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Monday, June 7

午前4時20分にアラームが鳴って起床。今週の天気予報を瞥見すると晴れマークがならんでいるので梅雨入りは来週以降か。Masayoshi Fujitaの「Bird Ambience」を聴きながら朝食の準備。目玉焼き、サニーレタスとトマトとベーコンのサラダ、パン・オ・ノアとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。パン・オ・ノアという名で販売されていた商品は詰まるところくるみパンで、週末にNEWoMan新宿の「沢村」で買った。「沢村」のパンはやや値が張るものの美味しい。読書。先日会社帰りに本屋で買ったミシェル・ド・セルトー『日常的実践のポイエティーク』(山田登世子/訳、ちくま学芸文庫)を途中まで。訳者の山田登世子も解説の今村仁司も疾うに他界している事実に時の流れを思う。昼食は持参したお弁当を職場にて。帰宅すると『UP』6月号(東京大学出版会)が届いている。山口晃の「すゞしろ日記」は東京オリンピックの仕事を受けるべきか逡巡する話の第二弾。夕食、筍の炊き込みご飯、大根と人参とほうれん草の豚汁、塩揉みきゅうり、サッポロ黒ラベル。

Tuesday, June 8

fox capture planの「NEBULA」を聴きながら朝食の支度。インストゥルメンタル。事前の知識なしに日本のグループっぽいなと思いながら聴いていたらやはり日本のピアノトリオだと後で知る。インストゥルメンタルの音楽から滲みでてしまう国籍性とは何か。朝食はいつもどおりで、目玉焼き、グリーンリーフとトマトとベーコンのサラダ、パン・オ・ノアとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。行きの通勤の道中は初夏のような陽気。昼食、職場にてお弁当。読書。『日常的実践のポイエティーク』を最後まで。もしかしたら20年前に読んだらより深く感じ入るところがあったかもしれない。むかしより知識はぐっと増えて思弁的な記述を理解できる知見はそれ相応に身につけたにもかかわらず、活字が血肉化されず上滑りしてゆく読後感を味わう。読書の深度は知識量の多寡と相関するわけではないことにあらためて気づく。夕食、ガパオライス、サッポロ黒ラベル。

Wednesday, June 9

easy lifeの「life’s a beach」を聴く。朝食、目玉焼き、グリーンリーフとトマトとベーコンのサラダ、パン・オ・ノアとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、お弁当。本日の読書は沢木耕太郎『オリンピア1996 冠〈廃墟の光〉』(新潮文庫)。近代オリンピックが破滅への道を歩んでいると繰り返し語られる本書を読みながら、商業化に舵を切って「成功」した1984年のロサンゼルスオリンピックが終わりの始まりだったとすれば、新型コロナウイルス感染症に打ち勝ったという体を擬装しておこなわれる2021年の東京オリンピックが「成功」として終結したら、終わりの終わりを迎えることになるのだろうかと想像する。ポストモダン的な言葉遊びが実践された世界は、薄寒い光景が拡がっている。夕食、紫玉葱と人参とブロッコリーを添えたヤマモリのグリーンカレー、サッポロ黒ラベル。久方ぶりに食べたグリーンカレーは辛い。仕事に疲れて夜に映画を見る余力がない。読書の時間を辛うじて確保する日々。

Thursday, June 10

Nubiyan Twistの「Freedom Fables」を聴きながら朝食の準備。かわり映えしないいつもとおなじ朝の献立。昼食もいつもどおり、職場にて持参したお弁当。読書。未読の古典をいまさらながら読んでおこうシリーズとして、少し前にブックオフでまとめて購入しておいた森鷗外の小説から『雁』(新潮文庫)を抜き取る。夕食、茄子とトマトとベーコンのパスタ、サッポロ黒ラベル。

Friday, June 11

忙しない労働環境のおかげであっという間に平日が終わる。Mustafa「When Smoke Rises」を聴く。朝食、目玉焼き、グリーンリーフとトマトとベーコンのサラダ、トーストとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。本日もよく晴れて、毎日夏日がつづく。昼食、お弁当。通勤電車の行き帰りに川口葉子『喫茶人かく語りき 言葉で旅する喫茶店』(実業之日本社)に目をとおす。感染症流行の影響を相当受けたと思われるカフェや喫茶店をめぐる本だが、言及は一切ない。おそらくは意図的。夕食、新玉葱の炊き込みごはん、鶏肉とキャベツとトマトといんげんのコンソメスープ、サッポロ黒ラベル。

Saturday, June 12

休日も平日とおなじように午前4時20分に起床。Lil Tjay「Destined 2 Win」を聴く。朝食、目玉焼き、グリーンリーフとトマトとベーコンのサラダ、トーストとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。ラジオに耳を傾けながら部屋の掃除とアイロンがけと靴磨き。外出。道中の読書は読みさしのプルースト『失われた時を求めて 12 消え去ったアルベルチーヌ』(吉川一義/訳、岩波文庫)を最後まで。東西線の木場駅下車。木場公園を抜けて東京都現代美術館で「ライゾマティクス_マルティプレックス」「マーク・マンダース マーク・マンダースの不在」「Tokyo Contemporary Art Award 2019-2021 受賞記念展」を鑑賞。五月初頭の連休を利用して訪れようと画策していたところ「緊急事態宣言」が発令されておじゃんになってしまっていた展覧会遊覧を無事果たす。マーク・マンダースの展示は見ておいてよかった。昼食は美術館内の「二階のサンドイッチ」にてサンドイッチとカフェラテをテラス席で。清澄白河駅までの道すがら古本屋「しまぶっく」に立ち寄るも冷やかしで店をあとにする。半蔵門線で渋谷駅まで。渋谷スクランブルスクエアの「メゾン・イチ」でパンを買って、「青山フラワーマーケット」で花瓶を買う。ここ最近は肉体の衰えが顕著で、午前中に美術館で展覧会を一本見て、どこかで昼ごはんを食べて、午後にもう一本展覧会を見て、周辺で買いものをして、夜は予約しておいた店で食事、なんていうむかし実行していたことは体力的に不可能になっている。帰宅後、近所のスーパーマーケットで食料品の調達。夕食、浅利と鶏肉とピーマンとトマトのパスタ、チリワインの白。本日はレコードストアデイ。収納の問題もあってレコードを買う意欲は最近減退気味なので、所有しているレコードに針を落とす夜。The Boswell Sisters「Okay, America!」を聴く。

Sunday, June 13

眠い。Dawn Richardの「Second Line」聴きながら朝食の支度。本日も蒸し暑い。目玉焼き、サニーレタスとグリーンリーフとトマトとベーコンのサラダ、トーストとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。掃除と洗濯を済ませてから、珈琲とレコード。珈琲豆は「猿田彦珈琲」のものを使う。猿田彦の名前を見るたびに思い出すのは、恵比寿店を開業するために金融公庫に相談に行ったら、連帯保証人やら担保やらものすごく厳しい条件を突きつけられたのだが、店が軌道に乗って数年後に焙煎機購入のためにふたたび金融公庫を訪れたら丁寧に出迎えられ即時に決済されたという話(『& Premium』2015年1月号)。わかりやすく態度を豹変させる金貸屋をめぐるエピソードとして味わい深い。読書。井川直子『シェフたちのコロナ禍 道なき道をゆく三十四人の記録』(文藝春秋)と善本喜一郎『東京タイムスリップ 1984⇔2021』(河出書房新社)を読む。昼食、焼豚とゆで卵と小葱をのせた醤油ラーメン。夕方、エチゴビールの「ALWAYS A WIT」とピーナッツをお供に映画鑑賞。『河』(ツァイ・ミンリャン/監督、1997年)を見る。首がずっと痛い奇病に罹るリー・カンションの演技が本当にずっと痛そうでよかった。夕食、白米、茄子とほうれん草の味噌汁、豚肉とキムチの炒めもの、しめじとかぶの葉のいしる煮、南瓜の白だし煮、枝豆、サッポロ黒ラベル。