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Monday, December 21

朝の音楽、Taylor Swift「evermore」とCatherine Strutt「No Wind at the Window: Celtic and Gaelic Sacred Melodie」 を聴く。

朝食、目玉焼き、サニーレタスとトマトとベーコンのサラダとイタリアンドレッシング、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、お弁当。晩ごはん、生卵と小葱をのせた温かいうどん、ビール。

読書。阿久津隆『本の読める場所を求めて』(朝日出版社)を読む。初台にある本の読める店「fuzkue」ができるまでの顛末を綴った本だが、本題(じぶんの理想とする店舗をつくる)に入るまでの前振りでこれだけの分量を饒舌に書けるのは才能だと思った。おなじようなことを私が書いたら大幅に端折って要点だけをならべて3ページくらいで終わりそうである。ところで、生活圏が変わってからすっかり「fuzkue」を訪れる機会を失っていて、自宅が本を読む環境として見事に最適化されているのも理由として大きいけれど、そもそもの話としてラジオを流しっぱなしでもカフェで隣の二人組が喋っていても読書できる体質なので、本を読める場所を求めて彷徨う必要があまりないというのがある。

駅構内で入手可能なフリーペーパー二冊に目をとおす。東京メトロの『メトロミニッツ』1月号(スターツ出版)と東急電鉄の『SALUS』1月号(東急)。

Tuesday, December 22

朝の音楽、Till Bronner & Bob James「On Vacation」とRAYE「Euphoric Sad Songs」を聴く。

朝食、目玉焼き、サニーレタスとトマトとベーコンのサラダとイタリアンドレッシング、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、お弁当。晩ごはん、白米、辛子明太子、白菜と絹ごし豆腐の味噌汁、鯵のひらき、かいわれ、ビール。

会社帰りに「KALDI」で珈琲豆を買う。夜、読書。査瓊芳『武漢支援日記 コロナウイルスと闘った68日の記録』(宋春暁/訳、岩波書店)を読む。中国共産党執行部を何の疑いもなく礼賛するくだりはさすがにドン引きなので、そのあたりは差し引きながら目をとおす。つづけて井上弘貴『アメリカ保守主義の思想史』(青土社)。アメリカにおける保守思想について、みずからの不勉強とともに日本での紹介のされなさも相俟って、ページをめくるたびに全然知らない固有名詞が乱舞する。

Wednesday, December 23

朝の音楽、Zé Manoel「Do Meu Coração Nu」とJessy Lanza「24/7」を聴く。

朝食、目玉焼き、サニーレタスとトマトとベーコンのサラダとイタリアンドレッシング、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、お弁当。晩ごはん、白米、白菜と小松菜の味噌汁、豚肉とキムチの炒めもの、スナップエンドウ、ビール。

「コロナはただの風邪」と喧伝している国民主権党の男が日本医師会の敷地内に侵入して逮捕されたことをニュースで知る。現場となった「日本医師会館」は東京都文京区の本駒込にあるが、隣は「駒込警察署」なのですぐに捕まえてくれといっているようなものである。警察署の隣には「東洋文庫ミュージアム」があって、そのすぐ傍には「BOOKS青いカバ」がある。以上、そのむかし近隣に住んでいたので無駄に土地勘のある者による駒込情報をお届けする。

夜、読書。Spotifyでビリー・ホリデイの「Body & Soul」を流しながら、生野象子『ビリー・ホリデイとカフェ・ソサエティの人びと 「奇妙な果実」の時代をたずねて』(青土社)を読む。 ビリー・ホリデイの唄う「奇妙な果実」を作詞作曲したユダヤ人の教職者エイベル・ミーロポルは、ソビエトのスパイ容疑で死刑となったローゼンバーグ夫妻の遺児を養子として引き取った人物であることを知る。本書はその遺児にインタビューしている。

Thursday, December 24

朝の音楽、Fatima Yamaha「Spontaneous Order」を聴く。

朝食、目玉焼き、サニーレタスとトマトとベーコンのサラダとフレンチドレッシング、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、ゆで卵とほうれん草と鶏ハムをのせた味噌ラーメン。晩ごはん、鶏ハムとミニトマトのバジルソースパスタ、玉葱とほうれん草とトマトのコンソメスープ、バゲット、赤ワイン。

在宅勤務だったのでバッハのクリスマス・オラトリオを聴きながら仕事をする。午前はカール・リヒター指揮のもの。午後はラルフ・オットー指揮のもの。夜、読書。深田麻里亜『ラファエロ ルネサンスの天才芸術家』(中公新書)と徳永圭子『暗がりで本を読む』(本の雑誌社)を読む。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために他人との食事を控えるようにとの提言が盛んになされているが、世の中の人びとがこれほどまでに他人と食事をしたい欲望に満ち満ちていることに驚き、それを我慢できない人びとが結構な数存在することにまた驚く。集まらずにはいられないらしい。他人と食事をしないことが新しい生活様式のひとつだとするならば、私個人は新しくもなく従来と変わらない平常運転である。

Friday, December 25

朝の音楽、Simone Kopmajer「Christmas」を聴く。

朝食、目玉焼き、サニーレタスとトマトとベーコンのサラダとフレンチドレッシング、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、無印良品のスパイシーチキンカレー。

英国と欧州連合が自由貿易協定の締結で合意との報せ。

本日は有給休暇を取得。自転車に乗って渋谷に向かい、「渋谷ヒカリエ」の駐輪場に自転車を止める。ヒカリエに駐輪場があることを自転車に乗るようになって初めて知ったが、その場所は急勾配の坂の上という若干嫌がらせのようなところにある。「MARKS&WEB」でハンドクリームを買ってから地下の「東横のれん街」を覗くと、今年のクリスマスはたいして盛り上がっていないだろうとの予測に逆らって、売場に熱気が満ちている。クリスマスケーキの特設売場の準備もしていて、有給を取らずに普通に会社帰りに立ち寄ったら何も買えなかったんじゃないかと思うくらいの様相だった。「RF1」で青森県産あまに鶏のもも肉ローストを買ってから、自転車に乗って来た道を戻る。途中、牛乳食パン専門店「みるく」の渋谷店で食パンを買って、広尾の「BELTZ」でバスクチーズケーキを買う。

夜、radikoで「村上RADIO」(TOKYO FM)を聴きながら晩ごはん。鶏のもも肉ロースト、サニーレタスと紫玉ねぎのサラダ、バゲット、バスクチーズケーキ、赤ワイン。

Saturday, December 26

朝の音楽、Ben Wendel「High Heart」を聴く。

朝食、目玉焼き、サニーレタスとトマトとベーコンのサラダとフレンチドレッシング、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。

東西線を利用して木場駅で下車。快晴の青空の広がる「木場公園」を抜けて「東京都現代美術館」に向かう。殺気すら感じる圧倒的な熱量の「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」と今風のやさしい雰囲気につつまれた「MOTアニュアル2020 透明な力たち」を見る。鑑賞を終えて清澄白河駅に向かう途中、「しまぶっく」に立ち寄って横光利一『旅愁』(講談社文芸文庫)の上下巻を購入。都営大江戸線で森下駅まで行って都営新宿線に乗り換えて新宿三丁目駅まで。「伊勢丹新宿本店」の地下食料品売場にて「mango tree」のガパオライスをテイクアウトし、新宿御苑で食べようと赴くも臨時休園で入れず。公園はやっているだろう思ったらやっていなかった。目的地の状況を事前に調べなければならなくなったのはコロナの弊害である。やむなく公園傍の散歩道のベンチで食べる。過去のニュースを確認してみたところ、西村康稔経済再生担当相が22日の記者会見で新宿御苑など国営施設の休館・休園を関係省庁に要請したとあり、「公園は屋外で(感染)リスクは低いが、人の移動・接触の低減を図る」とのこと。新宿駅周辺にはたくさん人がいるのではたして意味があるのだろうかとは思うが。「紀伊國屋書店」で正月休みに読むための文庫本を脈略なく数冊購入。ベンヤミン『パサージュ論 1』(岩波文庫)、プルースト『失われた時を求めて 8』(岩波文庫)、吉田健一『おたのしみ弁当 吉田健一未収録エッセイ』(講談社文芸文庫)、青木淳・選『建築文学傑作選』(講談社文芸文庫)、磯崎新『空間へ』(河出文庫)を買う。そのあと「NEWoMan」に立ち寄るも購入検討していたものが売ってなかったので何も買わずに帰宅。

夜、radikoで「沢木耕太郎 MIDNIGHT EXPRESS 天涯へ」(J-WAVE)を聴きながら晩ごはん。豚肉の蒸し餃子、卵とわかめの中華風スープ、ビール。夏にYahoo!ニュースに掲載された沢木耕太郎のインタビューは、今年でた新刊『旅のつばくろ』(新潮社)の販促のために引き受けたインタビューで、本来であれば著書の話がメインであるはずが合間の雑談が記事になっていたと言っていて、そんなものなのかと思った。

Sunday, December 27

朝の音楽、James Blake「Covers」を聴く。

朝食、目玉焼き、サニーレタスとトマトとベーコンのサラダとフレンチドレッシング、トーストとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼食、生卵と小葱と焼豚をのせた醤油ラーメン。晩ごはん、牛肉と玉葱の丼、絹ごし豆腐とかいわれのお吸いもの、きゅうりの糠漬け、ビール。

鎌倉の「カフェ・ロンディーノ」が11月末に閉店したことを知った。午前中に今年最後の図書館来訪を終えてから、スーパーで買いものを済ませ、近所の花屋で花を買う。夕方、映画鑑賞。『顔たち、ところどころ』(アニエス・ヴァルダ、JR/監督、2017年)を見る。そのほかは読書に時間を費やし、読みさしとなっていた本をいくつか読み終える。中沢新一『チベットのモーツァルト』(講談社学術文庫)。意味もなく再読。講談社学術文庫に入ったのはつい最近のことだと思っていたら17年前だった。長谷川香『近代天皇制と東京 儀礼空間からみた都市・建築史』(東京大学出版会)。「明治2年の東京奠都以降の、国家と天皇に関わる儀礼空間を、式場の建築、敷地全体、行幸啓経路を一体としてとらえ、その全体像を明らかにする。伝統の継承と模倣、創造という観点から、近代天皇制が東京の都市空間の形成に与えた影響を考察する」という内容紹介の惹句にひかれて読んだ。室橋裕和『ルポ新大久保 移民最前線都市を歩く』(辰巳出版)。予想した『ルポ川崎』みたいな陰湿な話ではなかった。むしろポジティブ。市川紗椰『鉄道について話した。』(集英社)。本気の鉄ヲタによる電車語り。ライトエッセイとしても読めなくもないが、どうしたって滲み出てしまう鉄分。松永良平『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』(晶文社)。相当にニッチな話ではあるがこれもまたひとつの平成史。