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Monday, February 8

冬の寒さに戻る。朝の音楽、網守将平「Ex․LIFE」を聴く。朝食、目玉焼き、サニーレタスとトマトとベーコンのサラダとイタリアンドレッシング、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、にしきやのグリーンカレー。夕食、白米、かぶとほうれん草の味噌汁、しめ鯖とかいわれと生姜、冷奴と小葱、白菜の浅漬け、ビール。

読書。瀬川昌久と蓮實重彦の対談本『アメリカから遠く離れて』(河出書房新社)を読む。日暮れ時、郵便受けを覗くと『MONOCLE』がいつもより遅れて届いているのを確認。ドイツのハンブルクから発送されているようだが包装を見ると上からスイスポストのシールも貼ってあって、どのような経路で運ばれて日本に届いたのだろう。

Tuesday, February 9

真冬らしい冷え込み。朝の音楽、Goat Girl「On All Fours」を聴く。朝食、目玉焼き、サニーレタスとトマトとベーコンのサラダとイタリアンドレッシング、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、お弁当。夕食、焼豚と生卵と小葱とかいわれと海苔をのせた味噌ラーメン、ビール。

読書。芥川龍之介『奉公人の死』(新潮文庫)を読む。映画。『上を向いて歩こう』(舛田利雄/監督、1962年)を見る。

Wednesday, February 10

朝の音楽、Xavier Belin「Pitakpi」を聴く。朝食、目玉焼き、サニーレタスとトマトとベーコンのサラダとイタリアンドレッシング、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、お弁当。夕食、ほうれん草と白菜をいれた鶏雑炊、きゅうりの糠漬け、ビール。

読書。芥川龍之介『蜘蛛の糸・杜子春』(新潮文庫)を読む。

Thursday, February 11

祝日。朝の音楽、Mario Rom’s INTERZONE「Eternal Fiction」を聴く。朝食、目玉焼き、サニーレタスとトマトとベーコンのサラダとイタリアンドレッシング、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。朝の読書、中山智香子『経済学の堕落を撃つ 「自由」vs「正義」の経済思想史』(講談社現代新書)を読む。

昼食として「無印良品」のごろり牛肉のスパイシーカレーを食べてから、久方ぶりに電車に乗っての東京遊覧。千代田線の乃木坂駅で下車し、「国立新美術館」で「DOMANI・明日展 2021」を見る。新型コロナウイルスをめぐる狂騒など想像もつかなかった去年の「DOMANI・明日展」が、遠い昔のことのよう。感染症予防のための他人との距離を意識する必要のないほど空いていた展覧会場を後にし、千代田線で表参道駅まで移動ののち、徒歩で「青山ブックセンター」に向かう。ここ最近は本を買うモードなので単行本やら文庫本やら雑誌やらを10冊以上レジにもっていく。トートバッグが本でずっしり重くなりながら「渋谷PARCO」まで足をのばして、「giraffe」でネクタイを選ぶ。みずからが贈答品として貰うものの選択をみずからおこなう。渋谷の街は外国人観光客が誰もいないのでカメラやスマホで写真を撮っている人は皆無となったものの、スクランブル交差点を中心にそれなりの人数で賑わっている。去年の4月から5月にかけての蕭索たる渋谷の風景は、遠い昔のことのよう。

夕食、鶏肉と玉葱とほうれん草のミネストローネ、バゲット、ビール。夜、映画を見る。『東京オリンピック』(市川崑/監督、1965年)を鑑賞。市川崑の撮った東京オリンピックの記録映画について、河野一郎が試写の段階で手厳しく批判したことは知られているが、批判の内実を知ると、1984年ロサンゼルス五輪以降の商業主義化なんて話をするまでもなく、オリンピックの理念など笑止の沙汰であることがわかる。一層の事、ぼろ儲けできるのでオリンピックをやりましょうのほうが正直でよろしい。

しかし、河野の不満の根本は、実は日本選手の活躍が十分に描かれていないことにあったのではない。つまり、日本体育協会などの不満とはやや違うところに、河野の不満の核心があった。そのことは、3月23日、国会でこの記録映画問題が取り上げられた際の河野の答弁に明瞭に示されていた。その要点は、市川の映画を「どう見るかは、スポーツをどれほど愛するか、という度合いによって違うだろう」が、河野としては「あくまで、施設の記録などが足りない」ことが不満だったところにある。なぜなら、河野からすれば、東京オリンピックを映画化するのならば、当然ながら江の島のヨットハーバー、相模湖のカヌー競技場、戸田のボートコース、代々木の水泳プールやスタジアム、それに新たに建設された首都高速道や東海道新幹線が登場すべきであった。河野にとって東京オリンピックは、人間の生の実存が主題なのではもちろんないし、日本選手の活躍すら第一義的ではないかもしれない。そうではなく、文字通りの施設の建設、公共事業としての土木工事、新しい首都建設こそが東京オリンピックの核心であった。(吉見俊哉『五輪と戦後 上演としての東京オリンピック』河出書房新社)

Friday, February 12

朝の音楽、Mario Rom’s INTERZONE「Eternal Fiction」を聴く。朝食、目玉焼き、サニーレタスとトマトとベーコンのサラダとイタリアンドレッシング、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、鶏肉と小葱をのせた温かいうどん。

チック・コリア死去の報せ。

前々日あたりから歯に違和感をおぼえ、前日は歯が痛いレベルに達し、ついには本日食事をすると激痛が走る事態に陥る。Google Mapで近所の歯医者を検索すると都内には何故これほどの数の歯科医院が存在するのかと疑念が浮かぶほど数多あるなか、独断と偏見でよさげな歯医者にあたりをつけて予約の電話を入れる。駆け込んだ歯医者でレントゲンを撮って診察を受けたところ、痛みの原因は親知らずだろうとのことで、その場で抜歯をおこなう。はじめての抜歯。左下の奥歯を抜く。

夕食、白米、茄子と小葱の味噌汁、しらす、鯵のひらき、白菜の浅漬け、煎茶。右の歯のみを使って摂る晩ごはん。

読書。黒木登志夫『新型コロナの科学 パンデミック、そして共生の未来へ』(中公新書)を読む。半ば冗談でコロナ感染を自己診断するメニューとして、つぎのような献立が列挙されている。

・朝食:焦げたトースト
・昼食:カレーライス
・夕食:ニンニクと唐辛子の効いたペペロンチーノ。香りのよいワイン、ロックフォールブルーチーズ

コロナ感染を自己診断するメニューは、抜歯直後の食事としては推奨できないものであった。

Saturday, February 13

朝の音楽、Madlib「Sound Ancestors」を聴く。朝食、目玉焼き、サラダほうれん草とトマトとベーコンのサラダとイタリアンドレッシング、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

午前中、近所のドラッグストアとスーパーマーケットで買いもの。歯医者で診察。昼食、オムライス。午後、自転車に乗って外出。五反田の「QBハウス」まで髪を切りにいく。QBハウスで髪を切るのに五反田までわざわざ赴く必要もないのだが、大崎広小路にある「旬八青果店」を訪れるのが本当の目的。野菜とお茶を買って帰る。

自宅で読書。芥川龍之介の残した短編を読み返しながら、切支丹物のひとつ「神神の微笑」を引き合いに出して柄谷行人が論評していたものが確かあったなとふと思い出し、『日本精神分析』(文藝春秋)を図書館で借りて読む。

夕食、アスパラガスとトマトとフムスのパスタ、カレー風味の砂肝、スパークリングウォーター。

Sunday, February 14

朝の音楽、Miss Grit「Impostor」を聴く。朝食、目玉焼き、サラダほうれん草とトマトとベーコンのサラダとイタリアンドレッシング、パンドミとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

昨晩、福島と宮城で震度6強の地震が発生して東京地方もかなり揺れたようなのだが、熟睡していたのでまるで気づかず。防災に関する指針や助言等では想定外らしくまったく言及されないことだが、まずなにより「地震が起きたら目を覚ます」という命題を達成する必要がある。

自転車に乗って九品仏まで。「Comme’N」でパンを買って、「INFINI」でケーキとシュークリームを買う。昼食、鶏ハムとトマトと小葱のパスタ、珈琲。買ってきたケーキとシュークリームを早速頬張りながら、午後は読書。漫画を読む。木曜日に青山ブックセンターでまとめ買いした近藤聡乃『A子さんの恋人』(KADOKAWA)全7巻を、金土日の三日間をかけて読みとおす。

夕食、白米、大根と油揚げの味噌汁、豚肉と蓮根の人参の炒めもの、きゅうりの浅漬け、黒豆、揚げた芽キャベツと塩、煎茶。「Barakan Beat」(InterFM)を聴いていたら、チック・コリア「Return to Forever」のジャケットに写っている鳥は、カモメではなくカツオドリであると知る。