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Monday, October 18

初冬の寒。読書。横山和輝『日本金融百年史』(ちくま新書)を読む。森光子と原節子(と具体的に固有名詞を書いてしまうと「ネタバレ」なのだが)の生涯を折り挟みながら描かれるユニークな日本金融史であるが、金融の歴史に二人の女優を登場させる試みはさほど効果的ではなかったような、と思ってしまった読後感。

近頃本を買いすぎなので少しセーブしようと心に誓いながら会社帰り閉店間際の書店に立ち寄る。堀江敏幸『定形外郵便』(新潮社)とウー・ウェン『北京の台所、東京の台所 中国の母から学んだ知恵と暮らし』(ちくま文庫)を買う。夕食、ハンバーグ、ベビースナッチとミニトマトのサラダ、かぶのポタージュスープ、ライス、麦酒。

Tuesday, October 19

昨日に続いて冬が始まったような寒さ。読書。ウー・ウェン『北京の台所、東京の台所 中国の母から学んだ知恵と暮らし』(ちくま文庫)を読む。夕食、無印良品のバターチキンカレー、麦酒。夜、映画鑑賞。『007 オクトパシー』(ジョン・グレイン/監督、1983年)を見る。

村上春樹を特集した二号連続の『BRUTUS』(マガジンハウス)は軽く立ち読みするも結局買わずじまい。レコードコレクターとしての村上春樹以外に関心がなく、その興味を満たすには「音のいい部屋 A ROOM WITH SOUND」と題された『Casa BRUTUS』特別編集号(マガジンハウス、2017年刊)を読めば必要十分なので、購入する積極的な理由がない。いずれ合本のムックとして発売されるだろうが、気が向いたら買うかもしれない程度のスタンス。

Wednesday, October 20

読書。濱口桂一郎『ジョブ型雇用社会とは何か 正社員体制の矛盾と転機』(岩波新書)を読む。各論においては著者の主張に対して争点はありそうだが、日本の一般企業にて会社員として雇用されている人間、あるいは雇用する側の経営者は皆、目をとおすべき議論が満載の本。少なくとも日本経済新聞を読んでジョブ型雇用についてわかった気になっている人びとに対する警告の書ではある。夕食、親子丼(鶏肉、玉葱、厚揚げ、卵)、絹ごし豆腐とあおさのお吸い物、胡瓜の糠漬け、シャインマスカット、麦酒。

Thursday, October 21

読書。萩原淳『平沼騏一郎 検事総長、首相からA級戦犯へ』(中公新書)を読む。1987年生まれの研究者が平沼騏一郎に関心を抱いて調査対象にした事実がなにより興味ぶかいのだが、それはそうと跋文に目をとおして編集者って大事だなと思ったのは、草稿段階では前著『平沼騏一郎と近代日本』(京都大学学術出版会)とのちがいを出そうと平沼の司法官時代を重点的に論じたものだったのを編集者・白戸直人の指摘を受けてスタンダードな評伝になったとのくだりを読んで。平沼騏一郎の司法官時代がテーマとは新書としてマニアックすぎるので、正攻法の評伝として仕上げるのが正解ではある。

夕食、生卵と小葱をのせた日清食品のチキンラーメン、麦酒。夜、映画鑑賞。『007 美しき獲物たち』(ジョン・グレン/監督、1985年)を見る。相変らず007シリーズは敵が阿保すぎる。ジェームズ・ボンドを射殺できる局面でことごとく何もしない悪人たち。

Friday, October 22

終日雨。天気予報は「冬のような」と形容するばかりで秋は行方知れず。読書。アダム・ベッカー『実在とは何か 量子力学に残された究極の問い』(吉田三知世/訳、筑摩書房)と昨日届いた『週刊読書人』(読書人)を読む。夕食、ソーセージとピーマンと玉葱のパスタ、麦酒。

Saturday, October 23

「川端龍子vs.高橋龍太郎コレクション 会田誠・鴻池朋子・天明屋尚・山口晃」を見るために自転車に乗って大田区立龍子記念館を訪れる。先日京都のZENBI-鍵善良房-KAGIZEN ART MUSEUMを訪れた際にチラシが置いてあって知った展覧会。美術館自体も初訪問。高橋龍太郎のコレクションはある程度想定どおりだが、川端龍子の絵画が興味ぶかくて面白く見る。一旦自宅に戻って午餐。ベーコンとかぶの葉と小葱のパスタ、珈琲。午後、ふたたび自転車に乗って自由が丘へ。「白山眼鏡店」での眼鏡の受け取りに付き合う。近くの文字が見えるかを確認するために店員が抽斗から出してきたのが2001年刊行の『STUDIO VOICE』で、ちょうど開かれたページは酒井隆史の原稿だった。その活字を追っての眼鏡の調整。自由が丘で買いもの。そこそこ充実した「ブックオフ」の自由が丘店で12冊ほど古本を買う。「baguette rabbit」でバゲットとパンドミを買って、「MERCATO -CONTADINO-」で瀬戸田レモンを買う。近所の花屋でユリとツルウメモドキを買って、食材調達のためにスーパーマーケットに立ち寄る。夕食、ロールキャベツ、バゲット、フランスの赤ワイン。

Sunday, October 24

朝食を冷えたものから温かいものに切り替える。スキレットで目玉焼きとシャウエッセンと玉葱とキャベツとピーマンとミニトマト、バゲットとよつ葉バター、ヨーグルト、珈琲。掃除とアイロンがけ。外出、渋谷駅着。昼食として渋谷ヒカリエの「d47食堂」で富山定食を食べる。昼ごはんに「d47食堂」を訪れるのは去年の12月以来。渋谷マークシティの「QBハウス」で髪を切ってから、東急プラザ渋谷の「AKOMEYA TOKYO」で買いもの。マークシティに戻って「REGAL SHOES」で革靴を買って、「Soup Stock Tokyo」で冷凍スープを買って、渋谷スクランブルスクエアに移動。「東急ハンズ」で靴磨きセットを買って、最後は渋谷ヒカリエに舞い戻って「smith」で文房具を買って、「MARKS&WEB」でハンドクリームとハンドソープを買う。買いもの天国。自宅に戻ってから図書館で本の返却と貸出を済ませ、スーパーマーケットで食料品を調達する。夕食、白米、油揚げと小松菜の味噌汁、小葱をのせた豚肉とキムチの炒めもの、鮪のたたきとしらす、麦酒、加賀棒茶。

今週のSpotify。クラシック音楽を聴く比率が上昇中。
– Layers / Saycatm, 2021
– Schumann: Cello Concerto / Jacqueline du Pré, Radio-Symphonie-Orchester Berlin & Gerd Albrecht, 2013
– Early Recordings / Martha Argerich, 2016
– Friends That Break Your Heart / James Blake, 2021
– Schumann: Cello Concerto / Mstislav Rostropovich, 1977
– A Jacqueline du Pré Recital / Jacqueline du Pré, 2021
– Somewhere Different / Brandee Younger, 2021
– Brahms: Piano Concerto No.2 Op.83 / Krystian Zimerman, Leonard Bernstein, Vienna Phliharmonic, 1985
– Eli and the Thirteenth Confession / Laura Nyro, 1968
– True Love / Hovvdy, 2021
– Beethoven: Complete Piano Concertos No.5 / Krystian Zimerman, Leonard Bernstein, Vienna Phliharmonic, 1992
– to hell with it / PinkPatheress, 2021
– Miles Smiles / Miles Davis, 1967
– Giant Steps / John Coltrane, 1960