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Monday, February 1

読書アンケート特集の『みすず』1・2月号(みすず書房)が届く。いつも思うのだが、目次から誰が書いているかを調べようにも五十音順じゃないので把握しづらいことでおなじみの掲載順序は、いったいどういう順番なのか。原稿の届いた順?

朝、ピーマンとツナのピザトースト、珈琲。
昼、弁当。
夜、そぼろ肉ごはん、しめじとちぢみほうれん草の味噌汁、しらすとカイワレの冷奴、ほうれん草のおひたし、焼き魚(鮭)、キムチ、りんご、麦酒。

Tuesday, February 2

みすずの読書アンケートを最後まで読みとおす。同業者(研究者)が読むだろうことを意識してか、どことなくみんな書きっぷりが謙虚である。この読書アンケートが素晴らしいのは、専門的な学術書ばかりなので、挙げられている本をまずは借りて読んでみようかなと思って最寄りの図書館で検索すると、まず誰も借りていないことだ。予約待ちをしなくていい。もっとも学術書であるがゆえに、そもそも図書館に置いていないという場合もあるが。

朝、ソーセージとトマトと小松菜のグリル、バゲット、珈琲。
昼、弁当。
夜、ポークシチュー、サニーレタスとコーンのサラダ、ポテトサラダ、胚芽パン、赤ワイン。

Wednesday, February 3

恵比寿のlimArt POSTで開催された飯沼珠実と鈴木理策のトークイベントに参戦。写真について語るとき、誰もが写真の出来上がった後の話ばかりをするが、撮影される前の話をしたいという鈴木理策の発言が印象に残る。だからといって、写真家の作為を排して撮影をカメラに委ねてしまう鈴木理策の方法論は、写真の存在自体が最終的に不要になることを意味はしないだろう。被写体となる熊野や桜や雪をそのまま伝えたいのであれば、写真ではなく「鈴木理策と行く熊野観光ツアー」でも企画すればよく、写真を介在して被写体を呈示することにこそ魅力があるのだから。

飯沼珠実の写真集『建築の建築 House of Architecture』(POST)を購入。

朝、ポークシチュー、珈琲。
昼、弁当。
夜、恵比寿アトレの花旬庵で鴨南蛮うどん。

Thursday, February 4

飯沼珠実の語るところによれば、留学先だったドイツのライプツィヒという街がくせもので、旧東ドイツの残滓の消えない人びとの閉鎖的な雰囲気から逃れるように、街並みに屹立する建築へと関心が向かうようになったという。そこから彼女は撮影の被写体に建築を選ぶようになる。無機的な建造物であるはずのものに、親愛の情を感じるということ。ちょうど谷口吉郎のヨーロッパ滞在記である『雪あかり日記/せせらぎ日記』(中公文庫)を読んでいたら、谷口吉郎は建築家であるのだから建築のことを考えるのは当然といえば当然だが、異国で、それもナチスが権力を掌握した戦前のドイツで、建築に「愛情」を感じるくだりがでてくる。寄る辺ない状況のなかで、建築が気持ちの支えになる。

日本からこちらへ留学に来ている医者に、ホームシックにかかっている人があった。お医者さんでさえ、そんな病気に襲われ、気が変になっている人のあることを考えると、ホームシックもおそろしいものに思われてきた。そんな時に、いつも私の心を振り起こしてくれるものは「建築」だった。「建築」のことを思うと、なにかしら力強いものが私の心に浮かんできて、暗くなろうとする気持ちを明るく引き立ててくれる。それが私を慰め、私の心を力づける。郷愁のために弱くなろうとする我が身を、それが励ましてくれる。それが建築の愛情というものであろう。(p.45)

朝、トースト、サラダ、茹で卵、珈琲。
昼、弁当。
夜、白米、葱の味噌汁、ほうれん草のおひたし、トマト、ソーセージと赤パプリカとピーマンのオイスター炒め、鯵のひらき、きゅうりと味噌、いんげんの煮物、麦酒。

Friday, February 5

『雪あかり日記/せせらぎ日記』(中公文庫)のつづき。日本大使館の改築のためにドイツに赴任した谷口吉郎は、「水晶の夜」の起きた日にベルリンに到着する。時局の不穏さを察知しながら西欧文化の吸収に意欲的なその筆致に、困難な時代に柔軟な知性が自己を支えることを思う。

朝、ピザトースト、珈琲。
昼、弁当。
夜、近所の焼鳥屋にて。

Saturday, February 6

週末は自宅で読書。日本史を復習しようと山川の教科書を買って読むも、さすが教科書、短い文章に情報を詰め込みすぎで、あまり頭に入ってこない。こんなものを暗記していた過去があったなんて、常規を逸している。要領を得ない教科書から離れて、岩波新書の日本史シリーズに手を伸ばす。石川日出志『日本古代史① 農耕社会の成立』、吉村武彦『日本古代史② ヤマト王権』、吉川真司『日本古代史③ 飛鳥の都』を読む。これら三冊を消化した内容が、教科書の記述ではわずか50頁弱。

iPadでエコノミスト誌を読む。

朝、ベーコンと野菜のグリル、バゲット、珈琲。
昼、コロッケバーガー、しらすサラダ、焼き芋、珈琲。
夜、浅利とほうれん草のパスタ、砂肝としめじのアヒージョ、サニーレタスと玉葱と人参のサラダ、バゲット、麦酒。

Sunday, February 7

日本銀行のマイナス金利政策について、岩田一政が「当座預金金利のマイナス化を起点に、短期金利がゼロ未満に誘導され、長期金利にも低下圧力がかかる。これを受けて、銀行の貸出金利や社債の利回りが下がり、企業の投資や個人の住宅購入など経済活動が刺激される」と日経のインタビューに答えている。理論的にはその通りだと思うが、非伝統的金融政策の実践でわかったことは、それなりに効果はあるがそれなりでしかないという、なんとも煮え切らない事実かもしれない。岩田一政も金融政策だけでは駄目だという認識は当然あり、「マイナス金利はそれなりの効果を持つものだが、過大評価することはできない。人口減少に歯止めをかけ、労働市場の制度改革を進める成長戦略を通じて、自然利子率(景気刺激でも引き締めでもない均衡実質利子率)を高めることが求められる」と語るのだが、しかし誰ひとりとして明確な成長戦略を描けないので困っているわけだ。

飯沼珠実『建築の建築 House of Architecture』(POST)を読む。

朝、トースト、サニーレタス、目玉焼き、ベーコン、珈琲。
昼、磯辺焼き、きゅうり、トマトとカイワレ大根、長葱とわかめの味噌汁、麦酒。
夜、白米、しめじとわかめと油揚げの味噌汁、焼売、白菜の塩昆布炒め、ポテトサラダ、麦酒。