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Monday, December 26

諸用あって実家まで。昼さがり、犬とともに散歩に出れば、心の傷も少しずつ癒されていく。夜、フランソワ・トリュフォー『暗くなるまでこの恋を』(1969年、フランス)。

Tuesday, December 27

家で雑事。やることいっぱいあるのに、うっかり捨てられずにとってあるVHSビデオの整理をはじめてしまう。わたしがVHS再生装置を所有している限り、テレビ放映されたあのひとのライブ映像やらファッション系のめずらしい番組やら深夜のお笑い番組などの貴重なテープを捨てることはないのだろう。まったく今さらVHSなのだけれど、実は代官山の蔦屋にはVHSも多数置かれていたりしているという事実。

昼、フランソワ・トリュフォー『黒衣の花嫁』(1968年、フランス/イタリア)。夜、エリック・ロメール『木と市長と文化会館/または七つの偶然』(1992年、フランス)。

料理意欲が落ちてきているので『きのう何食べた?』を読んで意欲を回復させたりするなど。

Wednesday, December 28

家で雑事。自己流でも簡単単純でもいいからおせち料理をつくろうと思うものの腰が重く、なかなか取りかかれない。

自宅のVHSの本数を減らそうと、ローベルト・ヴァルザーの『ヤーコプ・フォン・グンテン』が原作といわれているブラザーズ・クエイの『ベンヤメンタ学院』をじつに13年ぶりに観る。前回は一睡もしなかったのに今回半分寝てしまった。ところで鳥影社のローベルト・ヴァルザー作品集の3巻目はいつ出るのだろう。

それはそうと『ベンヤメンタ学院』は捨てたくないので所有しておく。ぽっか〜ん。

Thursday, December 29

家で雑事。買いものに出たついでに、書店で堀江敏幸による北杜夫追悼文「何だか変てこりんなもの」(『中央公論』2012年1月号)にさささっと目をとおす。食卓の花を購入。今週はシックな色合いの、とても好みの色合いの蘭を。

お正月用のお雑煮を予行演習としてつくってみた。わたしはなるととちくわとかまぼこが苦手。(つまり練り製品が)

Saturday, December 31

三十一日になっちゃったなあ。と思わずつぶやく。今年は読みたい本の3分の1も読めなかった。と、毎年思う。

テレビを持たない生活をしようと決めたとき、ほんのいくつか、見ることができなくなる番組があることが心残りだったけれど、何より、三十一日の喧噪に満ちた一連のテレビ番組を見なくて済むと思って本当にほっとしたのだった。わたしはどういうわけか大晦日のテレビが非常に苦痛で、何年ものあいだ、目眩がするくらいうんざりしていた。その点、ラジオはとりあえず日が落ちる頃くらいまでは通常の番組を流してくれる。ラジオを聴きながら家事をした。

ランチにベルギービール「ロシュフォール 8」を飲む。世界中で7カ所のトラピスト修道院で造られるトラピストビールのひとつ。 ベルギービールを飲んだら田村功『ベルギービールという芸術』(光文社新書)で復習しましょう。「「ロシュフォール8」は、バナナ、洋梨、アニスに似た香りが口中を満たし、フィニッシュはやはりドライな苦味で決めます」。決められました。夜は年越しそば。年明け0時に合わせてシャンパンを飲みつつカウントダウンしつつも、2011から2012へと、時はグラデーションのように移り変わってゆくのだと考えている。