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Monday, September 27

山城むつみ『ドストエフスキー』を再読したくなり講談社文芸文庫を探すも品切れ。古書で探せばよい話ではあるものの文庫化されたのが6年前の話で絶版になるのが早すぎる。よいと思った書籍は買っておかないと新刊市場から姿を消す。夕食、アボカドとトマトを添えたスモークサーモン丼、絹ごし豆腐とわかめのお吸い物、胡瓜と大根の糠漬け、麦酒。

Tuesday, September 28

読書。日曜日から並行して読み進めてきた芝健介『ヒトラー 虚像の独裁者』(岩波新書)と池田嘉郎『ロシア革命 破局の8か月』(岩波新書)を読了。二冊の岩波新書。前者は新刊として購入、後者は谷中の「古書木兎」で購入したもので再読。夕食、ミートソースのパスタ、麦酒。夜、映画鑑賞。『007 死ぬのは奴らだ』(ガイ・ハミルトン/監督、1973年)を見る。『007』シリーズを順繰りに見ているが、どの作品も敵がアホすぎるのではないか。

Wednesday, September 29

読書。三中信宏『読む・打つ・書く 読書・書評・執筆をめぐる理系研究者の日々』(東京大学出版会)を読む。夕食、ちよだ鮨、インスタント味噌汁、麦酒。自民党総裁選の結果は岸田文雄に。

Thursday, September 30

今週もずっと残業。今年の四月以降、定時に仕事を終えた記憶なし。読書。書架より岩田靖夫『ヨーロッパ思想入門』(岩波ジュニア新書)を抜き取る。岩波書店による「ジュニア」の定義が明瞭でないのだが本書を難なく読みこなす小学生がいたら不気味である。夕食、ミラノ風ドリア、玉葱とベーコンのコンソメスープ、麦酒。岸田文雄は甘利明を自民党幹事長に起用する方向との報道。甘利明は国民の多くが疑問に思っている問題について誠実に回答すべきであろう。なぜあなたはサーファーのような日焼けをしているのかという疑問について。

Friday, October 1

台風16号接近中のなか平常通りの通勤。読書。辻邦生・水村美苗『手紙、栞を添えて』(朝日文庫)。単行本も所有しているが、通勤の道中に読むので文庫本を選択。長い付き合いになっている本というのがある。先週の日誌に記したように大学入試の現代文問題集で知った松浦寿輝『エッフェル塔試論』(ちくま学芸文庫)や、おなじ理由で巡りあった大森荘蔵『流れとよどみ 哲学断章』(産業図書)などは現在に至るまで長い付き合いの本となっている。辻邦生・水村美苗『手紙、栞を添えて』は大学入試の勉強よりもっと以前の遭遇で、「朝日新聞」紙上での連載をリアルタイムで読んでいた。当時は読書の習慣をもたず文学に対する関心も知識も皆無に等しい状況であったので、辻邦生と水村美苗の往復書簡をどれほど理解して読んでいたのか怪しいものだが、しかしながらなにかひっかかるものがあったようで、本書も長い付き合いの本になっている。

夕食、しらすと長葱と卵の炒飯、葱塩スープ、麦酒。

Saturday, October 2

最寄駅から始発の電車で出発し、朝食として東京駅構内の「駅弁屋 祭」で「芝寿し」の金沢笹寿しを買って、午前六時すぎの東海道新幹線に乗り込む。京都まで。「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2021」遊覧のため日帰り京都。好天。京都の街は去年の初秋より閑散としていた。以下、見た順。途中、ZENBI-鍵善良房-KAGIZEN ART MUSEUMで「山口晃 ちこちこ小間ごと」展を鑑賞。KYOTOGRAPHIEを一日で見てまわるのは体力的に厳しくなってきたので次回は泊まりで。

– 榮榮&映里「即非京都」(琵琶湖疏水記念館 屋外スペース)
– リシャール・コラス「波 記憶の中に」(二条城 東南隅櫓)
– 片桐功敦「Sacrifice」(二条城 二の丸御殿 台所)
– ダミアン・ジャレ&JR「防波堤」(二条城 二の丸御殿 台所)
– 小原一真「空白を埋める」(二条城 二の丸御殿 台所・御清所)
– 四代田辺竹雲斎「STAND」(二条城 二の丸御殿 御清所)
– リャン・インフェイ「傷痕の下」(Sfera)
– デイヴィッド・シュリグリー「型破りな泡」(ASPHODEL)
– トマ・デレーム「Légumineux 菜光 ヴェルサイユ宮殿庭園の古代種」(両足院・建仁寺山内)
– 八木夕菜「種覚ゆ」(両足院・建仁寺山内)
– agnès b「Les Drôlesses」(BAL LAB)
– ンガディ・スマート「多様な世界」(フライングタイガー コペンハーゲン 京都河原町ストアー)
– Manga meets CHANEL / Collaboration with 白井カイウ&出水ぽすか「MIROIRS」(誉田屋源兵衛 竹院の間、黒蔵)
– 「MEP Studio(ヨーロッパ写真美術館)による5人の女性アーティスト展 フランスにおける写真と映像の新たな見地」(HOSOO GALLERY)
– アーウィン・オラフ「アヌス ミラビリス 驚異の年」(京都文化博物館 別館)

最後に見たアーウィン・ オラフの作品がとてもよく、どこかの美術館で展覧会をやってほしい。

目的地までタクシーで移動するときKYOTOGRAPHIEのマップを運転手に見せながら行きたい場所を告げるのだが、なにかイベント的なものをやっているのかと毎度訊かれる。写真展をやっていると説明するものの大抵はきょとんとした反応で、KYOTOGRAPHIEを知っているタクシー運転手に巡り合ったことがない。

アニエス・ベーの展示を見るために初めて訪れた商業ビル「京都BAL」がなかなかよかった。並んでいる店舗自体は東京にもあるものばかりだと思うが売場の空間に余裕があって居心地がいい。帰りに京都駅の伊勢丹地下食料品売場で新幹線車中で食べるための「和久傳」のローストビーフちらし寿しを買う。東京に戻ると雷鳴轟く沛然たる豪雨。

Sunday, October 3

昨日の疲れでいつもより一時間半遅れての起床。午前六時。掃除と洗濯を済ませてから朝食。目玉焼き、サニーレタスとトマトとベーコンのサラダ、あんバタートースト、ヨーグルト、珈琲。近所のスーパーマーケットで食料品を調達。平日の弁当のための常備菜を準備してから午餐。白米、絹ごし豆腐としめじと小松菜の味噌汁、しらす、鮪の刺身とかいわれ、卵焼き、加賀棒茶。シュークリームと珈琲のおやつ。夕方、自転車に乗って図書館と近所の花屋。フジバカマ、ヒペリカム、リンドウ、トルコキキョウ、リューカデンドロンを買う。夕食、アスパラガスと浅利のパスタ、バゲットとレバーペースト、フランスの白ワイン。読書。昨日の新幹線乗車時間の半分以上は眠っていたので持参した吉田健一『英語と英国と英国人』(講談社文芸文庫)の読書は捗らず。本日夜に読了。

今週Spotifyで聴いたもの。先週からマイルス・デイヴィスをまとめて聴いている。
– Afro – Harping / Dorothy Ashby, 1968
– At Newport 1985 / Miles Davis, 1958
– My Funny Valentine / Miles Davis, 1965
– Máscaras / Mas Aya, 2021
– Miles In Berlin / Miles Davis, 1957
– Wilds / Andy Shauf, 2021
– Sorcerer / Miles Davis, 1967
– Sketches of Spain / Miles Davis, 1960
– A Beginner’s Mind / Sufjan Stevens & Angelo De Augustine, 2021
– Live at the Quick / Béla Fleck and the Flecktones, 2002
– The Convincer / Nick Lowe, 2001
– Cherry Drops I / Call Super, 2021
– E.S.P. / Miles Davis, 1965
– Someday My Prince Will Come / Miles Davis, 1961
– Shubert, Beethoven / Radu Lupu, 2001