Monday, April 21
晴れ。桜の花が散り、新緑の葉が顔を出す。
洗濯と掃除。朝食、目玉焼き、ベビーリーフと紫玉葱とトマトのサラダ、キャロットラペ、バタールとクリームチーズと餡ペースト、ヨーグルト、珈琲。昼食、弁当。夕食、海苔と白米の塩おにぎり、絹ごし豆腐と若布の味噌汁、鶏肉とほうれん草のナンプラー炒め、「一保堂茶舗」の煎茶。
読書。前田良三『ナチス絵画の謎 逆襲するアカデミズムと「大ドイツ美術展」』(みすず書房)を再読。
「デイリーポータルZ」に、共に酒をやめた林雄司と住正徳が、居酒屋とバーを訪れてノンアルコール飲料を注文するという、たいへん感慨ぶかい記事が掲載されている。
Beirutの新作アルバム「A Study of Losses」をSpotifyで聴く。
Tuesday, April 22
午前4時35分起床。起床時間を10分早める。朝食、茹で卵、サニーレタスと紫玉葱とトマトのサラダ、キャロットラペ、バタールとクリームチーズと餡ペースト、ヨーグルト、珈琲。昼食、弁当。夕食、ソーセージ、フライドポテト、ジンジャーエール。
読書。國分功一郎『中動態の世界 意志と責任の考古学』(新潮文庫)を読む。医学書院による「シリーズ ケアをひらく」の一冊として刊行された書籍の文庫化。医学書院の本が新潮文庫に収まるのは過去に例があるのか知らないが、稀なことだろうと思う。以前に新潮社で文庫化された、國分功一郎『暇と退屈の倫理学』の単行本の版元は太田出版だったことを想起すれば、やろうと思えば「新潮文庫化」はいくらでも可能なのかもしれない。
元駐中国・駐仏大使の木寺昌人が、「日本経済新聞」夕刊のコラムで、つぎのように書いているのが目に入る。
「ジャポニスム2018」の1年前、17年4月から8月まで「東京―パリ」と銘打った展示がオランジュリー美術館で行われた。当時建て替え中だったブリヂストン美術館(現アーティゾン美術館)から珠玉の76点が展示された。私も公邸でレセプションを開き、お手伝いした。
セザンヌ、モネ、マネらの名作だけでなく、青木繁、藤島武二、坂本繁二郎らの日本の洋画が海外で紹介される初の機会になった。展示の最初は青木繁の「海の幸」。素晴らしいコレクションと好評で、42万人もの来場者を得た。「海の幸」ほか日本の洋画はフランス人の感性に充分訴えた。石橋財団の石橋寛理事長、西嶋大二常務理事も強い手応えを感じ、新美術館開館への勢いとされた。
上記のくだりを読みながら、この展覧会に立ち会った、山口晃による展覧会評のことを思い出す。以下、2017年6月15日刊行の『BRUTUS』(マガジンハウス)より。
会場の西洋絵画と比べてみますと、洋画の方が形態感が弱く見えまして、これは青木の絵でもやっぱり足りなく見えました。
これは日本で画学生をやると必ず言われる事で、絵の具のつきの悪さ、ひいては形態感の弱い事をよく聞きました。本場と比べて何処そこが違うからダメなのだと云う言い方は、美術のみならず文学や演劇でも言われた事のようです。学ぶ者の態度としては真摯なようにも見えますが、要はあちらの評価軸に合わせようとしているだけで、真に自分達の作品を評価できる軸を打ち立てようと云う知恵も気概も無いだけの事かもしれません。
会場での洋画はそのように形態感は弱く見えましたが、逆に空間の複層性とか特に精神性みた様なものはむしろ高く感じました。面白かったのは会場に在った作品達が、同じ様な大きさでカタログに載っているのをパラパラとめくるに、洋画の頁の後に西洋絵画を見ると会場で見た時よりも深沈として見えた事でした。
(「ブリヂストン美術館の名品展を見終わって。」)
Wednesday, April 23
怪しい雲行きの空。朝食、目玉焼き、サニーレタスと紫玉葱とトマトのサラダ、キャロットラペ、バタールとクリームチーズと餡ペースト、ヨーグルト、珈琲。通勤の道中、雨に降られる。昼食、弁当。夕食、海苔と白米の塩おにぎり、玉子と鶏肉とキャベツの中華風スープ。『メトロミニッツ ローカリズム』5月号(スターツ出版)を読む。
読書。國分功一郎『中動態の世界 意志と責任の考古学』(新潮文庫)を最後まで。本棚に収めたときに気づいたが、おなじ執筆者の新潮文庫なのに、『暇と退屈の倫理学』と『中動態の世界 意志と責任の考古学』で背表紙の色がちがうのは何か意図があるのだろうか。
Thursday, April 24
朝食、目玉焼き、サニーレタスと紫玉葱とトマトのサラダ、キャロットラペ、ミルクブレッドとクリームチーズと餡ペースト、ヨーグルト、珈琲。昼食、弁当。夕食、海苔と白米の塩おにぎり、玉子と鶏肉とほうれん草とキャベツの中華風スープ。『ちくま』5月号(筑摩書房)が届く。
「彬子女王のオールナイトニッポン」(ニッポン放送)を聴く。彬子女王のすべらない話。落語家の立川志の八を相手に話しているので、「殿下」や「さま」の合間に「師匠」がさし挟まって、敬称が乱舞している。
Friday, April 25
朝食、目玉焼き、サニーレタスと紫玉葱とトマトのサラダ、キャロットラペ、ミルクブレッドとクリームチーズと餡ペースト、ヨーグルト、珈琲。昼食、弁当。夕食は、久方ぶりに五反田駅近くの「おにやんま」にて。鶏肉と竹輪の天ぷらを添えた温かいうどん。帰宅後、一泊二日の旅支度。
Saturday, April 26
一泊二日の京都旅。旅の目的は、毎年恒例の「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」を見物するため。
山手線に乗って東京駅まで。始発の新幹線に乗り込んで京都に向かう。朝食は、東京駅構内の「駅弁屋 祭」で購入した「日本食堂」のサンドイッチと、新幹線車内で注文した珈琲。午前8時すぎに京都駅着。「京都駅ビル」の北側通路壁面に掲げられた「JR クロニクル京都 2024」を観察してから、タクシーで宿泊先のホテルまで。「TSUGU 京都三条 by THE SHARE HOTELS」にてスーツケースを預ける。
「新風館」に立ち寄り、「CAFÉ KITSUNÉ KYOTO ShinPuhKan」で休憩。カプチーノを飲む。烏丸御池駅から東西線と京阪本線を乗り継いで、出町柳駅まで。晴天に恵まれた鴨川の風景を眺めてから、開店時刻丁度の「ha ra」を訪れて、早めの昼食を摂る。BLTサンドイッチと珈琲。
オーバーツーリズムが喧伝されて久しい京都の街だが、大型連休の初日にあたるはずの本日は、さして混雑してないように見える。「出町ふたば」も大して行列はできておらず。むしろ今日の早朝5時台の山手線が混んでいるのに驚いて、朝早く起きた組と夜寝てない組が山手線車内に入り乱れていた。「出町桝形商店街」に向かう。「レティシア・キイ A KYOTO HAIR-ITAGE」の展示を見る。
タクシーを捉まえて、「ロームシアター京都」までと告げる。「京都市美術館 別館」にて「グラシエラ・イトゥルビデ」を鑑賞。今回の旅程では「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」以外の予定も詰め込んでおり、「京都国立近代美術館」で開催中の展覧会「若きポーランド 色彩と魂の詩 1890-1918」を見学する。
美術館をあとにし、タクシーで移動。「建仁寺」まで。「両足院」にて「エリック・ポワトヴァン 両忘」を見る。建仁寺から三条通までの花見小路通と呼ばれる道路は、JRAの「ウインズ京都」があるので、JRAの係員が交通整理をしているのだが、馬券を求める人というより、押し寄せる観光客を相手にしているようにしかみえない。この通りを歩くとオーバーツーリズムの納得感がある。観光客だらけ。
「ASPHODEL」を訪れて「レティシア・キイ LOVE & JUSTICE」を見てから、鴨川沿いを歩いて北上し、「TIME’S」にて二つの展示「マーティン・パー Small World」と「田多麻希 土を継ぐ」を見学する。「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」は例年おなじ場所が会場になることが多いので、地図を見なくても廻れるようになってきた。
京都市役所前駅から東西線と烏丸線を乗り継いで、五条駅まで。「東本願寺 大玄関」にて「イーモン・ドイル K」を見る。本日の写真展巡りはここまで。事前に組み立てたタイムスケジュール通りの進行。
烏丸御池駅まで戻り、宿泊先の「TSUGU 京都三条 by THE SHARE HOTELS」にチェックイン。少し休憩して、ホテルから食事処まで歩く。夕食は「広東料理 鳳泉」にて。開店時刻の少し前に向かうと長蛇の列ができている。こちらは事前に予約済なので、大行列を牛蒡抜きで入店。以前に来たときは「注文は一回でお願いします」と店員のおばちゃんに言われたが、本日はみんな後から追加注文していて、あのシステムはなくなったのだろうか。姜尚美『京都の中華』(幻冬舎文庫)にも挿話としてでてくる、注文は一回でお願いします。
食べ終わって退店しても、外はまだ日暮れ前。「仔鹿」で白ワインを二本買う。ホテルに戻る道すがら、「京都嵐山ブルワリー 三条醸造所」に立ち寄って、クラフトビールを一杯飲む。
Sunday, April 27
朝食は「イノダコーヒ本店」にて。いつもどおり「京の朝食」を注文する。食べ終えて店をでる頃には、入口の外まで行列ができているのが近年の通例だったが、本日は誰もおらず。京都の混雑具合の波がよくわからない。
「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」巡りの前に、タクシーで「元離宮二条城」に向かう。「アンゼルム・キーファー ソラリス」を鑑賞。会場は「二の丸御殿台所・御清所」。この場所は過去、「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」でも何度か使用されているが、二条城を管理する京都市の「文化市民局文化芸術都市推進室元離宮二条城事務所」としては、ギャラリースペースとして活用したい意図でもあるのだろうか。
徒歩で西から東へ。「京都新聞ビル」にて「JR Printing the Chronicles of Kyoto」を見る。JRの制作の方法論はいつもおなじなので、作品自体に目新しさはないものの、その見せ方が素晴らしくて感嘆する。「然花抄院 京都室町本店」内にある「ギャラリー素形」に移動して、「劉星佑 父と母と私」を見学。鑑賞後、「然花抄院」でお菓子を買う。
「嶋臺ギャラリー」で「Sharing Visions The Heartwork of Kyoto Journal」と「リー・シュルマン & オマー・ヴィクター・ディオプ The Anonymous Project presents Being There」を鑑賞。
タイムスケジュールどおり昼食の時間となり、「ルラション」でBランチ(日替わり魚料理)と珈琲。価格設定が安すぎるのではないかと思う、ボリュームと美味しさ。
午後も「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」巡り。「京都文化博物館 別館」で「プシュパマラ・N Dressing Up」、「誉田屋源兵衛 竹院の間」で「石川真生 アカバナ」、「京都芸術センター」で「京トマソン マラソン」、「くろちく万蔵ビル」で「甲斐啓二郎 骨の髄」、「八竹庵(旧川崎家住宅)」で「アダム・ルハナ The Logic of Truth」と「土田ヒロミ ほか リトル・ボーイ」を見て廻る。「KYOTOGRAPHIE」のカタログを購入。
帰路の時間まではまだ余裕があるので、タクシーに乗って荒神橋まで。アートスペース「kojin kyoto」を訪れる。岡美里の個展「私たちは 非常にゆっくりと 蒸発している」と「空からの声」を見学する。
タクシーを捉まえて、「八坂神社」までと告げる。帰りの新幹線で鯖寿司を食べようと「いづ重」に赴くも、目下、鯖が不漁とのことで、鯖寿司はつくっていないとのこと。代わりに上箱寿司を買う。ふたたびタクシーに乗って「新風館」まで。「DIG THE LINE BOTTLE & BAR」のテラス席で、クラフトビールとフライドポテト。
ホテルに戻り、預け荷物をピックアップしてから、京都駅まで。「ジェイアール京都伊勢丹」に立ち寄ってから、午後6時の東海道新幹線で、東京に帰る。