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Thursday, August 28

このところ、このサイトの日誌はおろか、自分自身の日記までもしばらくさぼってしまっていたので危機感をおぼえ、昔みたいにある形式にのっとって書くことにした。それはかつて、もうかれこれ10年ほど前に熟読していたブログを書いていた人を真似した書き方。そのブログ、誰も知らないだろうと思いきや、のちにわたしの夫となった人が時を同じくして読んでいた。とにかく、このやり方で書くと、すごく意識的に、微細に自分の行動を追える。日記にも、サイトの日誌にも、いままでより細やかなことが書けるかも、しれない。たぶん、きっと、おそらく。そして、とても楽しく書けるのだ、不思議なくらいに。ほんと不思議だ。

昼間、未來社のPR誌『未来』が、月刊から季刊に変わることを知る。夕方、InterFMの、高野寛デビュー25周年記念番組を聴く。MCが野村雅夫でいい感じだ。トッド・ラングレンによる「虹の都へ」カバーが泣ける!

Saturday, August 30

午前7時半起床。最近すっかり朝寝坊だ。きのうもきょうも明け方のラジオ、聴けなかった。空からはきょうもきょうとて雨粒が落ち続ける。雨が続くと気が滅入る。鬱屈した気持ちがたまっていく。洗濯物もたまり続ける。朝ごはんは、アップルカスタードパイ、ヨーグルト、珈琲。この頃には雨あがる。有楽町まで出て、角川シネマ有楽町でトリュフォー映画祭の前売券を買う。特典のトートバッグももらう。ベーコンとミニトマトと長ねぎのパスタ、ビールでお昼ごはん。しばらく読書。眠気に屈しそうになり、チョコレートを口に放り込んでどうにかやりすごす。再び出かける。早稲田松竹で『アンドレイ・ルブリョフ』(アンドレイ・タルコフスキー監督、1968年)を観る。

Sunday, August 31

7時起床。曇天。太陽が出ますように出ますように、と祈りながら洗濯機をまわす。クリーニング店で出していたものの引き取りと、また新たな洗濯物を出す。その後、お昼のパンと、食材の買い出し。旅行から帰ってきて、遅ればせながらやっと本格的に日常が始まった感じ。スーパーを出たら太陽がきらきら光っていた。お昼ごはん、ほうれん草とベーコンのパニーニ、スクランブルエッグ、ベビーリーフ、ヨーグルト、珈琲。日本の食事のバラエティの豊かさを思う。常備菜として、じゃがいもの土佐煮、蓮根のきんぴら、茄子とピーマンの味噌炒めなどお馴染みの惣菜をつくる。洗濯物をとり込み、しばし読書、アイロンがけ。ああ、生活生活。日常日常。夜は、タコとトマトとベビーリーフのパスタで白ワイン。

食後、『ふたりのベロニカ』(クシシュトフ・キェシロフスキ監督、1991年)を観て、サン=テグジュペリ『南方郵便機』(山崎庸一郎訳、みすず書房)を読み終える。巻末の訳者あとがきにもあるように、作品の大半を占めるラブストーリー部分はそれほど面白いものではない。それより、操縦士としての、飛行機が離陸する時のきめの細かいリリカルな情景描写に打たれるし、なんといっても、

風が吹き、陽が照り、驟雨があって一日が暮れても、ばらの花がいくつか散るだけだ。

という美しい一文が好きだ。わたしにとってこの小説は、この一文のために存在する。

タオルケットを首元まで持ち上げて眠りにつく。あしたから9月。今年も暮れていきますね。