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Tuesday, March 18

東京に春一番が吹いた。

Wednesday, March 19

夕ごはんは、ごはん、しめじと長ねぎとわかめの味噌汁、焼いた鯖、キムチのせ冷奴、小ねぎ入り卵焼き、ビール。『クウネル』最新号が届く。特集は「服と私」で、巻頭ページのモデルが大好きな藤田陽子だったので、嬉しい。

Thursday, March 20

今月で終わってしまう笑っていいともにオザケンが出て、16年ぶりにテレビ出演を果たした日でございました。高橋みどり『くいいしんぼう』(ちくま文庫)を読む。金沢にあるという「第7ギョーザの店」というお店に行ってみたい。

Friday, March 21

きょうのJ-waveのホリデースペシャルはナビゲーターが渡辺祐とクリス智子という大好きな二人だから聴く。途中でかかった80年代と90年代のヒットソングリミックスがよかった。わたしは大学浪人時代になぜか突然80年代ポップスにはまってしまい、その後、受験を済ませて大学生になってからも引き続きいろいろ聴いて勉強して、代表的な80年代ポップスはもう体内に染み込んでいる感じだ。80年代の歌を聴いたときの、あの何ともいえない寂しさや切なさは一体何だろう。日本はバブルで浮かれてバカ騒ぎで、わたしはそれをリアルに体験していない世代だけど、でもあの、祭りの後に祭りの最中のことを思い起こすときの郷愁のようなものを想像することはできる。90年代ポップスとなると、現実の記憶が伴ってくるからまた複雑だ。

夜は、アキ・カウリスマキ監督『マッチ工場の少女』(1990年)を観て、ごはんを炊いて、じゃがいもとわかめと長ねぎの味噌汁、豚バラと白菜の梅蒸し煮をつくって食べる。

Saturday, March 22

きのうから喉の痛みがひかないので、早めの対応を心がけて朝一番で病院に行き、薬をもらう。また抗生物質を体内に取り入れることになる。ほんとに、いままでどれほどの量の抗生剤を摂取してきたことだろうか、考えるだけで少し気が遠くなる。喉が痛くて風邪ひいて、でも、熱燗飲んで暖かくしてよく寝たら治った、とかのど飴なめたら治った、とかいつの間にか治っていた、とかいう人が本当に羨ましい。わたしにとってそんなのは幻想だ。絶対、診察を受けて薬を処方されてそれをすべて飲み切るまでは治らないのだから。長年生きてきて判ったことだ。

と恨み節をきかせつつ、きょうはまず上野へ。上野の森美術館で「VOCA展」を観る。今年もとても楽しめたけれど、いちばん良かった、というか好みだったのは大原美術館賞をとった佐藤香菜の《マブイグミ》だった。その後、有楽町まで移動し、シャネルネクサスホールで「Signature of Elegance リリアン バスマンの仕事」、ポーラミュージアムアネックスで「ポーラミュージアムアネックス展2014 光輝と陰影」、LIXILギャラリーで「ブルーノ・タウトの工芸 ニッポンに遺したデザイン」と「伊藤幸久展 あなたならできるわ」と「金貴妍展 陶 wish」、東京国立近代美術館フィルムセンターで「小津安二郎の図像学」を鑑賞。フィルムセンターではロビーに、「燕来軒」と「とんかつ」の看板(?)が置かれ、「秋刀魚の味」のセットが再現された格好になっていた。しゃがんで見てみるとセットの重厚さがよくわかるとのこと。撮影OKだったので、iPhoneで写真も撮った。あとリリアン・バスマンという写真家は知らなかったけれど、光の陰影がすばらしく、とてもセンスのよい作品で、こういう作家こそ、写真集をバンバン刊行してほしいものだ。喜んで買うよ。

最後の小津を観ている間に、具合が悪くなってしまったので、おとなしく帰って休む。

Sunday, March 23

朝、録音しておいたゴンチチの「世界の快適音楽セレクション」を聴いていたら、ミスティ・オールドランドがかかった。懐かしい。1993年頃だったか、デビュー当時はけっこう騒がれた気がする。いまどうしているのだろうか?

渋谷に出て、映画美学校でチケットを買って整理券をもらい、そのままロビーで開場を待つ。きょうはわたしの大好きな映画、ゲオルギー・ダネリヤ監督『モスクワを歩く』(1963年)がかかるのだ。この映画はもうなんと説明したらよいのかわからないほど好きな映画だ。みずみずしくて、後味がよくて、何度観ても飽きない。初めて観たのは下高井戸シネマで、あまりに良くて、会期中2回も観に行った。

しかし、『モスクワを歩く』の前にミハイル・ロンム監督『一年の九日』(1960年)を観ていたら(きょうは二本立てだった)、終盤、非常に気分が悪くなり、仕方なくホールを出てしばらく休む(映画の内容ではなく、体調不良のせい)。戻ったらラストシーンの一歩手前だった。その後、無事、『モスクワを歩く』を堪能した。