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Monday, August 26

朝、玄関を出ると秋の足音が聞こえてくるような涼しさ。少し歩くと湿気の影響でやっぱり暑いとなるのだが、でも辟易するような酷暑は終わりを告げている肌触り。

香港のデモの模様を報道を介して横目で見ながら、 倉田徹・張彧暋『香港 中国と向き合う自由都市』(岩波新書)を再読する。

選挙による民主主義が不完全な香港で、デモや集会がそれを補完する「政治参加」の手段として定着しているのは、常識に属することである。

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、ベビーリーフ、トマト、バターブレッド、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、お弁当。晩ごはん、焼豚とレタスの炒飯、レタスと卵の中華風炒め、わかめスープ、麦酒。

夜、Slim Gaillard「Slim Gaillard Rides Again」とMahalia Jackson「Mahalia」を聴く。

Tuesday, August 27

貴堂嘉之『南北戦争の時代 19世紀』(岩波新書)を読む。

世界史のなかの南北戦争とは、黒人奴隷の全世界的な解放史の文脈以外に、ヨーロッパの労働者階級の解放史の文脈ともつながっていることを押さえておきたい。

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、ベビーリーフ、トマト、バターブレッド、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、お弁当。晩ごはん、白米、長ねぎとキャベツの味噌汁、鰹のたたきと大葉とレモン、冷奴とかいわれ、麦酒。

夜、Jimmy Reed「Jimmy Reed Blues Master Works」を聴く。

Wednesday, August 28

今月読む洋書として、八月はIan Kershaw『To Hell and Back: Europe, 1914-1949』(Penguin Books)のページを断続的にめくっているのだが、いかんせん英文を読むのが遅すぎて、ようやく第二次世界大戦が始まるところまでたどり着いた。まだ半分ほどページ数が残っている。

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、サニーレタス、トマト、レモン、バターブレッド、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、お弁当。晩ごはん、鶏肉のコンソメ蒸し、クレソン、レモン、茄子のオリーブオイル焼き、バゲット、麦酒。

夜、The Staple Singers「This Ligth Light」を聴く。

Thursday, August 29

山之内克子『物語 オーストリアの歴史 中欧「いにしえの大国」の千年』(中公新書)を読む。

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、サニーレタス、トマト、レモン、バターブレッド、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、お弁当。晩ごはん、素麺、ごま昆布、枝豆、麦酒。

夜、Bobby Blue Bland「Two Steps from the Blues」を聴く。

Friday, August 30

雨のち曇りのち雨。病院でシダキュアを処方してもらう。先月から舌下免疫療法の薬をシダトレンからシダキュアに変えた。冷蔵保存が必要で管理が煩雑なシダトレンは販売中止になるとのこと。

スターバックスがコクヨとコラボしたキャンパスノートを買う。

最新号のエコノミスト誌を読んだら、ずいぶんと凡庸で良識的なオチをポピュリズムをめぐる論説で書いている。そのあまりの普通すぎる結論をまえに、現実の状況の深刻さを考えなければならないということだろうか。

Democracy is precious, and those who are lucky enough to have inherited one must strive to protect it.

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、サニーレタス、トマト、バゲット、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、和幸でとんかつ。晩ごはん、ピーマンとミニトマトとベーコンのアンチョビパスタ、赤ワイン。

Saturday, August 31

朝ごはん、スキレットでグリルしたソーセージと玉ねぎとピーマンと目玉焼き、レモン、バゲット、ヨーグルト、珈琲。

千代田線で乃木坂へ。国立新美術館で「クリスチャン・ボルタンスキー Lifetime」と「話しているのは誰? 現代美術に潜む文学」を見る。どうせ空いているだろうと踏んで訪れてみたらボルタンスキー展はとても混んでいた。後者の企画展はガラガラだったが、しかしおもしろかったのは後者のほうである。鑑賞後、美術館内にあるBRASSERIE PAUL BOCUSE Le Museeで昼ごはん。

国立新美術館から六本木ヒルズまで歩いて、森美術館で開催中の「塩田千春展 魂がふるえる」を見にいく。入口付近まで足を向けると入場まで20分待ちとの掲示があって、そんなわけがないだろうと掲示板に目を凝らすと、塩田千春展のみをご覧の方は係員にお声がけくださいとあって、美術館に向かう別ルートを案内される。六本木ヒルズ52階では「進撃の巨人展FINAL」と「PIXARのひみつ展」が開かれている影響で、森美術館以外は人でごった返していた。

日比谷線で上野に移動。国立西洋美術館の常設展のチケットを買って、「モダン・ウーマン フィンランド美術を彩った女性芸術家たち」を見る。

古書ほうろうを覗いて古本とレコードを買ってから、上野精養軒のビアガーデンで夕食。鶏もも肉の唐揚げ、シーザー風生ハムサラダ、ポテトフライ、枝豆、麦酒。今年、最初で最後のビアガーデン。

Sunday, September 1

エルメスが一ヶ月限定で開局したインターネットラジオに耳を傾けながら、朝ごはん兼昼ごはん。目玉焼き、スキレットでグリルしたソーセージと玉ねぎ、じゃがいもの白ワイン蒸し、サニーレタス、バゲット、珈琲。部屋の掃除とアイロンがけと食材の買いもので一日の大半が終わる。

イマニュエル・ウォーラーステイン死去の報せ。『図書』9月号(岩波書店)を読む。

夜、村上春樹のラジオを聴く。レコードを特集した『Casa BRUTUS』(マガジンハウス)のムックに掲載されている村上春樹へのインタビューで、小説家はつぎのように語っている。

帰り際にあまり取材を受けないと思っていた村上さんに、どうして今回、取材を引き受けてくれたのかと聞くと、答えは意外とも、そして村上さんらしいとも言えるものだった。
「レコードの話だったからですよ」

この発言をなぞれば、村上春樹の小説にあまり関心のない人間がこうしてラジオ番組を欠かさず聴いているのは、彼が音楽の話をしているからである。今回の放送のように、自作の小説の朗読などは春樹ファンは喜ぶのかもしれないが、それよりも音楽の話をしてほしい。

晩ごはん、白米、小松菜と長ねぎの味噌汁、冷奴、大根の酒蒸し、焼き魚(ほっけ)、麦酒。ラジコのタイムフリーで「Barakan Beat」を聴いたら、ゲストに竹内まりやがでている。