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Monday, August 6

東京オリンピックの開催にあたっては、サマータイム導入の検討よりも、森喜朗という害虫の駆除を検討したほうがよい。

読書。リチャード・ブローディガン『芝生の復讐』(藤本和子/訳、新潮文庫)と『UP』8月号(東京大学出版会)を読む。

夜ごはん、白米、玉ねぎと大葉の味噌汁、鰤の照り焼き、トマトとかいわれ、油揚げと小松菜のごま油和え、きゅうりと人参の漬物、麦酒。

Tuesday, August 7

害虫による提案をうけて、安倍晋三が自民党部会にサマータイムの検討を指示した。恒久的なサマータイム導入であれば実現の賛否について論争をおこなうのも無駄ではないかもしれないが(個人的には日本の緯度を考えればサマータイムなどまるで意味がないと思うが)、東京という一地方都市で実施する運動オタクとテレビ好きによるお祭り騒ぎのためだけに、日本中の人びとが巻き添えを食うのは滑稽極まりない事態であり、これが実現したら世紀の愚策だろう。と思っていたら、NHKの世論調査でも朝日新聞の世論調査でも、オリンピックの開催にあたりサマータイムを導入することへの賛成が過半数を超えているという。世論はサマータイムの内実をちゃんと理解しているのだろうか。サマータイム導入で思い浮かぶ唯一のメリットは、渡辺美里の「サマータイムブルース」がリバイバルヒットする可能性くらいである。それはメリットなのか。

読書。リチャード・ブローディガン『西瓜糖の日々』(藤本和子/訳、河出文庫)と『みすず』8月号(みすず書房)を読む。

夜、映画を見る。『マッチ工場の少女』(アキ・カウリスマキ/監督、1990年)。

Wednesday, August 8

台風13号が関東に接近。帰宅指示が出たので午後2時過ぎには帰る。

サマータイム導入に賛成ないしは導入にあたっての弊害を過小評価している言説の大半が、とりわけコンピュータシステムに関してレベルの低すぎる議論をしているものだから、そのてのものを捜して嗤いながら読むという趣味の悪いことをやっている。世のなかの人びとは、数多のコンピュータシステムに囲まれてその恩恵を多大に受けて暮らしているにもかかわらず、驚くほどコンピュータシステムのことをよくわかっていない(ある程度は仕方のないことではあるけれども)。システム稼動当日がサマータイム適用日であるか否かを判断する条件分岐を日本のシステムの多くは想定していないので、数年で対応するのは事実上不可能。以上。で、簡単に終わる話なのだが。

ウィリアム・フォークナー『アブサロム、アブサロム!』(藤平育子/訳、岩波文庫)の下巻を読み終える。

Thursday, August 9

本日は人間ドックなので有給休暇を取得。検診後、渋谷ヒカリエのd47食堂で昼ごはんを食べる。

読書。リチャード・ブローディガンの小説を二冊読む。『ビッグ・サーの南郡将軍』(藤本和子/訳、河出文庫)と『アメリカの鱒釣り』(藤本和子/訳、晶文社)。

夜ごはん、素麺と茹でた豚肉とキムチ、ほうれん草のおひたし、ミニトマト、スイカ、麦酒。

Friday, August 10

les mille feuilles de libertéでドウダンツツジの枝を買う。

夜、『ブエノスアイレス』(ウォン・カーウァイ/監督、1997年)を再見。ウォン・カーウァイの作品のなかでは『ブエノスアイレス』がいちばんよくできているのではないかと思う。

Saturday, August 11

大江健三郎『美しいアナベル・リイ』(新潮文庫)を読んでいたら、ウラジーミル・ナボコフ『ロリータ』(若島正/訳、新潮文庫)を読みたくなって鞍替え。千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館までの移動中、ずっと『ロリータ』を読んでいた。美術館で「ゆらぎ ブリジット・ライリーの絵画」を鑑賞。

東京に戻って表参道駅に着いたら雨が降っている。雨やどりとしてスパイラルにあるカフェで休憩。シャンパンを飲む。雨があがったのを確認して移動開始。キャットストリート近くにあるギャラリーThe Massで「AMKK 戦争と花」を見る。

夜、北参道にある洒落た中華料理店サルーズキッチンマーケットで夕食。店を出たら神宮外苑の花火が見えた。

Sunday, August 12

本と映画。小田嶋隆『上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白』(ミシマ社)を読んで、『長江哀歌』(ジャ・ジャンクー/監督、2006年)を見る。

夜ごはん、ざる蕎麦、鮪の刺身、きゅうりの漬物、枝豆、麦酒。