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Wednesday, September 25

外はすっかり夕闇。雨は降ったりやんだり。神保町のカフェフルークで、キャロットラペとサーモンのサラダ、ドイツソーセージ、ガパオ風ごはん、白ワインでお腹を満たす。

美味しい食事に満足したところでお店を出て、ロメール作品を観るために神保町シアターへ向かう途中、すぐ手前の南洋堂をちょっとのぞこうと軽い気持ちで入ってみたら入口付近に平積みされた本の表紙の花畑の写真が目にとまり、よく見てみると『風と大地と緑のデザイン デンマーク・ランドスケープデザインを知る11の視点』(望月昭/著、フリックスタジオ)という、タイトルどおりデンマークのランドスケープデザインの事例を紹介したもので、パラパラめくってみると面白そうだったので、もうあと30秒で閉店です、という頃に駆け込み会計。衝動買いしてしまった。

本日のメインイベント、神保町シアターで『恋の秋』(エリック・ロメール監督、1998年、フランス)を観る。これは幸福感あふれる、後味の良い映画だ。ロメールはデートに向かないんじゃなかったっけ? ((ロメールはデートに向かない)) 帰宅して、赤ワインを飲んだ。

Friday, September 27

きのう日本の遠く南海上にあった台風が去って、美しい朝。部屋の窓を開け放したくても寒くて無理だった。かわりに寝室の窓を開け、そこから居間に風が渡ってくるようにした。いい季節だ。いい季節はあっという間に過ぎ去る。

Saturday, September 28

7年続いた、朝6時からのラジオ番組「kiss and hug」最終回。わたしはたしか2008年から毎週聴いていたから、5年間聴き続けたことになる。わたしにとってこの5年間は激動、激変の年月だった。5年前のわたしは、どうやったって、もう何をどうしたって、いまのわたしを想像することなんてできなかった。これっぽっちも、微塵も、できなかった。この5年間、変わらなかったことといえば土曜日の早朝という時間帯を偏愛し続けたことで、もちろん今も変わらずそうで、まだ起き出す人も少ないであろう、土曜の朝4時から8時くらいまでの至福の時間帯を、本当に愛しく想い続けている。MCのシェリーの、トーンの低いハスキーボイスが大好きだったし、子どもたちとの掛け合いが楽しかった。親近感をおぼえる、いい番組だった。海外に出かけているほんのわずかな時以外、ほとんど聴いていた。エンディングでシェリーはちょっと、涙声だった。あの気丈なシェリーが!

じぶんの生活に寄り添ってくれた番組が終わってしまうのはものすごい喪失感がある。寂しい。この気持ちは好きなテレビ番組が終わってしまうのとは違う。テレビとラジオは本質的に、まったく違う。まったくの別物だ。

朝ごはんに、ハムとコーンのピザトースト、洋梨のゼリー、珈琲をいただいて、クリーニング店に寄ってから出かける。朝は寒かったけれど、強い陽射しで気温が上がってきた。日陰に入ると涼やかだ。地下鉄に乗って東陽町まで。Gallery A4で「トーヴェ・ヤンソン夏の家 —ムーミン物語とクルーヴ島の暮らし—」。数々のヤンソン作品の翻訳を手がけ、ムーミン関連書籍を多数執筆している冨原真弓さんの文章が冒頭に掲げられていた。ヤンソンその人自身が、他の人には決してたどり着くことのできない海の上の孤島である、と。いい文章だったなぁ。会場にはヤンソンが夏の間暮らしたクルーヴ島の住居が原寸大で展示されていた。

市ヶ谷に移動して、CANAL CAFEのオープンテラスで食事。鶏肉とズッキーニのトマトソースパスタ、サラダ、バゲットにオリーブオイル、白ワイン、でお腹いっぱい。最初は陽射しが強すぎてちょっと辛いくらいだったけれど、太陽が動いて途中からいい具合に日陰になった。

ミヅマアートギャラリーで「近藤聡乃 KiyaKiya 1/15秒」。近藤聡乃のアニメーションはいつも一度観ただけでは席を立てず、二度、三度と観てしまう。中毒性があって、くせになる。

帰宅して夜は、ソーセージ、サニーレタスときゅうりと玉ねぎのサラダ、おかか長ねぎのせ冷奴、ビール。

Sunday, September 29

二度寝+寝坊。朝昼兼用で、ごはん、大根と長ねぎとわかめの味噌汁、鯵のひらき、サニーレタスときゅうりのサラダ、冷奴、烏龍茶。

そういえばシェリーはいまたくさんテレビに出ているらしいけれど、わたしはU・LA・LA@7のシェリーしか知らん。わたしがテレビを所有していた最後の時代だ。これからもラジオにも出てよ。

肉じゃが、かぼちゃのグリル、茄子とエリンギのバルサミコ酢炒めなどなどつくりおきのおかずをたっぷりつくり、お出かけ。表参道のスパイラルホールに「『crystal cage』トークセッション vol.3」を聴きにいく。第1部は、《crystal cage》の新刊フランツ・マルク『戦場からの手紙』の翻訳者である高橋文子×平出隆、第2部は、“場所と書物”をテーマに、港千尋×平出隆のトーク。平出隆の創作するものには興味があるし、港千尋のレクチャーやトークショーには行ける限り足を運ぼうと思っている。港さんしょっちゅういろいろなトークショーに出るから、完全出席とはならないんだけど、そろそろ気づかれてもいいような気がする。いつもけっこう前の方の席で熱心に聴いている、つもりなので。会場できっと会えるだろうと予想していた友人Sさんに会い、しばしおしゃべり。無事に北欧旅行のお土産も渡すことができて、本当にささやかなものではあるけれど、とても喜んでもらえて、ほっとした。

トークショーの前にはスパイラル1階で、「島崎信+織田憲嗣が選ぶ ハンス・ウェグナーの椅子展」を鑑賞。ハンス・ウェグナーはデンマークを代表する家具デザイナーで、たぶん、おそらくきっと、コペンハーゲンのデザイン博物館デンマークで作品を見ているはずだ。デンマークのグッズを売るショップも出ていて、デンマークで迷ったすえ買わずじまいだった人気のキャラクター、Irmaちゃんのトートバッグが売られていたので買ってしまった。

RAT HOLE GALLERYで「ガーダー・アイダ・アイナーソン I Am The Only Free Man On This Train」を観て、もうひとつ用事を済ませて、大好きだったカフェCAFE Z.に向かったらばなんと閉店と聞き、並々ならぬショックを受け、ふらふらと渋谷駅まで歩いて近くで焼鳥とビールを食して、打ちのめされたまま帰る。