噌汁、五色漬け、ビール、加賀棒茶。
Friday, December 31
午前4時半起床。朝食、目玉焼き、グリーンリーフとトマトとベーコンのサラダ、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。年末年始の読書として多和田葉子の著書を本棚から抜きだす。数えてみたところ所有している単行本と文庫本は全部で14冊。最近目にふれる文章は仕事がらみの凡庸な通り一遍のものばかりなので、多和田葉子の本で言葉のストレッチを試みる。きのうは『溶ける街 透ける路』(日本経済新聞社)と『容疑者の夜行列車』(青土社)を読み、本日は『言葉と歩く日記』(岩波新書)と『アメリカ 非道の大陸』(青土社)。多和田葉子の小説でいちばん好きなのは『容疑者の夜行列車』。昼食、三つ葉と蒲鉾と生卵をのせた温かい蕎麦、五色漬け、加賀棒茶。おやつとして「ラ・メゾン白金」のショコラサンド。窓の外は軽く雪が舞っている。今年最後の読書として、川添愛『言語学バーリ・トゥード Round 1 AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか』(東京大学出版会)を再訪。
読んだ本や見た映画や聴いた音楽、あるいは買いものや外食の記録などをノートに手書きで記している。年末なので今年一年の模様を珈琲を飲みながら眺めていて、こうした記録はスマートフォンで何らかのアプリを使っておこなうのが現在は主流だと思うが、手書きであることに意味やら意義やらはあるだろうかと考える。手書きの効能として、書き文字を目にすると記憶の喚起力とでもいうべきものが湧いてくるのだと、もっともらしい話で落着させようと思ったが、先日見た『夏物語』は2011年に鑑賞済みであることを完全に忘却していたので、手書きで記録を残そうが忘れるものは忘れる。
夕食、ベーコンとレモンのパスタ、芽キャベツのオリーブオイル炒め、パテ、ベビーリーフと紫玉葱とミニトマトとシーチキンのサラダ、スパークリングワイン。