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Monday, August 17

朝の音楽、Jess Williamson「Sorceress」を聴く。

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、サラダほうれん草とイタリアンドレッシング、トマト、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、素麺、煎茶。市販の素麺つゆのラベルを見るとできるかぎり一回で使い切ってくださいと書いてあるのだが、それはふつう無理では。晩ごはん、白米、わかめスープ、麻婆茄子、麦酒。

内閣府発表の4~6月期GDP速報値は、年率換算で27.8%減。

夜、読書。川端康雄『ジョージ・オーウェル 「人間らしさ」への讃歌』(岩波新書)を読む。

Tuesday, August 18

朝の音楽、Adrian Younge & Ali Shaheed Muhammad「Jazz Is Dead 1」「Jazz Is Dead 2」を聴く。

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、サラダほうれん草とイタリアンドレッシング、トマト、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、豚肉ときゅうりとトマトをのせた素麺、煎茶。晩ごはん、白米、茄子の味噌汁、豚肉とピーマンの酒蒸し、冷奴とかいわれ、麦酒。

残業。読書。岩村充『国家・企業・通貨 グローバリズムの不都合な未来』(新潮社)を読む。やや総花的な内容なので、『金融政策に未来はあるか』(岩波新書)のほうがスリリングな読書であったかもとの感想を抱くが、それはそうとプライバシー侵害をめぐる議論のなかで先週末に読んだ三島由紀夫『宴のあと』(新潮文庫)の話がでてきて、個人的にとてもタイムリー。

選挙という宴が敗北で終わったあと、同道者だった福沢と別れ打ちのめされながらもダンディに去る野口が国家、たちまち心を立て直して次の道を探り始める福沢が企業、そして舞台回しの道化のような役割を演じ続ける山崎が通貨を象徴しているようにも思えてくる。

Wednesday, August 19

朝の音楽、HAIM「Women in Music Pt. III」を聴く。

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、サラダほうれん草とイタリアンドレッシング、トマト、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、素麺、煎茶。晩ごはん、豚挽肉とかいわれと小葱の蒸し餃子、わかめと卵の中華風スープ、麦酒。

読書。ユーディット・シャランスキー『失われたいくつかの物の目録』(細井直子/訳、河出書房新社)を読む。ザ・衒学的書物といった風情。

Thursday, August 20

朝の音楽、Maceo Parker「Soul Food: Cooking With Maceo」を聴く。

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、サラダほうれん草とイタリアンドレッシング、トマト、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、素麺、煎茶。晩ごはん、豚肉とトマトとほうれん草のコンソメスープ、麦酒。

読書。中谷功治『ビザンツ帝国 千年の興亡と皇帝たち』(中公新書)を読む。

けれども、最近は「マケドニア・ルネサンス」といった派手な表現にはより慎重な動きも出てきている。というのも、この他にも古代末期の「テオドシウス朝ルネサンス」や「ユスティニアヌス・ルネサンス」、12世紀の「コムネノス朝ルネサンス」、さらには末期の「パライオロゴス朝ルネサンス」など、ルネサンスの名前がいくつも並列していて、要するに暗黒時代の7・8世紀を除くとビザンツ帝国はいつもルネサンスと、まるでお笑い芸人の発言に近い状態にあるから。
「再生」を意味するルネサンス、その言葉のプラス・イメージにあやかるためなのか、西欧でも「カロリング・ルネサンス」や「12世紀ルネサンス」など、使いたい放題の状態である。
歴史学では、同様のポジティブな用語やキーワードの一人歩き現象が他にも見られるように思う。たとえば、本書でも用いた「社会的流動」もそうだろう。研究者は自分の研究している時代が活気のない閉塞的な社会であった、などとは認めたくない。それだけに、よいイメージを与えるキーワードや言説にあらがいにくい。数値データがないのをよいことにポジティブ・ワードの大安売りとなる。
ということで、ここでは中期ビザンツの文芸復興に「ルネサンス」という冠をつけることには慎重でありたい。思えば伝統を重視し、革新よりも保守的な姿勢を見失うことがないこと、それこそがビザンツの真骨頂であったのだから。もちろん、末期帝国の文化活動がイタリア・ルネサンスに多大な影響をおよぼしたことは、教科書の記述にあるとおりである。

夜、映画鑑賞。『飢える魂』(川島雄三/監督、1956年)を見る。

Friday, August 21

朝の音楽、TootArd「Migrant Birds」を聴く。

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、サラダほうれん草とイタリアンドレッシング、トマト、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、素麺、冷奴、ほうじ茶。晩ごはん、豚肉と玉葱とキムチの炒めもの、枝豆、麦酒。

山崎正和死去の報せ。たいていのひとが現代文の問題でのみその文章に接した記憶のあることでお馴染みの山崎正和。

読書。沢木耕太郎『危機の宰相』(文春文庫)を読む。映画。『愛のお荷物』(川島雄三/監督、1955年)を見る。『MONOCLE』9月号が届く。

Saturday, August 22

朝の音楽、Washed Out「Purple Noon」を聴く。

朝ごはん、オムレツ、ほうれん草のソテー、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、鶏ハムとグリーンリーフとチーズのサンドイッチ、珈琲。晩ごはん、白米、茄子と小松菜の味噌汁、鶏肉とキムチの炒めもの、きゅうりと味噌、麦酒。

そして酷暑はつづく。『メトロミニッツ』(スターツ出版)や『SALUS』(東急)や『intoxicate』(タワーレコード)といった各種フリーペーパーに目をとおしたあと、近所のスーパーに向い食料品の調達をおこなう。自宅に戻って映画鑑賞。『シチリア!』(ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ/監督、1999年)を見る。ストローブ=ユイレの映画を見るたび、演じている役者たちは台詞を口にしながら内心どう思っているのだろうと気になる。

夕方、グスタフ・レオンハルトの弾くバッハのチェンバロ楽曲を聴きながら、プルースト『失われた時を求めて』(吉川一義/訳、岩波文庫)の第2巻を読む。

Sunday, August 23

ひさしぶりの強い日差しのさし込まない朝。曇天の午前5時。Brad Mehldau「Suite: April 2020」とKllo「Maybe We Could」を聴きながら、常備菜づくり。

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、サラダほうれん草とイタリアンドレッシング、トマト、ミルクブレッドとクリームチーズ、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、鶏ハムときゅうりとミニトマトと卵焼きをのせた冷やし中華、煎茶。おやつ、ロールケーキ。晩ごはん、たらこときざみ海苔のパスタ、バゲット、白ワイン。

時折土砂降りの雨が降る不安定な天候のなか、自宅にこもって音楽を聴きながら本を読む。小山実稚恵「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番&第29番」とMartin Stadtfeld「My Beethoven」を流しながら、いまさらながら村上春樹の『1Q84』(新潮文庫)を読む。村上春樹の長編小説を手にとるのは2004年の刊行当時に読んだ『アフターダーク』(講談社)以来なので、およそ16年ぶり。