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Tuesday, April 14

2月の終わり頃から、良い睡眠が取れていない。眠りは浅く、夜中に必ず二度か三度は目が覚め、ずっと夢を見続けている。

今朝は4時頃に目が覚め、それからは眠れなかった。日の出とともに起きて、陽の光でオレンジ色に染まる東の空と雲を眺める。自分の誕生日の時期の、美しい明け方の時間を本当に愛している。

2020年の4月。日々不安で押しつぶされそう、だけどどうにか冷静さを保っている。ただでさえ、平時の時でさえ、何かと恐怖に震えているわたし。ひたすら冷静に、冷静に、と努めるしかない。こういうときだからこそ気持ちを奮い立たせるために楽しいことを考えるのもいいけど、あまりそういう方向にも向かない。

気持ちを鎮めるために、このところ読んでいたのはサン=テグジュペリの『南方郵便機』(みすず書房)。この小説に出てくる一文が狂おしいほどに好きだ。

風が吹き、陽が照り、驟雨があって一日が暮れても、ばらの花がいくつか散るだけだ。

(p.24)

覚えてしまったこの一文を、口の中でゆっくり何度も唱える。水滴をつけ、地面に散った真紅の花弁が、永遠にそこにある。

Saturday, April 18

朝から冷たい雨が降る。きょうはザ・シネマメンバーズのラインナップの中から『バルタザールどこへ行く』(ロベール・ブレッソン監督、1964年)、『少女ムシェット』(ロベール・ブレッソン監督、1967年)を観る。きょうの暗い空にぴったりな映画を観て、大満足しながらどんよりしていたら、雨があがり、陽が射してきたのでスーパーと薬局に買い物に行った。