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Monday, October 7

週末日本列島に接近しそうな台風19号の行方が気になる。

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、サニーレタス、バゲット、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、お弁当。晩ごはん、崎陽軒の焼売、ほうれん草のスープ、もやしとわかめの酢のもの、絹豆腐とキムチ、温泉卵、麦酒。

翁邦雄『移民とAIは日本を変えるか』(慶應義塾大学出版会)を読んでいたら、東京大学出版会のPR誌『UP』からの引用があって、翁邦雄が『UP』に目をとおしていること自体は意外でもなんでもないが、その参照先は予期しないものであった。

ただ、いくらディーブランニングを積み重ねても解決困難な問題は存在し得る。そもそも人間の日常のコミュニケーションにおいては、言葉の意味と意図をわざとずらす場合すらしばしばあるからだ。言語学者の川添愛は、AIと人間のコミュニケーション上の課題として以下の「熱湯風呂」の例を示している。
ウィキペディアを覗いてみると熱湯風呂というのは、もともと日本テレビの番組「スーパージョッキー」の名物企画「熱湯コマーシャル」が原点であり、コマーシャルをしたい人達が集まり、「熱湯ルーレット」と呼ばれるルーレットで熱湯に入る人を決め、熱湯に入れた数秒内(最大30秒)で宣伝をする企画だった、という。
川添の指摘は、お笑いトリオ・ダチョウ倶楽部のメンバーである上島竜兵の熱湯風呂のギャグにかかわる。「押すなよ」は上島が熱湯風呂に入る時の決まり文句で、「絶対に押すなよ」は準備完了(押してくれ)の合図である、とされる。このギャグはその後、よく知られたものになり、ダチョウ倶楽部に関するウィキペディアの解説では「現在では熱湯以外のシチュエーションにおいても、『〜するな』という文句が暗に『〜しろ』と示しているものとし、お笑いにおける暗黙の了解の一つとして用いられている」となっているという。
いま、AIが「絶対に押すなよ」と叫んだとき、AIと一体化した稼働ロボットは、あなたを熱湯風呂に突き落とすだろうか。

夜、ホロヴィッツがカーネギーホールで弾いたライブ盤を聴く。1965年5月9日の演奏。

Tuesday, October 8

iPhoneでiDやらPayPayやらを使えるように設定してみたのだが、電子マネーを利用できる店に足を踏み入れる機会がなくてまだ一度も使っていない。コンビニでちょっと何かを買うという習慣がないのが大きい。いまのところ使用履歴があるのはモバイルSuicaだけ。

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、サニーレタス、ミニトマト、くるみパン、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、お弁当。晩ごはん、白米、ほうれん草と豆腐の味噌汁、豚肉ともやしの豆板醤炒め、温泉卵、麦酒。

夜、ホロヴィッツがカーネギーホールで弾いたライブ盤を聴く。1965年4月7日の演奏。

Wednesday, October 9

布留川正博『奴隷船の世界史』(岩波新書)を読む。

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、サニーレタス、ミニトマト、きゅうり、トースト、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、会社近所の寿司屋で。晩ごはん、万能ねぎと生卵と焼豚をのせた豚骨ラーメン、麦酒。

夜、ホロヴィッツがカーネギーホールで弾いたライブ盤を聴く。1965年4月14日の演奏。

Thursday, October 10

トルコがシリア北東部クルド人支配地域に侵攻。

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、サニーレタス、ミニトマト、きゅうり、くるみパン、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、お弁当。晩ごはん、たまごチャーハン、わかめスープ、キムチ、麦酒。

大竹文雄『行動経済学の使い方』(岩波新書)を読む。

2019年10月から消費税が10%に引き上げられるタイミングで、食料品に軽減税率が導入される。多くの経済学者は、軽減税率の導入に反対している。2014年6月11日の税制調査会でも、委員のうちほとんどが軽減税率の導入に強い反対意見を表明していた。
経済学者が批判する理由は主に2つある。第一に、軽減税率は低所得者対策として有効ではないからである。第二に、軽減税率は人々の消費行動に影響を与えるという意味で非効率性をもたらすからである。

軽減税率の導入に対して大半の経済学者は反対し、そしてその批判の論理は正当であるにもかかわらず政治の力によって押し切られてしまった。むなしい。

Friday, October 11

朝ごはん、目玉焼き、ハム、ミニトマト、きゅうり、サニーレタス、ヨーグルト、珈琲。会社にお弁当を持参するも、台風襲来に備えて午後は帰っていいことになったので、自宅に戻ってから食べる。和田誠死去の報せ。晩ごはん、白米、長ねぎとほうれん草の味噌汁、キムチ、蒸し人参とかいわれ、秋刀魚、麦酒。

「ノーベル文学賞は外国人に」との見出しにつづけて、本文が「スウェーデン・アカデミーが10日発表した2018年、19年のノーベル文学賞受賞者は、いずれも日本人ではなかった」だけしか述べられていない共同通信の速報記事が話題になっていると知る。蓮實重彦が『随想』(新潮社)で「文学の国籍をめぐるはしたない議論のあれこれについて」を論じていたころはまだマシであったなと思えるほど、程度が低くなっている。低すぎである。

Ian Kershaw『To Hell and Back: Europe 1914-1949』(Penguin Books)を読み終える。

Saturday, October 12

台風19号襲来。首都圏の鉄道の大半は昼すぎには運休し、店舗の多くは臨時休業。

自宅で映画と読書。メナ・ローラ・マイヤー『We Margiela マルジェラと私たち』(2017年)を見る。三浦展・天笠邦一『露出する女子、覗き見る女子 SNSとアプリに現れる新階層』(ちくま新書)と吉見俊哉『アフター・カルチュラル・スタディーズ』(青土社)を読む。

台風がやってくるので、ひさかたぶりにtwitterで検索して情報を取得しようとするも、つぶやきの玉石混淆が酷すぎてあつかいが厄介なツールだった。悪意の、だけでなく善意の虚偽や誇大があふれかえっている。twitterは慎重でそれ相応のリテラシーを有する人間でないと取扱注意なものとなってしまった。このたびの台風は、風もすごいが雨はもっとすごくて、多摩川が氾濫しそうである。国土交通省の提供する河川の映像によれば、先日の花火大会で歩いた場所は完全に水没している。

朝ごはん、スクランブルエッグ、ほうれん草の炒め物、ハム、ミニトマト、きゅうり、バゲット、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、タコとほうれん草のパスタ、麦酒。晩ごはん、白米、茄子と長ねぎの味噌汁、豚キムチ、麦酒。

Sunday, October 13

長野県の千曲川が氾濫してたいへんな被害が発生しているのを見て、このたびの台風をめぐる報道は首都圏に直撃することを強調しすぎたのではと思う。

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、ベビーリーフ、トースト、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、九条ねぎのグリーンカレー、珈琲。午後は外出。新宿へ。きのう誰もいなかった街は、大量の人であふれかえっている。都会の風景はすぐに回復する。ブックオフを覗いてから、フリーペーパー『intoxicate』を貰うためにFlagsにあるタワーレコードに立ち寄ったら吾妻光良 & The Swinging Boppersのアナログ盤(「Scheduled by the Budge」)が売られていたので買ってしまう。ルミネに移動して、無印良品で買いもの。「BRUSSELS BEER PROJECT SHINJUKU」でクラフトビールを飲んでから、駅ナカの「PAUL」でバゲットを買って帰宅。

晩ごはん、ソーセージ、サニーレタス、カマンベールチーズ、バゲット、白ぶどう、赤ワイン。