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Monday, July 8

ヒッチコックのイギリス時代の映画を二本見る。『恐喝』(1929年)と『第3逃亡者』(1937年)。

ダイニングテーブルの花瓶に挿した白いユリがだいぶ弱ってきたので、新宿のFleurage unでドウダンツツジを買う。

食事の記録。朝ごはん、目玉焼き、サニーレタス、ベーコン、トースト、ヨーグルト、珈琲。渋谷ヒカリエに入っているLE PAIN de Joël Robuchonで買ったパンがおいしい。昼ごはん、お弁当。晩ごはん、タコとオリーブとハムのパスタ、バゲット、麦酒。先週似たような材料でパスタをつくった際、タコにオリーブと塩味のあるものにアンチョビを加えたがために塩気の多すぎる味になってしまった反省を踏まえて、今宵はバターで味つけをおこなう。

夜、Dirty Dozen Brass Band「My Feet Can’t Fail Me Now」とThe Isley Brothers「3+3」を聴く。レコードで。

Tuesday, July 9

肌寒い。気温の乱高下が激しくて体調を崩す一歩前。いま風邪をひくと面倒なことになるので、なんとか耐える。

思うところあって、自宅の書架から木村敏『自己・あいだ・時間 現象学的精神病理学』(ちくま学芸文庫)を抜き取って再読する。

人間存在の本質は、現在の時点における対他者・対世界関係につきるものでは決してない。人間が人間であるということ、自己が自己自身でありうるということは、人間が歴史的存在であり、自己が時間的存在であることを根拠にしてはじめて可能になる。つまり、現在の自己の存在が、過去のすべての生活史の積分として、また次に来るべき未来への微分係数として、固有の歴史的・時間的な意味をもっているからこそ、自己固有の自己性も可能となるのである。生活史的事態としての内因性精神病の理解も、この歴史性や時間性への着目のもとに行われるのでなかったならば、根拠から遊離した記述現象学の域を大して出ないものになってしまう。

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、サニーレタス、トマト、トースト、ジャム、ヨーグルト、珈琲。ワルシャワの空港で買ったジャムのラベルには「malinowy」と書いてあって、Google翻訳を介してラズベリーであると知る。昼ごはん、お弁当。晩ごはん、焼豚と長ねぎとかいわれと海苔と生卵をのせた塩ラーメン、わさび漬け、麦酒。

夜、高木正勝「Marginalia II」を聴く。安野モヨコ『オチビサン』9巻(朝日新聞出版)を読む。

Wednesday, July 10

坂井孝一『承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱』(中公新書)と呉座勇一『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』(中公新書)を読む。

ジャニー喜多川が他界したそうだが、ジャニー喜多川について私が知っている二、三の事柄は、どれもが『噂の真相』を読んで仕入れたものである。推して知るべし。

朝ごはん、オムレツ、ベビーリーフ、トースト、ジャム、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、お弁当。晩ごはん、白米、豆腐とほうれん草の味噌汁、鯵のひらき、温泉卵、枝豆、麦酒。

夜、Tropical Jazz Trio「Tropical Jazz Trio」を聴く。

Thursday, July 11

帰り道、雨に降られる。島田周平『物語 ナイジェリアの歴史 「アフリカの巨人」の実像』(中公新書)を読む。

朝ごはん、ソーセージ、粒マスタード、ベビーリーフ、トマト、目玉焼き、バゲット、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、和幸でとんかつ。晩ごはん、ストウブでつくる豚肉とトマトとほうれん草と玉ねぎの白ワインコンソメスープ、麦酒。

自宅シネマ。『真珠の頚飾』(フランク・ボーゼージ/監督、1936年)を見る。主演はマレーネ・ディートリヒとゲイリー・クーパー。製作はエルンスト・ルビッチ。序盤から中盤にかけてはなんてよくできた映画なのだろうと感心しながら見ていたのだが、終盤にかけて話の展開がどんどん雑になっていく。

夜、PAELLAS「sequential souls」を聴く。

Friday, July 12

雨。

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、サニーレタス、トースト、ジャム、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、会社近くの寿司屋にて。晩ごはん、素麺、温泉卵、冷奴、茄子とピーマンの炒めもの、麦酒。

夜、王舟「Big fish」を聴く。

Saturday, July 13

朝ごはん、目玉焼き、ベーコン、サニーレタス、ヨーグルト、珈琲。

目黒駅夏まつりでの東急線キャラクターのるるんの出庫状況を確認してから、渋谷経由で清澄白河へ。今年は東京都現代美術館での開催となった「TOKYO ART BOOK FAIR」にむかう。外にならんでいる飲食の移動販売車のなかからクラフトビールの店をみつけて一杯飲む。アートブックやZINEに強い関心があるわけではないので別段なにか買うわけではないのだが、ぐるっと見てまわるだけでもそれなりに愉しい。TABFはTABFに来そうな人たちでたいへん賑わっていて、客層を概観すると洒落たトートバック所持率が高め。会場を後にすると小雨が降りだす。

15時すぎという中途半端な時間に向かった品川のAUX BACCHANALESは空いているだろうと行ってみたら、まさかの行列。少し待って、昼食兼夕食にありつく。ニース風サラダ、鴨のコンフィとフライドポテト、赤ワイン。

Sunday, July 14

ザ・梅雨空。ずっと雨が降っている。床屋で髪を切る。

読書。きのうのTABFで入手した『花椿』(資生堂)、岩崎育夫『物語 シンガポールの歴史 エリート開発主義国家の200年』(中公新書)、室井康成『事大主義 日本・朝鮮・沖縄の「自虐と侮蔑」』(中公新書)、石原俊『硫黄島 国策に翻弄された130年』(中公新書)を読む。

ラジオ。TOKYO FMの「山下達郎のサンデー・ソングブック」を聴いたら、あきらかに山下達郎の声が変で、風邪を悪化させたらしく、27年の番組史上初だというピンチヒッター(宮治淳一)の登場。InterFMの「Barakan Beat」を聴いたら、ピーター・バラカンと吾妻光良による「うれし、愉し、大人のためのジャズ講座 スウィングしなけりゃ意味がない!」なるイベントがあるという情報を知って、ぜひ行きたいと思ったら、すでに売切れというリスナーからの投稿。それに対してピーター・バラカンが結構広い会場だし売切れることはないんじゃないかと応えていたので、会場となる新宿文化センターのWebページで確認してみたら売切れである。ちゃんとしてそうで結構いい加減なことをいう相変わらずのバラカン。

朝ごはん、スキレットで焼いた目玉焼きとウインナーとピーマンと玉ねぎ、バゲット、ヨーグルト、珈琲。昼ごはん、ベーコンとオリーブとほうれん草のパスタ、麦酒。晩ごはん、鰻重、長ねぎと豆腐のお吸いもの、葉唐辛子の佃煮、麦酒。