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Monday, August 10

朝の音楽、Alina Baraz「It Was Divine」を聴く。

朝食、目玉焼き、ベーコン、ベビーリーフとイタリアンドレッシング、きゅうりとトマト、あんバタートースト、ヨーグルト、珈琲。昼食、豚肉ときゅうりとミニトマトとキムチをのせた素麺、煎茶。おやつ、ビスキュイテリエ・ブルトンヌのサブレ・シトロン、珈琲。晩ごはん、トマトとキャベツと鶏肉と紫玉葱のカレー、ビール。

暑い一日。開店時間と同時に近所のスーパーに入店し、今週の朝昼晩の飢えを凌ぐための食材を調達する。自宅に戻って冷房の効いた部屋でずっと読書。ポール・オースター『サンセット・パーク』(柴田元幸/訳、新潮社)、スティーヴン・ミルハウザー『ホーム・ラン』(柴田元幸/訳、白水社)、ビル・ニーヴン『ヒトラーと映画 総統の秘められた情熱』(若林美佐知/訳、白水社)を読む。日暮れどき、夕涼みがてらベランダに椅子を出して本を読みはじめるも暑すぎて夕涼みにならず。

Tuesday, August 11

朝の音楽、Chicano Batman「Invisible People」を聴く。

朝食、目玉焼き、ベーコン、サニーレタスとイタリアンドレッシング、トマト、あんバタートースト、ヨーグルト、珈琲。昼食、鶏ハムとサニーレタスとチーズのサンドイッチ、珈琲。晩ごはん、白米、小松菜と長葱の味噌汁、鯵のひらき、冷奴、ビール。

夏季休暇。午前4時半には目ざめる早起きをして、一日の予定を組み立てる。部屋の掃除を軽く済ませてから朝食をとり、午前中は珈琲を飲みながら本を読む。プルースト『失われた時を求めて』(吉川一義/訳、岩波文庫)の第1巻。昼食を食べてから映画を二本。『セブンス・コンチネント』(ミヒャエル・ハネケ/監督、1989年)と『パンと植木鉢』(モフセン・マフマルバフ/監督、1996年)を見る。夕方、近所のコンビニへ。日暮れ間近でも気温は下がらずうだるような暑さ。しかし他者と充分な距離をとれる外でも、みんなマスクをしているのは意味がわからない。将来コロナウイルスがある程度沈静化しても儀礼的にマスクをする風習だけが残存しそう。夕食後、ローソンで買った『FUDGE』9月号(三栄)を読む。『FUDGE』に登場するスタイリングでは眼鏡を多用していることに今更気づく。

香港の民主派活動家たちが逮捕され、翌日釈放される。民主化運動を主導する人物を大手メディアが象徴的な存在として祭りあげる功罪は慎重に考慮されてしかるべきだと思うが、その雰囲気は薄弱である。

Wednesday, August 12

朝の音楽、Arca「KiCk i」を聴く。

朝食、目玉焼き、ベーコン、サラダほうれん草とイタリアンドレッシング、トマト、あんバタートースト、ヨーグルト、珈琲。昼食、ゆで卵と鶏ハムとトマトと茗荷と小松菜のおひたしをのせた冷やし中華、煎茶。晩ごはん、白米、茄子と小松菜の味噌汁、しらす、冷奴、鶏肉の酒蒸し、ビール。

グレン・グールドによるハイドン、ブラームス、ベートーヴェンの演奏を聴きながら、ヘーゲル『精神現象学』(熊野純彦/訳、ちくま学芸文庫)の上巻を読む。去年の6月に図書館で借りて読んだときの日誌を確認すると「とても咀嚼できないので、今後なんども繰り返し読むか、もう諦めるかの選択を迫られる」とあるのだが、近いうちに再読したい気分がずっと残っていたので結局購入に至る。「今後なんども繰り返し読む」を選択した。ところで『精神現象学』のなかでヘーゲルが骨相学について延々書いているのが印象的で、そこまで微細に分析して書くような内容だろうかと思うのだが、当時の骨相学の影響力がそれなりのものだったとの理解で済ませればよいのだろうか。夕方、ゲリラ豪雨。

映画を二本。『インディア・ソング』(マルグリット・デュラス/監督、1975年)と『幕末太陽傳』(川島雄三/監督、1957年)を見る。

昨年の今頃、京都を旅していたのが遠いむかしのようである。

Thursday, August 13

朝の音楽、Francesca Michielin「FEAT (Stato di Natura)」を聴く。

朝食、目玉焼き、ベーコン、サラダほうれん草とイタリアンドレッシング、あんバタートースト、ヨーグルト、珈琲。昼食、白米、長葱とわかめと茗荷の味噌汁、しらす、鯵のひらき、冷奴、ブロッコリー、煎茶。晩ごはん、牛豚合い挽き肉と長葱とキャベツの蒸し餃子、卵とわかめのスープ、ビール。

グレン・グールドによるモーツァルト、シューマンの演奏を聴きながら、午前の読書。ヴァージニア・ウルフ『フラッシュ 或る伝記』(白水Uブックス)とマーク・ストランド『犬の人生』(村上春樹/訳、中公文庫)を読む。犬の話数珠繋ぎ。午後は沼野充義『徹夜の塊3 世界文学論』(作品社)を読む。ぶ厚い本なので最後まで到達できず、途中まで。冒頭に「この本は目次に従って順序立てて読む必要はないし、そもそも最初の頁から最後の頁まで通読する奇特な読者がいるとは期待していない」とあるのだが、素直に順繰りに読む「奇特な読者」と化している。夕方、本日もゲリラ豪雨。

映画を一本。『銀座二十四帖』(川島雄三/監督、1955年)を見る。

Friday, August 14

朝の音楽、Tessa Violet「Bad Ideas」を聴く。

朝食、目玉焼き、ベーコン、サラダほうれん草とイタリアンドレッシング、トマト、あんバタートースト、ヨーグルト、珈琲。昼食、鶏ハムとベビーリーフとパプリカチリソース味の鯖缶とチーズのサンドイッチ、ショートケーキとシュークリーム、珈琲。晩ごはん、ソーセージ、紫玉葱と黄パプリカのピクルス、サラダほうれん草とベビーリーフのサラダとイタリアンドレッシング、フォカッチャとオリーブオイル、赤ワイン。しばらく前に買ったジョージアの赤ワインをあける。ワインの瓶に貼られたシールにも原産国名はグルジアではなくジョージアと印刷されている。ジョージアの人たちがグルジアと呼ぶのはやめてくれと主張しているようなので当然尊重すべき話で、単純に慣れの問題といってしまえばそれまでだが、いまだにジョージアよりグルジアのほうが語彙の響きとしてしっくりくる。

大半の人にとって田園調布駅周辺の店舗事情など知ったことではないと思うし、こちらもまた積極的な関心をもっているわけではないのだが、田園調布駅界隈の飲食系店舗はあまり長続きしないという事実は、街に詳しい人にはそこそこ知られている。駅前にあるワインショップのエノテカが今月末をもって閉店してしまうことを知るが、オープンしたのは去年の10月である。コロナの影響もあるのかもしれないが見切りをつけるのが早い。そんな田園調布で買いものを済ませる。スターバックスで珈琲豆を買って、くまざわ書店で『CLUÉL』8・9月合併号(THE BOOKS Publishing)と『ラジオ英会話』9月号(NHK出版)を買って、マツモトキヨシで日用品を買って、プレッセで食材を買って、レピドールでショートケーキとシュークリームを買って、Metzgerei SASAKIでソーセージを買う。もともとは新宿なり渋谷なりの大型書店に向かうつもりであったのだが、暑くて都心まで足をのばす気になれず、プルースト『失われた時を求めて』(吉川一義/訳、岩波文庫)の第2巻をアマゾンで注文する。帰宅後、読書。沼野充義『徹夜の塊3 世界文学論』(作品社)のつづき。

Saturday, August 15

朝の音楽、Gordi「Our Two Skins」を聴く。

朝食、目玉焼き、ベーコン、サラダほうれん草とイタリアンドレッシング、トマト、あんバタートースト、ヨーグルト、珈琲。昼食、鶏ハムとキムチときゅうりとトマトをのせた素麺、煎茶。おやつ、湖池屋じゃがいも心地、エチゴビール。晩ごはん、紫玉葱とほうれん草とアクアパッツァ風鯖缶の洋風チャーハン、カマンベールチーズ、白ワイン。

こんなに暑いのにわざわざ靖国神社に行くのがすごい(論点をずらす)。

災害級の暑さらしいので終日自宅にて。炊事、洗濯、掃除。Fm yokohamaの畠山美由紀の番組「Travelin’ Light」にゲスト出演していたjizueの楽曲がよかったので、Spotifyでまとめて聴く。聴きながらの読書。ハンナ・アレント『暗い時代の人々』(阿部齊/訳、ちくま学芸文庫)を読む。

夜、食事をとりながらTOKYO FMの「村上RADIO」を聴く。

Sunday, August 16

朝食、目玉焼き、ベーコン、サラダほうれん草とイタリアンドレッシング、トマト、あんバタートースト、ヨーグルト、珈琲。雪印のクリームチーズが店頭から姿を消してひさしいのだが、先日スーパーで見つけたよつ葉乳業のクリームチーズを代打として購入してみる。ところで、よつ葉バターのパッケージデザインは素晴らしいのにチーズはいまいちなのはなぜ。昼食、豚肉ときゅうりとトマトと茗荷をのせた素麺、煎茶。晩ごはん、あさりと蛸とほうれん草の白ワイン蒸しパスタ、白ワイン。

地獄のような暑さがつづく。図書館に出向いてからスーパーとドラッグストアで買いもの。自宅で読書。三島由紀夫が日記形式で発表した文書をまとめた『戦後日記』(中公文庫)を読んで、『鏡子の家』と『宴のあと』に目をとおしたくなるも外は暑すぎて都心の書店に出かけてさがす気力は湧かないので、ブックオフオンラインを利用。『鏡子の家』は在庫なし。『宴のあと』を取り寄せる。ところで、『宴のあと』発表後のプライバシー侵害をめぐる裁判で吉田健一と決裂したとWikipediaに書いてあるが、裁判沙汰の10年程前の日記の様子では仲は悪くなさそうではある。

六時から吉田健一邸で鉢の木会。吉田夫人が、今になって昔話を打明けたが、私がはじめて吉田邸を訪問したとき、ボストン・バッグを下げて入って来たのを見て、当時小学校二年生のお嬢さんが、
「お母様。とても若い闇屋さんが来たわ」
と言った由。