Monday, February 16
忙しない日々がつづく。夜、長ねぎと万能ねぎと卵をのせた肉うどん、ビール。
Tuesday, February 17
以前に会社の研修でマーケティングの講習を受けた際、講師の説明するさまざまな分析パターンの手際に感嘆しつつも、結局のところマーケティングは後づけの理屈でしかない気がして、たとえば石井淳蔵の本なんかを読んでみてもその印象は抜けないまま現在に至る。マーケティングの理論は、商品が売れた理由、あるいは売れなかった理由をそれなりの説得力をもって説明はしてくれるのだが、それらしい理由を重ねれば重ねるほど腑に落ちない感情が募り、よほど「たまたま売れた」という身も蓋もない言明のほうがましなのではないかと思えてくる。つまらないわけではないけれど本体と消費税をあわせて6000円弱ものお金を払って読むほどのものではないので図書館で借りるのが懸命ではあるが予約者数がすごい数になっていることでおなじみのトマ・ピケティ『21世紀の資本』(みすず書房)にしても、著作に言及しているいくつかの記事で目にした「識者」の語る売れた理由はどれも表層的なものばかりで、「たまたま売れた」といったほうがましだ。
夜、鱈とベーコンのパスタ、マカロニサラダ、赤ワイン。
Wednesday, February 18
『花椿』5月号(資生堂)を読むと、穂村弘が松任谷由実と対談しているのだが、そのなかで「人柄はいいけれど才能はない男性を愛したことはありますか?」との問いに対してユーミンがつぎのように語っているのが気になる。
ないかもしれない。だってその人が何に才能があるか分からないじゃないですか。茶碗蒸しつくらせたらすごいかもしれないし。才能って空気中に飛んでいるものだと思うんですよ。それを形にして享受できるかどうかは、意志の力が必要。
なにゆえ喩えが茶碗蒸しなのか。茶碗蒸しが好きなのか。松任谷正隆は茶碗蒸しをうまくつくるのだろうか。
夜、ビーフシチュー、ベビーリーフのサラダ、バゲット、ビール。エリック・バーナウ『ドキュメンタリー映画史』(安原和見/訳、筑摩書房)を読む。
Thursday, February 19
熟読しているIDÉEのWebマガジン「LIFECYCLING」が書籍になったものを図書館で借りてきた。本よりWebのほうが情報量が多い。
夜、白米、きのこのスープ、鶏肉と小松菜の炒めもの、人参サラダ、ビール。
Friday, February 20
昼休みに書店で立ち読みした『&Premium』(マガジンハウス)のインテリア特集に設計事務所imaの小林恭・小林マナが登場していて、「LIFECYCLING」にもその自宅が紹介されいるのを思い出しつつ、その2011年9月の記事の最後のほうで「去年から引っ越そうと思っていて。事務所と自宅を一緒にした建物を建てようと考えてるんです」と本人たちは語っているのだが、『&Premium』を確認したらいまなお外苑ハウスに住んでいるようだった。ところでザハ・ハディドの新国立競技場ができたら外苑ハウスはどうなるのだろう。
『ジャージー・ボーイズ』(クリント・イーストウッド監督、2014年)を見る。素晴らしい映画だったのだが、音楽プロデューサー役を演じるマイク・ドイルの相貌がある知人に似ていて、似ているように見えてしまったら最後そればかりが気になってしまい、いい映画だなあという感情とあの人の顔似てるなあという感情が交差する。マイク・ドイルのアップで映画は終わった。
Saturday, February 21
昼前、日暮里で下車し、谷中ボッサで昼食ののち、SCAI THE BATHHOUSEで塩保朋子「Cosmic Perspective」を見る。会期ぎりぎりに駆け込むかたちとなったが見れてよかった。
午後いっぱい雑事をこなして食事をつくる気力が完全に消失したので、夕食は近所のカフェで。
ドナルド・キーン+堤清二『うるわしき戦後日本』(PHP新書)と久保田由希『歩いてまわる小さなベルリン』(大和書房)を読む。
Sunday, February 22
読書。港千尋+三木学『フランスの色景 写真と色彩を巡る旅』(青幻舎)と村上陽一郎『奇跡を考える 科学と宗教』(講談社学術文庫)を読む。
夜、白米、わかめと油揚げの味噌汁、豚肉と玉ねぎの炒めもの、小松菜と油揚げのごま油和え、冷奴、ビール。