Monday, July 22
長谷部恭男の『憲法の円環』(岩波書店)を読む。
議会制民主主義をあらためて考えるのであればやっぱり読むべきはカール・シュミットかな、と思って調べたら今年にはいって『政治思想論集』が筑摩書房により文庫化されており、『現代議会主義の精神史的地位』がみすず書房から新装版として刊行されているのを知る。
Tuesday, July 23
InterFMのSoul Searchin’ Radioを聴く。冒頭、天王洲スタジオから放送していることをDJの吉岡正晴が伝えるのだが、その語り口を聴いていると渋谷のNHK放送センターからお届けてしていますと言われても違和感のない雰囲気に満ち満ちている。あけましておめでとうございます、と開口一番言われてもたぶんびっくりしないその語り口。
Wednesday, July 24
ペドロ・コスタの監督した『あなたの微笑みはどこへ隠れたの?』(2001年、フランス=ポルトガル)を鑑賞。映画は、ジャン=マリー・ストローブとダニエル・ユイレの編集作業の模様を見せてくれる。滔々と自身の映画観を語る夫ストローブ、それに対してイライラしながら「うるさい!」とキレる妻ユイレ。むかしアテネ・フランセ文化センターで見たときの感想とおなじく、この映画は夫婦コントだなあという印象。
Saturday, July 27
新宿の文化学園服飾博物館で「「装苑」と「装苑賞」その歩み展」を見る。装苑賞受賞者の作品がずらりと並んだ2階の展示室をゆっくり見てまわりながら、コシノジュンコが『装苑』8月号で
装苑賞をとるのは、終わりではなく始まりなのに、その後、活躍できない人が多いのは残念です。
と述べていたのを思う。知らない名前のデザイナーばかりが並んでいて、日本人のデザイナーをあんまり知らないというこちらの事情もあるが、それにしてもぜんぜん知らない名前で埋め尽くされていた。辛うじてわかったのは高田賢三、山本寛斎、山本耀司、津村耕佑といった有名どころくらい。ほかの人たちはいまどうしているのだろう。あとコシノジュンコも装苑賞を受賞していたはずだが名前が見あたらないなと思ってよく確認したら、小篠順子として受賞していた。ああ、そうか。
1階の展示は、雑誌『装苑』の表紙を一挙にならべて、戦前の創刊号から最新号までの歴史を辿るというもの。表紙を並べただけでも、いかにも50年代、いかにも60年代、いかにも70年代、いかにも80年代、いかにも90年代、いかにも2000年代などの判別がすぐにできてしまうのがおもしろい。80年代の浮かれっぷりよ。
中央線に乗って飯田橋に向かう。浴衣姿の女性をちらほら目撃して今日が隅田川花火大会だったことを思い出す。ミズマアートギャラリーで宮永愛子展「house」。とてもよくて、国立国際美術館の展示は見ておきたかったとやや後悔の念。大阪なので時間的にも資金的にもむずかしいので仕方がないが。
iPhoneをとりだしてグーグルマップで検索すると、つぎの目的地であるギャラリーメスタージャまでは徒歩20分。暑い最中を歩くのは無理、ということでタクシーをつかまえて楽ちん移動。山田宏一写真展「『Nouvelle Vague』ふたたび!」を見る。平凡社からでた写真集はこのあいだ東京都写真美術館で購入済み。それにしてもアンナ・カリーナはなんで天窓もない屋根裏部屋を住居にしていたのだろう。
帰りに神保町の古本屋を複数訪れて、計8冊を購入。
たいへん不穏な状況の東京アメッシュを家で眺めながら、隅田川花火大会が中止になったことを知る。
Sunday, July 28
銀座の資生堂に行けばタダで貰えるのだが、銀座に出かけるタイミングを失うと貰い損ねる危険性を抱えることになるのを考慮し、『花椿』は定期購読することにした。手作業でテーピングしたような封筒を開けると、貰い損ねた6月号が入っている。パラパラとページを捲っていたら、資生堂アートハウスでの展示についての寄稿で、堀江敏幸の名前を発見。でたな! 堀江敏幸。
近所のカフェでアイスコーヒーを飲みながら持参した『装苑』と『クウネル』を読む。
カフェを出て、花屋に寄って帰ろうと思ったら雨に降られる。仕方がないので、隣のラーメン屋で夕食兼雨宿り。