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Thursday, April 25

辟易するのが目に見えているので改元を跨ぐ時期に日本にいたくないのと、外国を旅したい気分が掛けあわされて、今年のゴールデンウィーク期間中は旅程を組み込むことにした。目的地はドイツのベルリン。しかし問題となるのは、世界的にみても桁外れに高額となる日本の大型連休中の航空券代で、昨年の12月初旬にインターネットで調べたら、日本航空も全日空もルフトハンザドイツ航空も、そんな金額払えるかと悪態をつきたくなる価格設定で、なかば諦めかけていたところ、救いの手を差しのべてくれたのがLOTポーランド航空である。日本からベルリンまでの直行便はないので、どこかの都市を経由することになるが、ワルシャワ経由でベルリンに向かうのは経路としてあまり無駄がないところもいい。

それにしてもLOTポーランド航空が妙なのは、航空券購入のWEBページを参照するたびに値段がコロコロ変わることで、いろんな変数を埋め込んだアルゴリズムで金額を算出しているのだろうが、数時間にわたって延々検索を繰り返しつづけると(可能なかぎり旅費を安く抑えるためにはこうした努力が必要である)、エコノミーとプレミアムエコノミーの価格がほとんど一緒になる摩訶不思議な瞬間があって、そこを狙ってプレミアムエコノミーのチケットを入手する。アルゴリズムが間違っていると思う。ほかの航空会社のプレミアムエコノミーはエコノミーに毛が生えた程度のところもあるらしいが、LOTポーランド航空のプレミアムエコノミーはなかなか快適でよい。

成田空港を離陸して11時間あまりのフライトののち、ワルシャワ・ショパン空港に到着する。機内では『ゲーテ ポケットマスターピース 02』(大宮勘一郎/編、集英社文庫)と『MONOCLE』5月号を読む。出発が少し遅れたので到着は25分遅れ。乗継時間が1時間半ほどしかないので、急いで入国審査と荷物検査を済ませる。前回のポーランド旅行での入出国審査ではなんの質問もされなかったが、今回もまた一切質問はなく、ほとんど無言のまま終わる。「ハロー」と「サンキュー」しか言ってない。小型機でワルシャワを飛び立ち、ベルリンに向かう。小型機にビジネスもプレミアムエコノミーもエコノミーもないだろうと思っていたら、ビジネスとプレミアムエコノミーには食事がでることをはじめて知る。数時間前に機内で食事をしたばかりなので、あきらかに食べすぎである。満腹で苦しい。隣のおじさんは食事とともに赤ワインの小瓶を4本も頼んでがぶがぶ飲んでいたが、ベルリンについてからが心配で酩酊している場合ではないので、こちらは水を飲む。予定時刻どおりにテーゲル空港に到着。

テーゲル空港からベルリン中心部に向かう交通手段はバスかタクシーしかない。券売機でチケットを購入し、バスに乗り込み、40分ほどかけて終点のアレクサンダープラッツ駅まで。バス停から10分弱歩いてホテルへ。Casa Camper Berlinに泊まる。靴のカンペールが運営しているホテルで、このホテルがとても素晴らしかった。部屋のデザインはおしゃれでかわいいし、それなりに広いし、設備は機能的で無駄がないし、外国のホテルでは珍しくバス・トイレ別だし、従業員もみんな親切だし、24時間やっている最上階のラウンジでは無料で軽食をとれる。部屋にTivoli Audioのラジオが置いてあるので、ドイツのFM放送を聴いた。