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Saturday, March 16

病人の看護で一日終わるが、そんななか、きょうが最後となる東急東横線渋谷駅ホームのことを想って胸を熱くする。人生でいちばんよく利用したホームのうちのひとつだった。とりわけ中学高校時代。きょうは写真を撮りに行けなかったし、行けたとしても人混みを憂いて結局は行かなかったはずだけれども、いまはみんなが撮った写真をみんなで共有できる。そして駅との分かれを惜しむみんなの様子を見て、みんなの胸の内を想像することができる。ぐっときちゃうな。電車もレールもホームも、ああ、鉄道って本当にいいもんですね。列車がゆっくりと動き出す、ホームにすべり込んでくる、遠くから近づいてくる、車体と車体がすれ違う。あの運動について、きっと誰か魅惑的な文章を書いているのだろうけれど、まだ出会っていない気がする。

Sunday, March 17

きょうも病人の看護で一日終わる。熱が下がらなくて心配だ。心配しながら眠ったせいで明け方にうなされ、じぶんの叫び声で目が覚める。昼間、『フーコー講義』 (檜垣立哉、河出書房新社)を読む。こういうときは小説よりもこういう本のほうがよっぽど頭に入る。