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Monday, October 11

東京五輪による悪しき作為の影響で今年の十月に祝日はなし。繁用のため有給休暇を取得する余裕もなし。読書。過日上野の「古書ほうろう」で購入した一冊、山本貴光『投壜通信』(本の雑誌社)を読む。日々膨大な量の本を購入している様子が窺えるが、収入と支出のバランスにおいて、書籍購入費をめぐりどう辻褄を合わせているのか気になる。夕食、白米、長葱とわかめの味噌汁、豚肉と舞茸の塩麹炒め、林檎とシャインマスカット、麦酒。

Tuesday, October 12

読書。過日谷中の「古書木兎」で購入した一冊、横光利一『上海』(講談社文芸文庫)を読む。横光利一の小説はその主題や状況設定はとても興味ぶかいと思うのだが、どうにも「惜しい」という読後感が漂う。夕食、オムライス、麦酒。映画きのうきょう。『007 ムーンレイカー』(ルイス・ギルバート/監督、1979年)を見る。

Wednesday, October 13

残業。読書。加藤久典『インドネシア 世界最大のイスラームの国』(ちくま新書)を読む。夕食、キャベツとベーコンのリゾット、麦酒。

Thursday, October 14

読書。竹下節子『疫病の精神史 ユダヤ・キリスト教の穢れと救い』(ちくま新書)を読む。

講談社学術文庫の刊行一覧を眺めていたら今更ながら大森荘蔵『新視覚新論』が文庫化されたことを知ったので、会社帰り書店に滑り込む。過去の日記を振り返ると2012年1月に「『言語・知覚・世界』や『物と心』や『新視覚新論』の文庫化を希望」と書き残しており、『物と心』と『新視覚新論』の文庫化は実現したのであとは『言語・知覚・世界』の文庫化を待ちたい。青土社から刊行された『時間と自我』『時間と存在』『時は流れず』といった晩年の仕事も文庫化されるべきではあるものの、これらの著作は単行本で所有済みというまったくもって勝手な理由により、文庫化の熱望は若干弱い。『新視覚新論』と一緒に呉茂一『世界の神話入門』(講談社学術文庫)と『FUDGE』11月号(三栄)を買う。

夕食、ちよだ鮨、麦酒。就寝時間まで映画鑑賞。『007 ユア・アイズ・オンリー』(ジョン・グレン/監督、1981年)を途中まで。

Friday, October 15

朝の出勤時刻までの寸暇、『週刊読書人』の最新号に目をとおす。毎日残業。社会面の報道を瞥見すると日本全国で殺傷事件が立てつづけに発生しており、これは新型コロナウイルスの流行が沈静化したことで世の中が平常運転になったとの解釈でよいだろうか。夕食、ソーセージとトマトとピーマンと玉葱のパスタ、麦酒。夜、『007 ユア・アイズ・オンリー』を最後まで。

Saturday, October 16

外出予定時刻の8時15分まで、珈琲を飲みながら『FUDGE』に目をとおす。曇天。9時40分木場駅着。木場公園を抜けて東京都現代美術館に赴く。美術館入口に到着すると横尾忠則の展覧会目当ての長蛇の列。しかしこちらは横尾忠則はスルーするつもりなので、人集りを横目に館内のカフェ「二階のサンドイッチ」でサンドイッチとアイスコーヒーを注文し腹拵えしてから、「MOTアニュアル2021 海、リビングルーム、頭蓋骨」と「MOTコレクション Journals 日々、記す 特別展示:マーク・マンダース 保管と展示」をゆっくり見学。帰りにミュージアムショップ「NADiff contemporary」で岡崎乾二郎『感覚のエデン 岡崎乾二郎批評選集 vol.1』(亜紀書房)と『なnD 8』(nu)と葛西薫デザインの来年のカレンダーを買う。今年7月に清澄白河にできた「tokyobike tokyo」に立ち寄って「はじめまして、トーキョーバイクです。」展を見てから、二軒の古本屋「smokebooks」と「しまぶっく」を覗く。東京都現代美術館を訪れるたびに冷やかす「しまぶっく」だが、あまり棚が動いていないように感じるのは気のせいか。道中の電車内での読書はモノクル誌の別冊『The ENTREPRENEURS』。歩数計を確認すると1万8000歩を超えて疲れてきたが、明日は雨模様との天気予報をうけて、帰宅後に近所のスーパーマーケットで食料品の調達を済ませる。夕食、牛肉のステーキ、アスパラガス、ミニトマト、馬鈴薯の白ワイン蒸し、蛸とホワイトセロリのサラダ、パンドミ、イタリアの赤ワイン。

Sunday, October 17

二度寝して午前6時起床。朝食、目玉焼き、ベーコンとベビースナッチとホワイトセロリとトマトのサラダ、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。掃除とアイロンがけ。朝から雨で、気温がどんどん下降し冷え込む。昼食、鶏肉と小葱をのせた温かいうどん、緑茶。ジャズのレコードを流しながら雨読。『なnD 8』(nu)と岡崎乾二郎『感覚のエデン 岡崎乾二郎批評選集 vol.1』(亜紀書房)を読む。後者は一気に読み終えてしまっては勿体ないのでじっくり読み進めて、途中まで。夕食、白米、絹ごし豆腐と小松菜の味噌汁、蓮根と人参のきんぴら、いなだの刺身、麦酒、加賀棒茶。夜、竹宮惠子『新版 エルメスの道』(中央公論新社)を読む。

今週のSpotify。
– Windflowers / Efterklang, 2021
– Mozart: Piano Sonatas Vol.5 / Jandó Jenő, 1992
– Blue Train / John Coltrane, 1968
– Mod Prog Sic / Black Dice, 2021
– Strauss: Vier letzte Lieder, TrV 296, Capriccio, Op.85, TrV 279 / Gundula Janowitz, Berliner Philharmoniker, Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks, Herbert von Karajan, Karl Böhm, 2021
– Impressions / John Coltrane, 1963
– Talk Memory / BADBADNOTGOOD, 2021
– Beethoven: Piano Concerto No.1, Op.15; 6 Piano Variations in F Major, Op.34 / Rudolf Buchbinder, Berliner Philharmoniker, Christian Thielemann, 2020
– Traneing In / John Coltrane with The Red Garland Trio, 1957
– Wayfinder / Boy Scouts, 2021
– Guiomar Novaes and George Szell in New York / Guiomar Novaes, New York Philharmonic Orchestra, George Szell, 1965
– The Last Trane / John Coltrane, 1965
– Colourgrade / Tirzah, 2021
– Elegie: Anita Rachvelishvili, Vincenzo Scalera, 2021
– Modern Fiction / Ducks Ltd., 2021